COLUMN & INTERVIEW コラム&インタビュー

常設展に「掌絵(てのひらえ)」のコーナーが加わりました。

2019/09/11 インタビュー

常設展の一角に、てのひらサイズの小さな絵画を集めた「掌絵(てのひらえ)」のコーナーができました。リビングや寝室はもちろんキッチンや玄関、会社のデスクまわりでも、ちょっとした場所さえあれば飾れそうなサイズで、手頃な値段のためプレゼントにも良さそうです。この企画の発案者で、店長の伊藤久美子さんにお話を伺いました。

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どのような経緯で、「掌絵」の企画を思いついたのでしょうか。

今年の5月から6月にかけて開催した「小さな絵画展」が好評だったからというのもありますが、なにより、この展示のときに私自身が小さなサイズの絵をものすごく買いたくなりました。日本の住宅だと、0号(長辺18cm)でも飾る場所に迷ってしまう方が多いかと思いますが、今回の企画は額込みで13cm以下の絵画を出品していただいています。これならば、置く場所を考えなくてよいですし、いいなと思えば買える手頃な値段におさまります。

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「掌絵」という名前も良いですね。

企画の趣旨を絵画科油画専攻のOJUN先生に説明したところ、OJUN先生から「掌絵」はどうですかとご提案いただきました。

どのような作家に声をかけたのですか。

「小さな絵画展」に参加してくださった作家のうち、特に小さいものをつくっていた方にお声がけしました。額装が難しいので、こういう仕事をしてきた方でないと、抵抗を感じると思いました。

こんなに小さな額が販売されているのですね。

画材屋さんのワゴンで、端材でつくったような小さな額が販売されていることがあります。そういうものを買い集めておいて、それに合わせて絵を描いている方が多いです。さきに描いてから既成の額を探そうとしても合わなくて、特注すると額代が上がってしまいます。

菅原萌さんの作品は、「小さな絵画展」でも印象的でした。カラーテープからデザインカッターで小さな丸をくり抜き、テープに「残ったもの」を作品として発表していましたね。

そうです。今回出品していただいた、「香りの粒―middle―」は、くり抜いた丸い粒の方を使った作品です。ある香水をイメージしています。菅原さんが大好きな、トップにラベンダーやベルガモットが香り、最終的にムスクにいたる香水だそうです。

菅原萌「香りの粒―middle―」
菅原萌「香りの粒―middle―」

小泉さよ「赤い屋根の家」
小泉さよ「赤い屋根の家」
日本画専攻出身、猫に関する書籍を多く出版されている
イラストレータ・小泉さよさんによる水彩の小作です。

菅原萌「香りの粒―middle―」
相澤ななほ「アンスリウム」
相澤さんは、和紙に水彩で植物を描きます。透明感のある色としっとりとした雰囲気が特徴です。
相澤さんの過去のインタビュー記事はこちらです。

小さな絵画を集めた狙いはなにかあったのでしょうか。

このようなサイズの絵画を集めることで、一人でも絵を買ったことのある方を増やしたかったんです。作品を買ったことのない方は、展示をご覧になっても、なかなか、自分が買うものだという距離感で作品を見られないと思います。ただ、一つでも作品を買ったことがあれば、また次につながっていくと思います。小さなサイズの絵で、作品を買うことの敷居を低くし、アートを身近に感じて生活の中で楽しむための第一歩を導くことができればと考えています。

【参加作家】
相澤ななほ、久保田木都、小泉さよ、菅原萌、田村幸帆、春田紗良


取材・文/藤田麻希 撮影/五十嵐美弥(小学館)

※掲載した作品は、実店舗における販売となりますので、売り切れの際はご容赦ください。