藝大アートプラザと共に2年!健康に配慮したこだわりメニューが魅力のNoM cafeを徹底解剖

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藝大アートプラザ
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藝大アートプラザがオープンする日には、必ず営業している喫茶店があります。
え、どこにあるって?

藝大アートプラザの目の前にあります!

そう、このキッチンカーこそが、藝大アートプラザの名物にもなりつつある「NoM cafe」(のむかふぇ)なのです。

2018年10月に藝大アートプラザがオープンして以来、共に営業し続けて約2年半。こだわりのチャイやコーヒーは評判を呼び、展示を見に来たお客さんだけでなく、NoM cafe自体を楽しみに通い続けてくれる常連客も随分と増えました。

そこで、今回はこの珍しいキッチンカーでの移動式カフェ「NoM cafe」のマスター・長田 雅美(おさだまさみ)さんに取材させて頂きました。長田さんから伺ったお話をもとに、カフェの魅力や特徴をたっぷりとご紹介したいと思います!

体の芯からあたたまる!一番のオススメは健康にこだわった特性チャイ!

NoM cafeの主力メニューは、なんといってもNoM cafe自家製のチャイ。でも、コーヒーや紅茶ではなくて、なぜチャイだったのでしょう。早速長田さんにお聞きしてみました。

「カフェを開くなら、絶対【健康】をキーワードにしたかったんです。そこで、健康な飲み物って何かな・・・と考えた時、まずチャイが頭に思い浮かびました。それに、いつか大人になったらチャイ屋さんをやりたいなという、小さい頃からも夢もありました。」

なるほど・・・。チャイに入れる香辛料には、インドカレーや薬膳鍋と共通する、体に良い効能を持つスパイスがたくさん含まれているといいますよね。

長田さんは、NoM cafeオリジナルの「健康に良い」チャイを作り出すため、約1年も研究を重ね、美味しくて、かつ健康に配慮したスパイスの配合レシピを探していったそうです。

チャイの甘みを引き出す砂糖には、企業理念である「マジメに作られたものを、マジメにお届けする。」という考え方に長田さんが感銘を受けたムソー社の三温糖を選択。同社の三温糖は、カルシウムやビタミン、ミネラルが白砂糖より多く含まれているといいます。また、セイロンシナモンをチャイに使うことでシナモンの自然な甘さを引き出し、三温糖の使用量自体もなるべく減らして、体に負担をかけないようにしているそうです。

このようにNoMcafeのチャイは「飲めば飲むほど健康になる」と大評判。それでは、早速チャイを頂いてみましょう。

・・・ミルクティーのような紅茶のまろやかさと共に、じんわりとスパイシーな飲みごたえが伝わってきます。カドの取れた甘さと一緒に広がる独特の香りや、徐々に口の中に広がるスパイシーなフレーバーは非常に特徴的。ですがしつこい感じはまったくしません。インドカレーや薬膳鍋を頂いているときに感じるエスニックな感じの後味も印象的でした。

チャイといえば、インド人の作る甘いミルクティー・・・くらいの認識くらいしかなかったので、(良い意味で)味覚を複雑に刺激されて、ちょっとこれは衝撃を受けました。さっそく長田さんに聞いてみます。


NoM cafe様Instagramより引用

「香辛料には相性もあるので、各スパイスの持つ味や効能が互いに喧嘩しあわないように気を使いながら煮出しています。特に、クミンはホールとパウダーの両方を使うことで、口に含んだ瞬間だけでなく、後味にもしっかり残るように工夫しました。」

でも、これだけこだわった作り方をしているので、毎日の仕込みや準備には相当な時間がかかっているのではないでしょうか。

「そうですね。前日の夜遅くからスパイスをゆっくり煮出して、朝は5時頃から仕込みなどの準備をしています。」

えっ?!夜遅くまで働いて・・・朝5時起きですか!それを毎日??!

凄い!

1杯の飲み物を提供するために、そこまで真摯に向き合えるこだわりには本当に感服します。

チャイを飲み進めるにつれて、体の芯から温かくなってきましたが、それにはきっと絶妙にブレンドされたスパイスの薬味だけでなく、寸暇を惜しんで手間暇をかけた長田さんの情熱も含まれているのですね。

「飲めば飲むほど健康になっていく、そんな1杯のチャイを作ることに心がけています。」と語る長田さんのチャイ、本当におすすめです!

チャイだけじゃない!こだわり抜いたコーヒーやお菓子・パン類も美味です!


NoM cafe様Instagramより引用

続いて、チャイと人気を二分するNoM cafeの主力メニューのホットコーヒーもいただいてみましょう。ホット、アイスの両方が楽しめる他、カフェラテなども用意されています。

NoM cafeでのコーヒーについては、スペシャリティコーヒーの先駆けとなった堀口珈琲の豆を全面的に信頼して仕入れているとのこと。開業前に焙煎所を見学した際、機械で豆を選別したあと、さらに手作業で一粒一粒を検査するという同社の品質への徹底的なこだわりを目の当たりにして、非常に感銘を受けたそうです。


NoM cafeのコーヒーを支える堀口珈琲のミニパンフレット

「コーヒー豆の製造工場を見学した時、鳥肌が立ちましたね。私ももっとしっかりチャイと向き合わなきゃ、と強く思いました。それ以来、コーヒー類に関しては、堀口珈琲さんを全面的に信頼して使わせていただいています。」

さらに、藝大アートプラザの伊藤店長が「閉店前になってまだ店頭に残っていたら、まとめて買い占めちゃうこともあります(笑)。」と絶賛するのが、軽食メニューとして提供されているパンやケーキサンド。


ヒマラヤケーキサンドは、チョコレートクッキーにチーズケーキをサンドしたツリー型のお菓子。1つ頂くと、しっかり小腹がふくれます。

僕も、ケーキサンドを頂いてみました。見た目は非常に濃厚そうなイメージもありますが、意外にもさっぱりしていて優しい甘さに整えられています。それでいて1切れ頂いたらかなりお腹にたまるボリューム感もありました。

こちらは、文京区千駄木にあるパンとケーキの専門店「パリットフワット」と直接契約して仕入れているそうです。ためしに「パリットフワット」のHPを見てみると、自家製酵母や国産原料に徹底的にこだわっている様子。ちなみに食べログの点数は3.63とかなりのハイスコア。(https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131106/13034802/dtlrvwlst/) 口コミも絶賛の嵐です。

「パリットフワットさんも、私のお店同様、健康をコンセプトにしているお店なんです。労力を惜しまず、愛情と祈りを込めて一つ一つ手作りで焼く、というその姿勢に強く惹かれました。手間暇をかけた優しい味が私たちの飲み物と相性がいいと思って、NoM cafeで販売させてもらっています。」

このように、飲み物だけでなく、サイドメニューとして提供している軽食一つ一つにも非常に細やかなこだわりが感じられるのがNoM cafeの凄いところです。

そして、どのメニューにも共通するのが、「健康」というキーワード。

しかし、それにしてもなぜこれほど長田さんは「健康」にこだわってカフェメニューを提供されているのでしょうか。もう少しじっくり掘り下げてお聞きしてみました。

「お店に来る人みんなに健康になって帰ってもらいたい」

チャイのレシピに対して、自分が納得行くまで1年以上もかけてじっくり取り組んできた長田さんですが、それ以外にもカフェのために様々な努力を積み重ねてきたといいます。

たとえば、カフェを開くために美術系の専門学校で学んだり、あえて苦手な接客業のバイトを経験することで客とのコミュニケーションのとり方を学んだり・・・。カフェのためならとことん努力を惜しまないのですね。

ただ、何事も突き詰めて追求する努力家タイプゆえに、過去には、体をボロボロにしたことも。過労のため、健康診断で「総合D判定」という結果が出たことがありました。しかし、それが彼女にとって「健康」の重要性について根本的に考え直すきっかけにつながったのだといいます。

身をもって健康の大切さを知った長田さんが今、何よりもこだわっているのは、「お客さんに背筋を伸ばして安心して渡せる飲み物を出したい」ということ。

「正直な気持ちとしては、私はお客さんにNoM cafeに毎日でも来てほしいんです。常連さんになってもらって。でも、その常連さんに毎日渡す飲み物がもしも健康に悪いものだったら、来て頂かないほうがましですよね。

だから、私のチャイは、“飲めば健康になる”というコンセプトで作っているんです。チャイだけでなく、他の飲み物や食べ物も含めて、私のお店で提供するメニューは、まず体に良いものをお出ししたいと。私のお店に来たら、もっと健康になって帰って頂く、というのが理想ですね。」

常連さんがどんどん増えてくれるのが嬉しい。コツコツ祈るような気持ちでここでNoM cafeを続けたい

いかがでしたでしょうか?

自信作であるチャイをはじめ、コーヒーやサイドメニューのクッキー、パンに至るまで、自分の店で出すメニューには徹底的に「健康」というキーワードにこだわったNoM cafe。そのこだわりやプロ意識の高さは、職人・・・というよりすでに一種のアーティストのようでもあります。

キッチンカーは、一見華やかなようでいて、意外と厳しい世界です。あけ放した車による営業形態なので、冷暖房は一切ありません。実際、長田さんはこの夏の酷暑で約10kgも体重が落ちてしまったといいます。また、豪雨の日や寒い日など天気が悪い日は売上が極端に振るわなくなることもあるそうです。

でも、キッチンカーで小さなカフェを開くのは長田さんが子供の頃からやりたかった仕事なので、まったくつらくはない、と言い切ります。それよりも、約2年半たった今、常連客が着実に増えていることが本当に嬉しいと語ってくれました。

特に平日などは、多い日だと約8割がNoM cafeを贔屓に通ってくれるリピート客なのだそうです。上島珈琲やスターバックスなど、近隣には有名なチェーンなども林立するカフェ激戦区でもある上野公園の中で、着実に固定客を増やし続けているのは凄いですよね。

藝大アートプラザで一通り作品を見終えたら、ぜひNoM cafeに一度立ち寄ってみて下さい。おいしくて、通うたびに健康になっていく、まごころの通ったチャイやコーヒーは一度飲めばやみつきになりますよ!

NoM cafe

営業場所:藝大アートプラザ前の広場にて営業
営業日/営業時間:藝大アートプラザ営業日/営業時間と原則同一
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取材・撮影/齋藤久嗣 撮影/五十嵐美弥 ※一部画像はNoM cafe様よりご提供

※掲載内容は記事掲載時(2020年12月時点)のものです。営業時間やメニューなど変更となる可能性がございます。

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