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第13回 藝大アートプラザ大賞展 出品作家インタビュー 菊地言美さん(修士課程彫刻専攻1年生)

2018/12/02 インタビュー

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藝大アートプラザ大賞展準大賞を受賞した菊地さんは、彫刻専攻の修士1年生。ご自身の雰囲気とも共鳴する、やわらかい雰囲気の彫刻を作っています。受賞作の「昼夢」は、タコのようにも見えるけれども、よく見るとタコそのものではない不思議な彫刻。どうしてこの形に行き着いたのか、その意図を伺いました。

準大賞を受賞した「昼夢」について説明していただけますか。

具体的なイメージはなく、夢を見ているときのようなふわりとした不思議な感覚を表現できないかという気持ちで、制作しました。最初からこういう形のものを作ると決めてスタートしたわけではなかったため、制作しながらいろいろ形も変わって、さまよいながらこの形に辿り着きました。

一見するとタコのようにも見えるのですが...。

私はタコをモチーフにした作品を作ることが多いので、そのイメージも無意識のうちに反映されているかもしれません。夢を見ると、その日の昼間に見たものだとか、自分が好きなものが無意識に出てきますよね。そういう感覚で、タコのことを考えていたつもりではないのに、いつのまにかタコっぽい形になってしまったのだと思っています。

なぜ砂岩という材料を選んだのですか。

砂岩は、柔らかい表現がしやすいです。不思議なサラサラ感というか、磨き上げてもピカっと光らないかんじが、私のつくりたかったイメージに合うかなと思いました。形が定まらず、サラサラっと溶けてしまいそうなはかないイメージが欲しかったんです。

この作品を作っているときに一番苦労したのは何ですか。

手探りの状態でつくっていたので、どれくらい時間がかかって、どういう形で完成できるのかわからなかったのが不安ではした。

終わりはどうやって決めるのですか。

細かく空洞っぽいものを作るところも必要なのですが、あまり彫ってしまうとスカスカになってしまいます。最低限これくらいは欲しいと思っている重量感や質量のレベルのところを見極めて、最終的な落としどころを見つけています。

準大賞を受賞した今の気持ちは?

素敵な賞をいただいて光栄に思っています。いままで自分で作った作品を、自分でどう思うかということでしか制作をしていなかったので、自分の作品に値段をつけて、このような場所でいろんな人に見ていただける経験は、新鮮で刺激になりました。

今後の展望を教えてください。

機械と手彫りと両方の表現をできる作家になりたいと思っています。細かい形をつくったり、ぱっと見て「うわっ、すごいね」と人に思ってもらえるような作品は機械の力を使わないとできなかったりするのですが、手彫りには手彫りのメリットもあることを感じていて、どっちもできるようになりたいです。今回いただいた賞をはげみに今後も制作を頑張っていきたいと思います。


●菊地言美プロフィール

1995年 埼玉県生まれ
2018年 東京藝術大学卒業制作で都知事賞を受賞
2018年現在  東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻1年


取材・文/藤田麻希 撮影/五十嵐美弥(小学館)

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