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「藝大の猫展」受賞作決定!

2019/05/07 展示情報

4月22日(月)、「藝大の猫展」に向けた学生対象の作品募集の審査が行われ、受賞作6点が選ばれました。

審査をしたのは、絵画科教授のO JUN先生、彫刻科教授の原真一先生、そして猫好きで、猫に関する著書もある東京大学名誉教授・養老孟司先生、藝大アートプラザの伊藤久美子店長、ほかの計5名です。一次審査で全65点の作品から35点に絞り、猫大賞1点、準猫大賞2点、猫アートプラザ賞2点を選出。最後に養老先生に特別賞1点を選んでいただきました。

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受賞作はつぎのとおりです。

猫大賞

山田高央(美術学部修士課程 文化財保存学保存科学専攻2年)「シュレディンガーの毛玉/Where did we get that cat from?」

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瓶のなかに猫の毛に見立てた砂鉄と磁石等が入っており、作品を揺することによって、形が変化し、砂鉄のなかから猫の目が現れたりします。作家曰く「アートの解釈をめぐる様々なパラドックスと量子力学の難解な面を重ね合わせ、科学的には不可能な"シュレディンガーの猫(注:量子力学に関する思考実験)"を抽出、具現化しようという試み」です。

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「ほかの出品作は猫の形を表したものが多かったので、この作品を見た時、最初、どこに猫がいるのか?と思いました。揺すってみたら、猫の目玉や足の裏のかたちのようなものが表れて、自由な形に変化させられる点で工夫がこらされていて面白かったです。作品に触れられるため、猫を抱っこしているような印象も受けました」(O JUN先生)

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「この作品だけ発想の出発点が違っているのが面白かったです。振ったときの重さと、瓶のなかで磁石と砂鉄が動く感覚が、"なかに何かいるぞ"と感じさせて、妙にリアルでした。普通、瓶の中になにかがあると"カラカラ"とか高い音がしそうなものなのですが、これは"もふもふ"という音がして、毛玉が転がっているような印象を手から受けました」(原先生)

準猫大賞

加藤健一(美術学部 油画専攻3年)「ねこがいた。」

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塀の上にちょこんと座る猫を描いた油彩画。あえて写実的には描かないことで、何気ない日常の雰囲気を表しているようです。


三谷和花(美術学部 彫刻専攻3年)「bless」

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テラコッタでできた置物です。あくびをしている猫を観察しながら、「ちいさくても生きている、息を吸って吐いていることへの愛しい気持ち」を表現しています。

猫アートプラザ賞

張彬文(美術学部修士過程 絵画科日本画専攻2年)「夏の暮れ」

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土佐麻紙に岩絵の具で描いた作品。金箔も絵の下の方に散らしてあります。猫と暮らした夏の思い出を表現した作品です。


渡邊美波(美術学部修士課程 絵画科日本画専攻1年)「猫だっていろいろ...」

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野良猫、飼い猫、若い猫、老猫...。いろんな猫がいることを考えながら、銅版画、クロッキー、コンテの3種の素材・技法用いて制作した作品。猫の気ままな雰囲気が出るようにレイアウトも工夫しています。

養老孟司特別賞

御代将司(美術学部修士課程 工芸専攻)「おっとっとっと」

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シルバーに金メッキをほどこした指輪。ジャンプして飛び移った猫が失敗してずり落ちそうになっている姿が愛らしさに着目して制作されました。

「私は猫好きですから、猫のいろんな性質が良く出ている作品を選んでいきました。これは、まず、かわいさが目につきました。もうちょっとで落っこちてしまいそうになりながら、必死でしがみついている様子が"人生"を象徴しているようでもあって、遊び心も感じました。実際の猫もこのようなポーズをよくします。あいつらは昇るのはうまいけれども、降りるのは下手。降りるときのどうしようもなくなった感じがよく出ています」(養老先生)

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受賞作、そして、惜しくも賞には選ばれなかった入選作も、4月26日(金)~5月26日(日)まで開催する「藝大の猫展」で、展示・販売いたします。かわいい猫たちに会いにぜひ藝大アートプラザにお運びください。


取材・文/藤田麻希 撮影/五十嵐美弥(小学館)

※掲載した作品は、実店舗における販売となりますので、売り切れの際はご容赦ください。