上野の美術館で開催中の展覧会まとめ2025〜イベント・企画展・特別展など〜

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藝大アートプラザ編集部
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2025年10月-11月のまとめ

特別展「運慶 祈りの空間―興福寺北円堂」

会期:2025年9月9日(火)~2025年11月30日(日)
会場:東京国立博物館 本館 特別5室

「博物館でアジアの旅」は、アジアの美術・工芸・考古遺物が集まる「東洋館」を舞台に、毎年異なるテーマを掲げて作品を展示する、東京国立博物館の秋の恒例企画です。今年の「博物館でアジアの旅」は、日韓国交正常化60周年を記念して、「てくてくコリア―韓国文化のさんぽみち―」と題し、当館が所蔵する、韓国にちなんだ作品の数々をご紹介します。
本企画は「朝鮮時代の書画と交流」「日本にもたらされた朝鮮半島の文化」「韓国タイムトラベル―ここで・ひと・とき―」の3つの特集展示から構成され、書画、考古、美術工芸など多彩な作品を通じて、韓国の歴史と文化、そして日本との交流の軌跡をたどります。

展覧会詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=dtl&cid=5&id=11407

博物館でアジアの旅 日韓国交正常化60周年 てくてくコリア―韓国文化のさんぽみち―

会期:2025年9月23日(火・祝)~2025年11月16日(日)
会場:東京国立博物館 東洋館

「博物館でアジアの旅」は、アジアの美術・工芸・考古遺物が集まる「東洋館」を舞台に、毎年異なるテーマを掲げて作品を展示する、東京国立博物館の秋の恒例企画です。今年の「博物館でアジアの旅」は、日韓国交正常化60周年を記念して、「てくてくコリア―韓国文化のさんぽみち―」と題し、当館が所蔵する、韓国にちなんだ作品の数々をご紹介します。
本企画は「朝鮮時代の書画と交流」「日本にもたらされた朝鮮半島の文化」「韓国タイムトラベル―ここで・ひと・とき―」の3つの特集展示から構成され、書画、考古、美術工芸など多彩な作品を通じて、韓国の歴史と文化、そして日本との交流の軌跡をたどります。

展覧会詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=dtl&cid=5&id=11407

平安武士の鬼退治―酒呑童子のものがたり―

会期:2025年9月30日(火)~2025年11月9日(日)
会場:東京国立博物館 本館 特別1室・特別2室

平安時代の武士、源 頼光と配下の四天王たちが、酒呑童子という鬼を退治する物語は、多くの美術作品に取り上げられてきました。きっかけは室町時代後期、狩野 元信が描いた絵巻です。以後、狩野派はもちろん、多くの絵師たちがこの物語を描いてきました。この特集は、 多くの人びとに愛好された「酒呑童子のものがたり」を 描く作品を紹介するものです。はじめに、安土桃山時代から江戸時代の初め頃、当時の絵画界のトップにあったともいえる、狩野孝信筆と伝わる絵巻から、「酒呑童子のものがたり」のダイジェス トを見ていきましょう。続いて、孝信とほぼ同時代、扇 に描かれた珍しい酒呑童子絵から、ストーリーの全貌をご覧いただきます。その上で、この物語で活躍する武士や鬼たちを題材にしたスピンオフ作品などから、酒呑童子絵を深掘りしていきます。酒呑童子絵には、残酷で、血なまぐさい場面も多く描かれています。ただ物語をよく読むと、退治される酒呑童子側にも言い分があるようです。こうした矛盾を抱えながら、なぜこの物語は長らく愛されてきたのか。これらについても皆さんと考えてみたいと思い、この特集を企画しました。酒呑童子をめぐる造形世界をお楽しみください。

展覧会詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2725

日韓国交正常化60周年 日本にもたらされた朝鮮半島の文化

会期:2025年9月23日(火・祝)~2025年12月21日(日)
会場:東京国立博物館 東洋館 9室

日本と朝鮮半島の国々の間には、先史時代にさかのぼる長い交流の歴史があります。この展示では、まず百済の聖明王から欽明天皇に仏像や経典を送ったという仏教伝来を彷彿させる仏像など、そして朝鮮半島と積極的に交易した中国地方の大名・大内氏が創建した周防(現在の山口県)の大寧寺伝わった高麗の経箱など、さらに日本から発注して朝鮮半島の慶尚南道の金海で製作された茶碗などを紹介します。この展示をご覧いただくことにより、日本人が朝鮮半島から伝わった文化財を大切に保存してきたこと、それらを受容しながら日本文化を育んでいたことに想いを馳せていただきたく思います。

展覧会詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2724

東京国立博物館

住所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
公式サイト:https://www.tnm.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/YWjaJoqwxGUJLaEM7

ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢

会期:2025年9月12日(金)~12月21日(日)
会場:東京都美術館 企画展示室

フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)の作品は、今日までどのように伝えられてきたのでしょうか。本展は、ファン・ゴッホ家が受け継いできたファミリー・コレクションに焦点を当てます。フィンセントの画業を支え、その大部分の作品を保管していた弟テオは兄の死の半年後に生涯を閉じ、テオの妻ヨーが膨大なコレクションを管理することとなります。ヨーは義兄の作品を世に出すことに人生を捧げ、作品を展覧会に貸し出し、販売し、膨大な手紙を整理して出版するなど、画家として正しく評価されるよう奔走しました。テオとヨーの息子フィンセント・ウィレムは、コレクションを散逸させないためにフィンセント・ファン・ゴッホ財団を設立し、美術館の開館に尽力します。人びとの心を癒す絵画に憧れ、100年後の人びとにも自らの絵が見られることを期待した画家の夢も、数々の作品とともにこうして今日まで引き継がれてきました。本展では、ファン・ゴッホ美術館の作品を中心に、ファン・ゴッホの作品30点以上に加え、日本初公開となるファン・ゴッホの貴重な手紙4通なども展示します。現在のファン・ゴッホ美術館の活動も紹介しながら、本展をとおして、家族の受け継いできた画家の作品と夢を、さらに後世へと伝えてゆきます。

展覧会詳細:https://gogh2025-26.jp/

上野アーティストプロジェクト2025 刺繍―針がすくいだす世界

会期:2025年11月18日(火)~2026年1月8日(木)
会場:東京都美術館 ギャラリーA・C

上野アーティストプロジェクト第9弾として開催する本展では、布地などに針で糸を刺し、縫い重ねる手法によってかたちづくられた多彩な造形と表現に注目します。手に持った針を動かし、布の表裏の行き来を繰り返す「刺繍(ししゅう)」と呼ばれるような仕事は、つくり手に自分だけの世界に潜りこむことを促し、安らぎや自己解放、時に救済をももたらすものだと言われます。一方で、布地の補修や装飾、信仰などのため、様々な時代、様々な場所で土地の風土に根ざしながら発生してきたこの手わざは、時間・空間を隔てた他者の生活への想像力を働かせるきっかけともなり得るものです。
近世以来の刺繍職人の家に生まれ、伝統的技法に基づきながら革新的な表現を追い求めた平野利太郎(ひらの としたろう・1904〜1994)。西洋刺繍の知識を土台に、羊毛の糸を用いた躍動感ある絵画的な刺繍作品を発表し、日本手芸普及協会の会長も務めた尾上雅野(おのえ まさの・1921〜2002)。絵や映像を介して目にし、記憶した風景や事物を、自由なステッチで画面上につくり上げていく岡田美佳(1969〜)。つくることをめざすのではなく、自分の奥底に流れる時間や感覚を確かめるかのように、日々、糸を刺し続ける伏木庸平(ふせぎ ようへい・1985〜)。ベンガル地方の女性たちの間で古布再生や祈りの思いから生まれ継承されてきたカンタと呼ばれる針仕事に共鳴した望月真理(1926〜2023)。
本展では、以上の大正末から現在にいたる国内の5名の刺し手たちの活動をみつめます。それぞれが手を動かし、布の上にすくい上げた「かたち」と向き合うことで、針と糸というシンプルな道具とともに続けられてきたこのいとなみの意味と可能性について、考える機会となれば幸いです。

展覧会詳細:https://www.tobikan.jp/2025_uenoartistproject/

刺繍がうまれるとき―東京都コレクションにみる日本近現代の糸と針と布による造形

会期:2025年11月18日(火)~2026年1月8日(木)
会場:東京都美術館 ギャラリーB

東京都江戸東京博物館、東京都写真美術館、東京都現代美術館の所蔵品から、「刺繍」や「刺子」と呼ばれるような糸・針・布による造形物とそれに関連する資料を、時代ごとに4つの章に分けて紹介します。特別に、女子美術大学工芸専攻研究室が所蔵する明治末~昭和初期の学生たちが制作した「刺繍画」も展示いたします。

展覧会詳細:https://www.tobikan.jp/exhibition/2025_collection.html

東京都美術館

住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
公式サイト:https://www.tobikan.jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/STJUT3f1V3a47re27

オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語

会期:2025年10月25日(土)-2026年2月15日(日)
会場:国立西洋美術館 企画展示室

印象派といえば、移ろう光や大気とともにとらえた戸外の風景がまず思い浮かぶのではないでしょうか。とはいえ、彼らの最初のグループ展が開かれたのは、近代化が急速に進む1870年代のパリ。この活気に満ちた大都市や、その近郊における現代生活の情景を好んで画題とした印象派の画家たちは、室内を舞台とする作品も多く手がけました。とりわけ生粋のパリ市民であったエドガー・ドガは、鋭い人間観察にもとづいた、心理劇の一場面のような室内画に本領を発揮し、一方でピエール=オーギュスト・ルノワールは、穏やかな光と親密な雰囲気をたたえた室内情景を多数描きました。ほかにもエドゥアール・マネやクロード・モネ、ギュスターヴ・カイユボットらが、私邸の室内の壁面装飾を目的として制作した作品も少なくありません。印象派と室内は、思いのほか深い関係を結んでいたのです。本展では、「印象派の殿堂」ともいわれるパリ・オルセー美術館所蔵の傑作約70点を中心に、国内外の重要作品も加えたおよそ100点により、室内をめぐる印象派の画家たちの関心のありかや表現上の挑戦をたどります。オルセー美術館の印象派コレクションがこの規模で来日するのはおよそ10年ぶり。さらに今回、若きドガの才気みなぎる代表作《家族の肖像(ベレッリ家)》が日本で初めて展示されます。マネ、モネ、ルノワール、ポール・セザンヌらの名品も一堂に会するこの機会に、室内というテーマを通して印象派のもうひとつの魅力をぜひご堪能ください。

展覧会詳細:https://www.orsay2025.jp/

ピカソの人物画

会期:2025年6月28日(土)〜10月5日(日)
会場:国立西洋美術館 版画素描展示室(常設展示室内)

20世紀を代表する芸術家パブロ・ピカソ(1881-1973年)は、何よりも「人」を描いたことで知られます。彼は、生と死、戦争と平和、愛と欲望といった私たちを取り巻くあらゆるテーマや感情に向き合い、強い存在感を放つ人間の姿を描き続けました。本展は、ピカソの人物画に焦点を当てることで、この芸術家の核心に迫ろうとするものです。ピカソは、母国スペインの美術学校における写生デッサンの訓練を通して、人体を正確に把握し再現するための基礎を築きました。独学で学んだカリカチュアの手法は、ピカソの人物像におけるユーモラスな誇張や単純化、デフォルメの表現に生かされます。一方キュビスムの発明は、理想的な人体美の伝統を根底から覆し、人物画を新たな造形実験のための場へと転換させました。ピカソの人物画の主題は、初期には社会から疎外された人々、両大戦間には古典古代、晩年には「画家とモデル」など多岐に及びますが、生涯にわたり中心的な位置を占めたのは肖像画です。それらの多くは従来のような注文制作ではなく、家族や友人、恋人たちを自由に描いたものでした。ピカソはとりわけ、最も身近な存在であった女性たちを、技法やスタイルを変えながら何度も取り上げています。そして1枚の絵には集約できない一人の人物の多面性や彼女らに向けられた自身の変化する感情を、一連の肖像画を通して表現しました。本展は、近年多数の寄託作品により拡充された当館のピカソ・コレクションをまとめて紹介するまたとない機会となります。さらに国内の美術館のご所蔵品若干数を加えた絵画、素描、版画、資料など合計34点を通して、画家の青年期から晩年に至る人物画の表現と主題、その革新性と多様性をご覧いただきます。

展覧会詳細:https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2025picasso.html

国立西洋美術館

住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
公式サイト:https://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/qAq7EVGnuRjxwtRe9

特別展「氷河期展 〜人類が見た4万年前の世界〜」

会場:国立科学博物館 (東京・上野公園)
会期:2025年7月12日(土)~10月13日(月・祝)

現代よりもはるかに寒冷だった4万年前の氷河期は、人類や、マンモスなどの巨大な動物たちが共に生きていた時代です。彼らの中には、絶滅したものもいれば、生き残ったものもいます。本展では、この時代を生きた動物たちや人類について解説し、その命運を分けた氷河期の謎に迫ります。注目は、日本初公開となるネアンデルタール人とクロマニョン人の実物の頭骨。そして氷河期を生きた巨大動物たちの大きさを、会場で是非体感してください!

展覧会詳細:https://hyogakiten.jp/

学習マンガのひみつ

会期:2025年10月10日(金)~11月9日(日)
会場:国立科学博物館(東京・上野公園)日本館1階企画展示室、中央ホール

近年、教育関係者やマンガファン、出版関係者など、さまざまな立場の人々から「学習マンガ」が注目されています。学校図書館や書店の児童書コーナーには、これらの書籍が並ぶ棚が大きな一画を占め、戦前からの古い歴史もあり、また大きな出版市場を形成しているジャンルです。しかしながら、これまでその全体像を俯瞰するような書籍や展覧会はありませんでした。本企画展は、“見えないマンガ”と言われる「学習マンガ」を、教育博物館として誕生した国立科学博物館にて、内容や表現方法の歴史的な変遷に注目し、「マンガで学ぶ」ことの可能性について多角的に紹介する初めての展覧会となります。

展覧会詳細:https://www.kahaku.go.jp/event/2025/10gakushuumanga/

国立科学博物館

住所:〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20
公式サイト:https://www.kahaku.go.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/zBoHtasXcNCq7FSt8

企画展「time after time〜時の軌跡〜」

会場:藝大アートプラザ
会期:2025年10月11日(土)〜11月30日(日)

人は「時」とともにある存在です(人がいない世界でもきっと時は流れているにもかかわらず!)。人の手によって生み出されるアートも「時」から逃れることはできません。時は誰にとっても同じ長さを刻んでいるのでしょうか?時は過去から未来へと流れるものなのでしょうか?アートは時をどんな世界として描き出すのでしょう?作品は時の軌跡とどう向き合うのでしょう?アーティストたちが「時」と向かい合った作品に流れる時間をお楽しみください。

展覧会詳細:https://artplaza.geidai.ac.jp/column/28312/

塩出麻美 個展「Apple2」

会場:藝大アートプラザ
会期:2025年10月11日(土)〜11月30日(日)

昨年10月開催の「Apple」に続く本展。今回は「内部からの目線」をテーマに、作家の表現実験を発表します。前作からの展開を会場で体感してみてください。

展覧会詳細:https://artplaza.geidai.ac.jp/column/28405/

藝大アートプラザ

住所:〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内
公式サイト:https://artplaza.geidai.ac.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/w6T4HWuMghT2xfAX7

-2025年9月末更新-

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