上野の美術館で開催中の展覧会まとめ2026〜イベント・企画展・特別展など〜

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藝大アートプラザ編集部
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東京・上野公園周辺で、開催中の注目の展覧会・展示ニュースをまとめました。美術館や博物館巡りの参考にご覧ください。

※記事に掲載している情報は、毎月25日前後に更新します。
※展覧会やイベントの内容が変更されている場合がございます。最新の情報は各施設の公式ホームページなどでご確認ください。

2026年5・6月のまとめ

前田育徳会創立百周年記念 特別展「百万石!加賀前田家」

会期:2026年4月14日(火)~2026年6月7日(日)
会場:東京国立博物館 平成館 特別展示室

加賀前田家は、初代・前田利家が北陸に領地を得て以来、金沢を本拠に、江戸時代を通じて加賀・越中・能登の三か国、百万石以上の規模を誇る大名家として、明治維新に至るまで領国統治を行ないました。近代に入って東京に本拠を移し侯爵となった後も、前田家伝来の文化財の保全に努め、16代・利為(としなり)は、大正15年(1926)に育徳財団(現在の前田育徳会)を設立しました。

令和8年(2026)、前田育徳会は創立百周年を迎えます。これを記念して、加賀前田家歴代当主の事績を振り返るとともに、旧蔵品を含めた加賀前田家伝来品の数々を紹介いたします。百万石の城下で花開いた技術と造形、知識と思想を通じて、今に続く加賀文化の美の真髄に迫ります

展覧会詳細:https://tsumugu.yomiuri.co.jp/kagamaedake2026/

特別企画 アイルランド チェスター・ビーティー・コレクション 絵巻と絵本のたからばこ

会期:2026年4月27日(月)~2026年7月20日(月・祝)
会場:東京国立博物館 本館 D室・E室

ヨーロッパの北西部に位置するアイルランドの首都ダブリンには、チェスター・ビーティーという文化施設があります。ここには、アメリカの鉱山開発で成功し、世界の様々な美術作品を収集したアルフレッド・チェスター・ビーティー卿(1875–1968)のコレクションが収蔵されています。ビーティー卿は1917年に日本を訪れており、特に日本の物語絵については、ヨーロッパ随一のコレクションです。本展は、これらチェスター・ビーティー・コレクションのなかから、アイルランド外ではなかなか見ることのできない選りすぐりの日本の物語絵25点をご紹介するものです。

チェスター・ビーティー・コレクションは、1988年から翌年にかけて、東京、神戸、名古屋で展観されました。また、同コレクションの至宝ともいえる、玄宗皇帝と楊貴妃の悲恋を描いた狩野山雪筆「長恨歌絵巻」は「在外日本古美術品保存修復協力事業」によって修理された作品です。このように、日本とアイルランドは美術を通じた交流をこれまでも続けてきました。2025年には日本とアイルランドの外交、経済、文化の交流拠点であるアイルランド・ハウスが開設され、両国の文化交流はますます盛んになっていくことが期待されます。この機会に、美術がつなぐ日本とアイルランドの友好関係にも思いを馳せていただけたら幸いです。

展覧会詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2737

「フォルモサ(美しき島)の豊かな暮らし」―台湾の原住民族の資料―

会期:2026年3月10日(火)~2026年5月31日(日)
会場:東京国立博物館 平成館 企画展示室

台湾は、かつて「イラ・フォルモサ(Ilha Formosa)」とよばれていました。それは大交易時代のポルトガル人が感嘆した「美しい島」という意味のポルトガル語です。台湾島の中央には3000メートル級の山やまが連なるので、船から眺めると、海のなかに巨大な山がそびえているように見えました。当時、すでに台湾には多くの人びとが居住していました。さらにオランダ東インド会社や中国・明の遺臣である鄭成功(1624-1662)の進出を経て、17世紀には中国大陸南部から漢民族が海峡を渡って本格的に移り住むようになりました。この過程でいまの多民族社会・台湾の素地が形成されました。古くから台湾島と周辺諸島に居住していた民族は、みずからを「原住民族」と総称しています。台湾の原住民族はオーストロネシア語族に属する複数の民族集団で、太平洋に広がる島じまに暮らす人びとと同系統であるとされています。現在、台湾政府は言語や生活文化の差異によって16民族を認定しています。本特集では、東京国立博物館が所蔵する器物や衣服を通し、台湾原住民族の多彩で豊かな生活様式を紹介します。

展覧会詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2746&lang=ja

親と子のギャラリー 博物館でバクめぐり

会期:2026年5月12日(火)~2026年6月21日(日)
会場:東京国立博物館 本館 4室

毎年、国際博物館の日(5月18日)を中心に、東京都恩賜上野動物園と国立科学博物館と連携で企画している「上野の山で動物めぐり」の関連展示。開催19回目となる今回のテーマは、「バク」。東アジアで古来知られる「獏(ばく)」は想像上の動物で、身体が熊に似て、鼻が象といった特徴をもち、悪い夢を食べる瑞獣として親しまれてきました。一方、バク科の哺乳類である動物のバクは、近代以降、主に鼻など形状の類似から「獏」の名前を借りたとされ、本来は無関係ですが、夢を食べるイメージは引き継がれました。本特集では、絵画にあらわされる獏のみならず、枕や鏡といった調度品などを通して、伝説的な獏のイメージを紹介します。加えて、バクの映像や標本類の写真によって、伝説の獏との違いを示しつつ、今日のバクとも比較しながら、瑞獣である獏の造形をご覧いただければ幸いです。

展覧会詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2762

東京国立博物館

住所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
公式サイト:https://www.tnm.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/YWjaJoqwxGUJLaEM7

東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展

会期:2026年4月28日(火)~7月5日(日)
会場:東京都美術館 企画展示室

20世紀アメリカ具象絵画を代表する画家アンドリュー・ワイエス(1917-2009)。第二次世界大戦後に脚光を浴びたアメリカ抽象表現主義、ネオ・ダダ、ポップアートといった動向から距離を置き、ひたすら自分の身近な人々と風景を描き続けました。その作品は眼前にある情景の単なる再現描写にとどまるものではなく、作家自身の精神世界が反映されたものとなっています。彼の作品には、窓やドアなど、ある種の境界を示すモティーフが数多く描かれます。境界は、西洋絵画史のなかで古くから取り上げられてきたテーマですが、ワイエスにとってはより私的な世界との繋がり、あるいは境目として機能しています。本展は、その境界の表現に着目して、ワイエスが描いた世界を見ていこうとするものです。

展覧会詳細:https://wyeth2026.jp/

東京都美術館開館100周年記念 都美セレクション グループ展 2026

会期:2026年6月10日(水)~7月1日(水)
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C

「都美セレクション グループ展」は、新しい発想によるアートの作り手の支援を目的として、当館の展示空間だからこそ可能となる表現に挑むグループを募り、その企画を実施するものです。東京都美術館開館100周年の節目の開催となる「都美セレクション グループ展 2026」では、応募の中から厳正な審査を経て選ばれた3グループが展覧会を実施し、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーション等によるさまざまな作品を展示します。

展覧会詳細:https://www.tobikan.jp/exhibition/2026_groupshow.html

東京都美術館

住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
公式サイト:https://www.tobikan.jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/STJUT3f1V3a47re27

チュルリョーニス展 内なる星図

会期:2026年3月28日(土)〜6月14日(日)
会場:国立西洋美術館 企画展示室B2F

リトアニアを代表する芸術家、ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス(1875-1911)。祖国リトアニアにおける生誕150周年の祝賀ムードを引き継いで開催される本展は、日本では34年ぶりの回顧展。国立M. K. チュルリョーニス美術館が所蔵する主要な絵画やグラフィック作品、約80点を紹介します。人間の精神世界や宇宙の神秘を描いた幻想的な作品の数々のうち、謎に包まれた最大の代表作《レックス(王)》が日本で初公開。また、音楽形式を取り入れた連作や、自身の手になる楽譜、展示室に流れる旋律をとおして、優れた作曲家でもあった画家の個性と感性を体感していただきます。2000年以降、オルセー美術館(パリ)をはじめヨーロッパ各地で展覧会が開催されるなど再評価の機運が高まるチュルリョーニスの世界をぜひご堪能ください。

展覧会詳細:https://2026ciurlionis.nmwa.go.jp/

【特集展示】近代における女性の芸術家たち

会期:2026年3月28日(土)〜5月31日(日)
会場:国立西洋美術館 新館2階

⾧らく美術史では女性の芸術家が語り落とされてきました。旧来の男女をめぐる社会的・文化的な不均衡は、近代に至っても女性の享受できる美術教育を制限し、また彼女たちの作品の評価を遅らせました。しかしながら、19世紀後半にはフェミニズムの動きを受けてフランスの国立美術学校が女性に門戸を開くなど、社会状況の変化にともない女性の芸術家たちが存在感を増していきます。

今回は、こうした時代にフランスやイギリスで活動した女性の画家7名による作品をご紹介します。ベルト・モリゾやヴィクトリア・デュブールの絵画など、これまで常設展で見慣れていた作品も、並べて見ると各画家の独自性がいっそう際立ってくることでしょう。また、初展示となるローザ・ボヌールの絵画《乳しぼり》(寄託作品)やメアリー・カサットの版画《裸足の子ども》もご覧いただけます。美術とジェンダーとの関係に目を向ける機会にもなれば幸いです。

展覧会詳細:https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2026Collection-1.html

国立西洋美術館

住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
公式サイト:https://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/qAq7EVGnuRjxwtRe9

特別展「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」

会場:国立科学博物館 (東京・上野公園)
会期:2026年3月14日(土)~6月14日(日)

危険生物の驚異的な能力を探る禁断の研究所! 強大なパワー、鋭い牙、猛毒、電撃――「必殺技」のメカニズムを、国立科学博物館を中心に、各地の貴重な標本、精巧なCG、学びにつながる模型、そして迫力満点の映像など、多角的な手法を駆使してご紹介します。生命の不思議さ! 奥深さ! 知的好奇心をかき立てる、危険生物の迫力満点の展示をぜひご体感ください。

展覧会詳細:https://chokikenseibutsuten.jp/

生誕100年記念「かこさとしの科学絵本」

会期:2026年3月24日(火)~2026年6月14日(日)
会場:国立科学博物館(東京・上野公園)日本館1階企画展示室、中央ホール

かこさとしは1959年に『だむのおじさんたち』でデビューして以来、600冊を超える作品を世におくりだした絵本作家です。彼の手がけた絵本の分野は幅広く『からすのパンやさん』などの愉快な作品に加え、『かわ』をはじめとする多くの科学絵本を制作しました。これらの作品はサイエンスコミュニケーションの先駆けともいえ、科学教育の発展を促しました。本展ではかこさとしの生誕100年を記念し、彼の主要な科学絵本を中心に科学教育への熱い信念や自然科学への飽くなき探求心を紹介します。研究者の視点でめぐる国立科学博物館ならではの科学絵本の世界をどうぞお楽しみください。

展覧会詳細:https://www.kahaku.go.jp/tenji-event/nid00001839.html

国立科学博物館

住所:〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20
公式サイト:https://www.kahaku.go.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/zBoHtasXcNCq7FSt8

企画展「PANDART 藝大パンダ」

会場:藝大アートプラザ
会期:2026年5月16日(土)〜6月14日(日)
※5月15日(金)13時よりプレオープン

上野といえばパンダ、パンダといえば上野ですが、2026年、そのパンダが上野から、そして日本から姿を消してしまいました。長く街の象徴であった存在がふっと不在になる——その瞬間には、喪失感と同時に、これまで気づかなかった問いが立ち上がります。

「パンダは私たちにとってどんな存在だったのでしょうか?」

白と黒、丸いフォルム、どこか謎めいた表情。誰もが知っているのに、誰も本当には知らない。パンダはいつしか、生き物であることを超えて、文化や象徴の領域に入り込んだ存在なのかもしれません。

そこで藝大アートプラザでは、「一か月だけ、パンダが上野に帰ってくる」という小さな物語を立ち上げます。ただしやってくるのは、動物としてのパンダではありません。アートが呼び寄せる、もうひとつのパンダの姿——PANDART です。

写実的なパンダ像?黒と白だけ?カラフルに変身?あるいは象徴としてのパンダ?

作家の皆さんがそれぞれが捉える、“パンダの要(かなめ)”を自由に抽出し、アートにしたらどうなっちゃうんだろう?

アーティストの手によって呼び出される新しいパンダたちが、上野の新しい記憶をつむぐ一歩となりますように。

展覧会詳細:https://artplaza.geidai.ac.jp/column/30836/

三人展「工芸生態系 ーA World in Kogeiー 河﨑海斗 野村俊介 望月嶺」

会場:藝大アートプラザ
会期:会期:2026年5月16日(土)〜6月14日(日)
※5月15日(金)13:00よりプレオープン

「工芸生態系ーA World of Kogeiー」によせて

「工芸」とは何だろうか。私たちは、しばしば技の集積として捉える。しかし日本の多様な風土と文化の中で育まれてきた工芸は、技の積み重ねや極みだけではない。それは同時に、土地の気候や素材、人々の暮らし、歴史や時間が重なり合い、その中に美を見つけ出す営みでもある。工芸は、人の生き方や環境と結びつきながら立ち現れる、人をも含めた「生態系」を表現するものなのではないか。本展に参加する三人の作家は、そうしたいまの工芸のあり方を、それぞれの実践の中で探り続けているように見える。そこには人と自然、過去と現在がゆるやかにつながる、一つの生態系が確かに息づいている。

藝大アートプラザ 高木史郎

展覧会詳細:https://artplaza.geidai.ac.jp/column/30994/

藝大アートプラザ

住所:〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内
公式サイト:https://artplaza.geidai.ac.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/w6T4HWuMghT2xfAX7

-2026年4月末更新-

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