上野の美術館で開催中の展覧会まとめ2025〜イベント・企画展・特別展など〜

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藝大アートプラザ編集部
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東京・上野公園周辺で、開催中の注目の展覧会・展示ニュースをまとめました。美術館や博物館巡りの参考にご覧ください。

※記事に掲載している情報は、毎月25日前後に更新します。
※展覧会やイベントの内容が変更されている場合がございます。最新の情報は各施設の公式ホームページなどでご確認ください。

2025年7月-8月のまとめ

特別展「江戸☆大奥」

会期:2025年7月19日(土)~2025年9月21日(日)
会場:東京国立博物館 平成館 特別展示室

現在の皇居には、かつて大奥が存在した江戸城の本丸、二の丸、西の丸があったことをご存じでしょうか。一見、華やかに見える将軍の後宮、大奥。歴代の御台所(正室)と側室、その生活を支える女中たちの歴史には、徳川将軍家という大きな権力の狭間に生きてきた女性たちの栄枯盛衰が見えてきます。その一方、壁書や女中法度などの規則に縛られ、閉ざされた生活の中で、大奥の女性たちはそれぞれの人生における喜怒哀楽を享受してきました。娯楽小説や芝居、ドラマなどで描かれてきた想像の世界とは異なる、知られざる大奥の真実を、遺された歴史資料やゆかりの品を通してご覧いただきます。

展覧会詳細:https://ooku2025.jp/

イマーシブシアター 新ジャポニズム~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~

会期:2025年3月25日(火)~2025年8月3日(日)
会場:東京国立博物館 本館 特別5室

はるか1万年以上前から、日本の風土の中で、独自の美意識が受け継がれてきました。縄文土器、はにわ、絵巻、鎧兜、浮世絵、さらには世界で人気のアニメまで。NHKの高精細映像と技術を結集したイマーシブシアター「新ジャポニズム」。東京国立博物館所蔵の国宝や重要文化財を中心にした日本文化のタイムトラベルをお楽しみください。

展覧会詳細:https://immersive-tohaku.jp/

親と子のギャラリー 仏さまのかたち―写す、伝える、広がる―

会期:2025年7月23日(水)~2025年8月31日(日)
会場:東京国立博物館 平成館 企画展示室

仏教にはたくさんの仏さまが登場します。仏さまのかたちには決まりがあり、決まりをもとに仏像や仏画が作られました。たくさんの仏さまがいるなか、仏教の教えの一つである密教の仏さまは、顔や腕の数が複数あり、さまざまな表情やポーズ、持ち物があるなど、そのかたちは複雑です。仏さまですから、かたちを間違えてはいけません。一方で、仏さまのかたちやその決まりを知っていると、どの仏さまが表されているのかがわかります。密教が盛んになった平安時代以降、天皇や貴族も仏さまのかたちに興味を持ち、当時のお坊さんたちはさまざまな仏さまのかたちを集めて整理しました。それらは「図像集」と呼ばれます。いわば仏像事典です。「図像」とは仏さまのかたちのことで、多くが墨の輪郭線のみで描いた「白描」という表現手法が用いられました。「白描図像」には、仏像事典のように編集されたものや、仏像や仏画の下絵の役割を持ったものがあり、お寺では経典とともに大切に守り伝えられてきました。今回の特集展示では、仏さまのかたちを正しく写し、それを伝える当時の人びとの工夫と、仏さまのかたちが後世まで広がっていく様子をご紹介します。

展覧会詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2709

VR作品『江戸城の天守』

会期:2025年7月16日(水)~2025年9月21日(日)毎週 水・木・金・土・日・祝
会場:東京国立博物館 東洋館-TNM & TOPPAN ミュージアムシアター

徳川三代将軍家光によってつくられた江戸城最後の天守は、莫大な費用と最高の技術が注がれた、史上最大の天守だったと言われています。それはいったいどんな姿をし、どのようにつくられた建造物だったのでしょう?
図面や絵図に加え、現存する文化財や伝統技術を手掛りに、来場者の皆さまと一緒に江戸城天守の再現過程をお楽しみいただくプログラムです。

展覧会詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=dtl&cid=12&id=11401

東京国立博物館

住所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
公式サイト:https://www.tnm.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/YWjaJoqwxGUJLaEM7

つくるよろこび 生きるためのDIY Pleasure in Making: The Creative Spirit of DIY for Living

会期:2025年7月24日(木)~10月8日(水)
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C

本展は、DIY(Do It Yourself/自分でやってみる)の手法や考え方に関心を寄せる、5組の現代作家と2組の建築家を紹介します。身の回りのものでつくる作品や、多様な人が関わる場のデザインに加え、震災や経済的な事情により多くのものを失った人々の切実な営みにも焦点を当てます。本展を通じて、自分なりの方法と感覚を頼りにつくるDIYと「生きること」のつながりを考えるきっかけになれば幸いです。

展覧会詳細:https://www.tobikan.jp/diy/

みること、つくること、つながること「Museum Start あいうえの」12年と現在地

会期:2025年7月31日(木)~8月10日(日)
会場:東京都美術館 ロビー階 第3公募展示室

東京都美術館のアート・コミュニケーション事業の活動について広く発信することを目的に、2023年から「アート・コミュニケーション事業を体験する」を開催しています。3年目となる本年は、ミュージアムで創発される協働的な学びに注目し、多様な人々が作品との対話を介してつながりを育む営み、文化への関心から始まる社会参加について考えていきます。本展では、他者や文化財との関わりを大切に制作をつづける3組の作家を紹介します。また、上野公園の文化施設※が連携し12年にわたって展開してきた「Museum Start あいうえの」のアーカイブ展示や、記録映像の上映、子どもも大人も楽しめる参加型のワークショップなどを実施します。会場では「とびらプロジェクト」で活躍する、さまざまなアート・コミュニケータ(とびラー)がみなさまをお迎えし、作品をともに楽しむ機会をつくります。夏休みの1日、あなたもミュージアム体験をはじめてみませんか?

展覧会詳細:https://www.tobikan.jp/exhibition/2025_iueno.html

東京都美術館

住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
公式サイト:https://www.tobikan.jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/STJUT3f1V3a47re27

スウェーデン国立美術館 素描コレクション展―ルネサンスからバロックまで

会期:2025年7月1日(火)〜9月28日(日)
会場:国立西洋美術館 企画展示室

1792年、ストックホルムに開設されたスウェーデン国立美術館は、世界で最も古い美術館の一つです。中世から現代にいたる美術・工芸品やデザインを幅広く収蔵し、なかでも素描(ドローイング、デッサン)については、質・量ともに世界屈指のコレクションを擁しています。本展は、ルネサンスからバロックまでの名品約80点を同コレクションから選りすぐり、イタリア、フランス、ドイツ、ネーデルラントという地域別の4セクションよりご紹介していきます。

素描は時代や地域はもとより、画材や技法、制作目的によって多彩な表情を見せますが、その魅力はまずなにより、作者との親近感、すなわちその思考や手の痕跡が直接感じ取れる点にあります。同様に、繊細で軽やかな造形性もこのメディアならではのものです。

素描は環境変化に対して脆弱であるため、展示には制約がつきまとい、ゆえに世界有数のコレクションを一堂にご紹介する今回の企画は、きわめて貴重なものと言えるでしょう。ぜひこの機会に、素描がもつ様々な魅力をご堪能いただければ幸いです。出品作品の中には、デューラーやレンブラントをはじめ、美術史上における大スターたちの作品が多数含まれており、その技量や表現力に圧倒されるに違いありません。一方、さほど馴染みのない作家たちの作品の中にも、お気に入りを見つけていただけることと思います。

展覧会詳細:https://drawings2025.jp/

ピカソの人物画

会期:2025年6月28日(土)〜10月5日(日)
会場:国立西洋美術館 版画素描展示室(常設展示室内)

20世紀を代表する芸術家パブロ・ピカソ(1881-1973年)は、何よりも「人」を描いたことで知られます。彼は、生と死、戦争と平和、愛と欲望といった私たちを取り巻くあらゆるテーマや感情に向き合い、強い存在感を放つ人間の姿を描き続けました。本展は、ピカソの人物画に焦点を当てることで、この芸術家の核心に迫ろうとするものです。ピカソは、母国スペインの美術学校における写生デッサンの訓練を通して、人体を正確に把握し再現するための基礎を築きました。独学で学んだカリカチュアの手法は、ピカソの人物像におけるユーモラスな誇張や単純化、デフォルメの表現に生かされます。一方キュビスムの発明は、理想的な人体美の伝統を根底から覆し、人物画を新たな造形実験のための場へと転換させました。ピカソの人物画の主題は、初期には社会から疎外された人々、両大戦間には古典古代、晩年には「画家とモデル」など多岐に及びますが、生涯にわたり中心的な位置を占めたのは肖像画です。それらの多くは従来のような注文制作ではなく、家族や友人、恋人たちを自由に描いたものでした。ピカソはとりわけ、最も身近な存在であった女性たちを、技法やスタイルを変えながら何度も取り上げています。そして1枚の絵には集約できない一人の人物の多面性や彼女らに向けられた自身の変化する感情を、一連の肖像画を通して表現しました。本展は、近年多数の寄託作品により拡充された当館のピカソ・コレクションをまとめて紹介するまたとない機会となります。さらに国内の美術館のご所蔵品若干数を加えた絵画、素描、版画、資料など合計34点を通して、画家の青年期から晩年に至る人物画の表現と主題、その革新性と多様性をご覧いただきます。

展覧会詳細:https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2025picasso.html

国立西洋美術館

住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
公式サイト:https://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/qAq7EVGnuRjxwtRe9

特別展「氷河期展 〜人類が見た4万年前の世界〜」

会場:国立科学博物館 (東京・上野公園)
会期:2025年7月12日(土)~10月13日(月・祝)

現代よりもはるかに寒冷だった4万年前の氷河期は、人類や、マンモスなどの巨大な動物たちが共に生きていた時代です。彼らの中には、絶滅したものもいれば、生き残ったものもいます。本展では、この時代を生きた動物たちや人類について解説し、その命運を分けた氷河期の謎に迫ります。注目は、日本初公開となるネアンデルタール人とクロマニョン人の実物の頭骨。そして氷河期を生きた巨大動物たちの大きさを、会場で是非体感してください!

展覧会詳細:https://hyogakiten.jp/

国立科学博物館・竹中大工道具館共同企画展「植物×匠 めぐるいのち、つなぐ手しごと」

会期:2025年7月29日(火)~9月28日(日)
会場:国立科学博物館(東京・上野公園)日本館1階 企画展示室、中央ホール

スギやヒノキで柱を立て、ススキやヨシで屋根を葺き、イグサを編んだ畳の上で暮らす。日本では、昔から身近な植物をうまく活用して住まいを築き、自然の恵みを生かしてきました。本展では、日本の伝統的な木造建築を支える「植物」と「匠」の技に注目し、それぞれを植物学と建築学の視点から読み解きます。さらに、それらが循環する社会の中でどのような役割を果たしてきたのか、その知恵と工夫をご紹介します。自然が育んだいのちを、人間の知恵によって繰り返し生かし続けていく―。そんな、丁寧で温かなものづくりの世界をどうぞお楽しみください。

展覧会詳細:https://www.kahaku.go.jp/event/2025/07plantsandcrafts/

国立科学博物館

住所:〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20
公式サイト:https://www.kahaku.go.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/zBoHtasXcNCq7FSt8

企画展「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者招待展」

会場:藝大アートプラザ
会期:2025年7月19日(土)〜10月5日(日)

藝大アートプラザ・アートアワード(旧:藝大アートプラザ大賞)は初開催から2024年度で19回目を迎えました。年々認知度も上がり、本展を毎年楽しみにしてくださっているお客さまも増えています。今年も現役の学生から、作家として鋭意活動する卒業生まで、様々な年代の受賞者の皆様の新作を、一堂に展示する本展を開催いたします。

展覧会詳細:https://artplaza.geidai.ac.jp/column/27804/

岩田 駿一 富嶽36T展

会場:藝大アートプラザ
会期:2025年8月30日(土)〜10月5日(日)

本展では、藝大アートプラザの過去の企画展やLIFE WITH ARTコーナーに出品し、藝大アートプラザ「日本中の家をアートだらけにする」キービジュアルを手がける作家・岩田駿一による葛飾北斎『富嶽三十六景』をテーマにしたTシャツ46点を展示・販売いたします。
※Tシャツは会期後のお渡しとなります。
※富嶽三十六景は全46図になぞらえ、46点を展示・販売いたします。

展覧会詳細:https://artplaza.geidai.ac.jp/column/28136/

藝大アートプラザ

住所:〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内
公式サイト:https://artplaza.geidai.ac.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/w6T4HWuMghT2xfAX7

-2025年6月末更新-

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