上野の美術館で開催中の展覧会まとめ2024〜イベント・企画展・特別展など〜

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藝大アートプラザ編集部
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東京・上野公園周辺で、開催中の注目の展覧会・展示ニュースをまとめました。美術館や博物館巡りの参考にご覧ください。

※記事に掲載している情報は、毎月25日前後に更新します。
※新型コロナウイルスの影響により展覧会やイベントの内容が変更されている場合がございます。最新の情報は各施設の公式ホームページなどでご確認ください。

2024年4-5月のまとめ

建立900年 特別展「中尊寺金色堂」

会期:2024年1月23日(火)~2024年4月14日(日)
会場:東京国立博物館 本館 特別5室

本展は上棟の天治元年(1124)を建立年ととらえ、中尊寺金色堂の建立900年を記念して開催する特別展です。堂内中央に設置された須弥壇に安置される国宝の仏像11体が一堂にそろうほか、かつて金色堂を荘厳していた国宝・金銅迦陵頻伽文華鬘をはじめとするまばゆいばかりの工芸品の数々を紹介します。また、会場では、900年のあいだ祈りをささげられてきた黄金に輝く金色堂を8KCGの技術を用い原寸大で再現します。世界遺産にも登録される平泉の文化遺産の粋をご覧ください。

展覧会詳細:https://chusonji2024.jp/

特別展「法然と極楽浄土」

会期:2024年4月16日(火) ~ 2024年6月9日(日)
会場:東京国立博物館 平成館 特別展示室

平安時代末期、繰り返される内乱や災害・疫病の頻発によって世は乱れ、人々は疲弊していました。比叡山で学び、中国唐代の阿弥陀仏信仰者である善導ぜんどう(613~681)の教えに接した法然(法然ほうねん房ぼう源空げんくう、1133~1212)は、承安5年(1175)、阿弥陀仏の名号を称えることによって誰もが等しく阿弥陀仏に救われ、極楽浄土に往生することを説き、浄土宗を開きました。その教えは貴族から庶民に至るまで多くの人々に支持され、現代に至るまで連綿と受け継がれています。本展は、令和6年(2024)に浄土宗開宗850年を迎えることを機に、法然による浄土宗の立教開宗から、弟子たちによる諸派の創設と教義の確立、徳川将軍家の帰依きえによって大きく発展を遂げるまでの、浄土宗850年におよぶ歴史を、全国の浄土宗諸寺院等が所蔵する国宝、重要文化財を含む貴重な名宝によってたどります。困難な時代に分け隔てなく万人の救済を目指した法然と門弟たちの生き方や、大切に守り伝えられてきた文化財にふれていただく貴重な機会です。

展覧会詳細:https://tsumugu.yomiuri.co.jp/

東京国立博物館

住所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
公式サイト:https://www.tnm.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/YWjaJoqwxGUJLaEM7

印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵

会期:2024年1月27日(土)~4月7日(日)
会場:東京都美術館 企画展示室

第1回印象派展から150周年を迎える2024年、印象派がヨーロッパやアメリカへもたらした衝撃と影響をたどる展覧会を開催します。19世紀後半、大都市パリには国外からも多くの画家が集いました。パリで印象派に触れ、学んだ画家たちは、新しい絵画の表現手法を自国へ持ち帰ります。本展は、西洋美術の伝統を覆した印象派の革新性とその広がり、とりわけアメリカ各地で展開した印象派の諸相に注目します。
アメリカ・ボストン近郊に位置するウスター美術館は、1898年の開館当初から印象派の作品を積極的に収集してきました。このたび、ほとんどが初来日となる同館の印象派コレクションを中心に、日本でもよく知られるモネ、ルノワールなどフランスの印象派にくわえ、ドイツや北欧の作家、国際的に活動したサージェント、さらにはアメリカの印象派を代表するハッサムらの作品が一堂に会します。これまで日本で紹介される機会の少なかった、知られざるアメリカ印象派の魅力に触れていただく貴重な機会となります。

展覧会詳細:https://worcester2024.jp/

デ・キリコ展 Giorgio De Chirico: Metaphysical Journey

会期:2024年4月27日(土)~8月29日(木)
会場:東京都美術館 企画展示室

20世紀を代表する巨匠の一人、ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)。彼が1910年頃から描き始めた「形而上絵画」(幻想的な風景や静物によって非日常的な世界を表現する絵画)は、数多くの芸術家や国際的な芸術運動に大きな影響を与えました。
本展では、デ・キリコのおよそ70年にわたる画業を「イタリア広場」「形而上的室内」「マヌカン」などのテーマに分け、初期から晩年までの作品を余すところなく紹介。デ・キリコが描いた世界をたどる、日本では10年ぶりの大規模な個展となります。

展覧会詳細:https://dechirico.exhibit.jp/

東京都美術館

住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
公式サイト:https://www.tobikan.jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/STJUT3f1V3a47re27

ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ

会期:2024年3月12日(火)~5月12日(日)
会場:国立西洋美術館 企画展示室

この展覧会は、国立西洋美術館においてはじめて「現代美術」を大々的に展示する機会となります。こんにちの日本で実験的な制作活動をしている、さまざまな世代の20を超えるアーティストたちの作品が集います。主として20世紀前半までの「西洋美術」だけを収蔵/保存/展示している国立西洋美術館には、いわゆる「現代美術」は存在しません。過去を生きた、遠き異邦の死者の作品群のみが収められているともいえます。けれども、1959(昭和34)年に松方コレクションを母体として開館した国立西洋美術館の成立前史の記憶を紐解いてみると、この美術館はむしろ、開館以後の時間を生きるアーティストらが所蔵品によって触発され、未来の芸術をつくってゆける刺激の場になってほしいという想いを託されながらに建ったということができます。しかしながら、国立西洋美術館がそうした「未来の芸術」を産み育てる土壌となりえてきたのかどうかは、これまで問われていません。西欧に「美術館」という制度が本格的に誕生した時期とも重なる18世紀末、ドイツの作家ノヴァーリスは、こう書いていました。展示室は未来の世界が眠る部屋である。――未来の世界の歴史家、哲学者、そして芸術家はここに生まれ育ち――ここで自己形成し、この世界のために生きる。国立西洋美術館は、そのような「未来の世界が眠る部屋」となってきたでしょうか。本展は、多様なアーティストたちにその問いを投げかけ、作品をつうじて応答していただくものとなります。

展覧会詳細:https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023revisiting.html

国立西洋美術館

住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
公式サイト:https://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/qAq7EVGnuRjxwtRe9

特別展「大哺乳類展3-わけてつなげて大行進」Mammals 3 – The Parade of Life

会場:国立科学博物館 (東京・上野公園)
会期:2024年3月16日(土)~6月16日(日)

大好評を博した2019年の特別展「大哺乳類展2」から5年、大哺乳類展が再び上野に帰ってきます。今回のテーマは「分類(=わける)」と「系統(=つなぐ)」。見た目や内部の特徴、DNAなどをもとにグループ分けし、それらの関係性をつなぎあわせることで浮かび上がってくる哺乳類の不思議に迫ります。

展覧会詳細:https://mammals3.exhibit.jp/

国立科学博物館

住所:〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20
公式サイト:https://www.kahaku.go.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/zBoHtasXcNCq7FSt8

企画展「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者展」

会場:藝大アートプラザ
会期:2024年1月27日(土)〜3月17日(日)

藝大アートプラザが年に一度開催している、藝大の学生を対象としたアートコンペティション「藝大アートプラザ・アートアワード」(旧「藝大アートプラザ大賞」)。今年は新たな取り組みとして、大賞、準大賞のほか「小学館賞」ならびに「JR東日本賞」を新設するとともに、デジタルアート部門を創設しました。東京藝術大学上野キャンパス内では、美術部門(平面・立体)部門の入賞作品が一堂に介します。年に一度の藝大アートプラザの祭をお楽しみください。

展覧会詳細:https://artplaza.geidai.ac.jp/column/22308/

企画展「藝大動物園 Welcome to the art zoo!」

会期:2024年3月23日(土)〜5月26日(日)
会場:藝大アートプラザ

この春上野にもうひとつの動物園が開園します。それはアートによる、アートにしかできない藝大動物園。想像の世界にしか存在しない動物、本物以上にリアルな生き物、生物なのか無生物なのかわからない存在、もしかして人間も? 藝大アーティストたちが創り出すアートジャングルをお楽しみください。

展覧会詳細:https://artplaza.geidai.ac.jp/column/22560/

轟木麻左臣 シルエットとルール

会期:2024年3月23日(水)〜4月21日(日)
会場:藝大アートプラザ

私は一貫して人間の情動に興味を抱き、人型をモチーフとして彫刻作品を作り続けています。私の過去の経験から感じている人間関係によって引き起こされる混迷や、社会のやるせなさの中で私たちがどう生きていくべきか、そういったことをメインのテーマとしています。本作品は人物を描いた絵画の上を人型の彫刻が動き回り、塗りつぶしていくという作品です。絵画に描かれた人物は、過去の不明瞭な記憶の中の人や街中で見かけた知らない誰かで、踠き(もがき)蠢く人型の彫刻は、その軌跡によって、描かれた人物たちの存在を上書きしていきます。またその傍には、自らを砕き合う彫刻が回っています。上書きされる存在も、上書きする存在も、また空回りしながら砕けゆく存在も、私であるかもしれません。

展覧会詳細:https://artplaza.geidai.ac.jp/column/22754/

藝大アートプラザ

住所:〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内
公式サイト:https://artplaza.geidai.ac.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/w6T4HWuMghT2xfAX7

-2024年3月末更新-

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