上野の美術館で開催中の展覧会まとめ2024〜イベント・企画展・特別展など〜

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藝大アートプラザ編集部
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東京・上野公園周辺で、開催中の注目の展覧会・展示ニュースをまとめました。美術館や博物館巡りの参考にご覧ください。

※記事に掲載している情報は、毎月25日前後に更新します。
※展覧会やイベントの内容が変更されている場合がございます。最新の情報は各施設の公式ホームページなどでご確認ください。

2024年7月のまとめ

阿弥陀如来のすがた

会期:2024年5月21日(火)~2024年7月7日(日)
会場:東京国立博物館 本館 特別1室

西方にある極楽浄土の仏として知られる阿弥陀如来は、苦しみに満ちたこの世を離れ、浄土への生まれ変わりを願う人々の信仰を集めました。とりわけ、信者が亡くなる際、阿弥陀が現世まで迎えに来る「来迎(らいごう)」を期待する人々は多く、この姿を表した彫刻や、来迎の場面を示す絵画が盛んに制作されました。古代の遺品としては、日本最古とされる法隆寺献納宝物の阿弥陀三尊像や、法隆寺金堂壁画のうち第六号壁(本特集では模本を展示)の阿弥陀浄土図が知られますが、数多くの仏の一つとして日本に紹介されたようです。平安時代になると、手の形で来迎を示す阿弥陀如来像が登場し、とくに浄土教と呼ばれる信仰において人気を集めました。鎌倉時代以降は、なかでも立ち姿が好まれ、仏師快慶(かいけい、?~1227以前)が得意とした三尺(約90センチ)の阿弥陀立像は、江戸時代にかけて数多く造られました。本特集では、館蔵・寄託品のうち阿弥陀如来を表した彫刻作品を中心に展示し、古代から中世にかけて展開した阿弥陀信仰をたどります。

展覧会詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2661

吉野と熊野―山岳霊場の遺宝―

会期:2024年5月28日(火)~2024年7月15日(月・祝)
会場:東京国立博物館 本館 14室

紀伊山地に位置する吉野と熊野は、ともに日本を代表する山岳霊場として知られており、平成16年(2004)には「紀伊山地の霊場と参詣道(さんけいみち)」の一部として世界文化遺産に登録されました。それから20年目を迎える本年、当館が所蔵する那智山経塚(なちさんきょうづか)出土品、金峯山(きんぷせん)経塚出土品のコレクションに、吉野・大峯信仰の拠点である奈良・大峯山寺(おおみねさんじ)所蔵の大峯山頂出土品を加えて、これらを一堂に展観し、修験道(しゅげんどう)の生み出した特色ある造形の世界を提示します。

展覧会詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2657

特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」

会期:2024年7月17日(水)~2024年9月8日(日)
会場:東京国立博物館 平成館 特別展示室

京都北郊の紅葉の名所、高雄の神護寺は、和気清麻呂(わけのきよまろ)が建立した高雄山寺を起源とします。唐から帰国した空海が活動の拠点としたことから真言密教の出発点となりました。本展は824年に正式に密教寺院となった神護寺創建1200年と空海生誕1250年を記念して開催します。平安初期彫刻の最高傑作である国宝「薬師如来立像」や、約230年ぶりの修復を終えた国宝「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」など、空海ゆかりの宝物をはじめ、神護寺に受け継がれる貴重な文化財をご紹介します。

展覧会詳細:https://tsumugu.yomiuri.co.jp/jingoji/

内藤礼 生まれておいで 生きておいで

会期:2024年6月25日(火)~2024年9月23日(月・休)
会場:東京国立博物館 平成館 企画展示室、本館 特別5室、本館 1階ラウンジ

本展は、当館の収蔵品、その建築空間と美術家・内藤礼との出会いから始まりました。内藤が縄文時代の土製品に見出した、自らの創造と重なる人間のこころ。それは、自然・命への畏れと祈りから生まれたものであり、作家はそこに「生の内と外を貫く慈悲」を感じたといいます。会期中、自然光に照らし出される展示室では、かつて太陽とともにあった生と死を、人と動植物、人と自然のあわいに起こる親密な協和を、そっと浮かび上がらせます。本展を通じて、原始この地上で生きた人々と、現代を生きる私たちに通ずる精神世界、創造の力を感じていただけたら幸いです。

展覧会詳細:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2637

東京国立博物館

住所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
公式サイト:https://www.tnm.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/YWjaJoqwxGUJLaEM7

デ・キリコ展 Giorgio De Chirico: Metaphysical Journey

会期:2024年4月27日(土)~8月29日(木)
会場:東京都美術館 企画展示室

20世紀を代表する巨匠の一人、ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)。彼が1910年頃から描き始めた「形而上絵画」(幻想的な風景や静物によって非日常的な世界を表現する絵画)は、数多くの芸術家や国際的な芸術運動に大きな影響を与えました。
本展では、デ・キリコのおよそ70年にわたる画業を「イタリア広場」「形而上的室内」「マヌカン」などのテーマに分け、初期から晩年までの作品を余すところなく紹介。デ・キリコが描いた世界をたどる、日本では10年ぶりの大規模な個展となります。

展覧会詳細:https://dechirico.exhibit.jp/

大地に耳をすます 気配と手ざわり

会期:2024年7月20日(土)~10月9日(水)
会場:東京都美術館 ギャラリーA・B・C

本展では自然に深く関わり制作をつづける現代作家5人をご紹介します。野生動物、山の人々の生業、移りゆく景色や植生、生命の輝きや自然の驚異を捉えた作品は、自然とともに生きるつくり手の瑞々しい歓喜に溢れています。同時に、ときに暴力的に牙をむき、したたかな生存戦略をめぐらせる自然の諸相を鮮烈に思い起こさせ、都市生活では希薄になりがちな、人の力の及ばない自然への畏怖と敬意が認められます。未開の大自然ではなく自然と人の暮らしが重なる場から生まれた彼らの作品は、自然と人の関係性を問い直すものでもあります。古来人間は、自然の営みに目を凝らし、耳をすまし、長い年月をかけて共生する術を育んできました。自然に分け入り心動かされ、風土に接し生み出された作品は、人間中心の生活のなかでは聞こえにくくなっている大地の息づかいを伝えてくれます。かすかな気配も捉える作家たちの鋭敏な感覚をとおして触れる自然と人のあり様は、私たちの「生きる感覚」をも呼び覚ましてくれるでしょう。

展覧会詳細:https://www.tobikan.jp/daichinimimi/

東京都美術館

住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
公式サイト:https://www.tobikan.jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/STJUT3f1V3a47re27

内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙

会期:2024年6月11日(火)〜8月25日(日)
会場:国立西洋美術館 企画展示室

本展は、内藤コレクションを中心に、国内の大学図書館のご所蔵品若干数や、内藤氏がいまでも手元に残した1点を加えた約150点より構成され、聖書や詩編集、時祷書、聖歌集など中世に広く普及した写本の役割や装飾の特徴を見ていきます。書物の機能と結びつき、文字と絵が一体となった彩飾芸術の美、「中世の小宇宙」をご堪能いただければ幸いです。

展覧会詳細:https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2024manuscript.html

西洋版画を視る ―リトグラフ:石版からひろがるイメージ

会期:2024年6月11日(火)〜9月1日(日)
会場:国立西洋美術館 版画素描展示室(常設展示室内)

「西洋版画を視る」シリーズでは、これまで西洋版画のおもな技法に焦点を当て、制作方法や特有の表現を紹介してきました。3回目となる本展では、「リトグラフ(石版画)」を取り上げます。「リト(litho)」は、ギリシャ語で「石」を意味するlithosが語源です。1798 年頃にドイツの劇作家アロイス・ゼネフェルダーによって発明された当初から版材として石灰石が使われていたため、リトグラフという名称が一般的になりました。この技法で重要となるのは、水と油が互いに反発しあう性質を利用する点です。木版画、エングレーヴィング、エッチングなどでは、彫ったり削ったり、酸で腐蝕させたりして版に凹凸をつけますが、リトグラフは石の上に図柄を描き、化学処理を施すことで、平らな版から印刷できることが大きな特徴です。この新たな方法は、19 世紀のヨーロッパにおいて、楽譜や地図、出版物など実用的な印刷や複製技術として活用される一方、自由な描画が可能なことから、多くの画家たちが試みるようになり、美術の分野においてフランスを中心にまたたく間に広まりました。本展では、発祥の地ドイツから各国への広がりを伝える初期の作例や、リトグラフの大衆化に寄与したドーミエのカリカチュア、マネやルドンらによるさまざまな試み、そして世紀末に隆盛を極めた多色刷りのポスターにいたるまで、19 世紀におけるリトグラフの歴史と表現の展開を、およそ40点の作品を通して概観します。あわせて、制作工程の一例を示し、この技法の原理を紹介するコーナーを設けています。リトグラフならではの描写に注目しながらその歴史を辿り、各作品をじっくりと「視る」ことで、多様で豊かな表現をお楽しみいただけたら幸いです。

展覧会詳細:https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2024lithography.html

国立西洋美術館

住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
公式サイト:https://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/qAq7EVGnuRjxwtRe9

特別展「昆虫 MANIAC」

会場:国立科学博物館 (東京・上野公園)
会期:2024年7月13日(土)~10月14日(月・祝)

昆虫は、地球上で報告されている生物種の半数以上となる約100万種を占める最大の生物群です。ほとんどは体長1cmにも満たない小さな生物ですが、体のつくりから行動、能力にいたるまで、その多様性は驚くほど高く、変化に富んでいます。世界にはまだ見ぬ昆虫が無数に存在しており、身近な環境にすら将来の新種や新発見が眠っています。本展では、国立科学博物館の研究者による、マニアックな視点と研究者セレクトのマニアックな昆虫標本、最新の昆虫研究を織り交ぜ、カブトムシやクワガタムシといったおなじみの昆虫はもちろん、クモやムカデなどを含む「ムシ* 」たちのまだ見ぬ驚きの多様性の世界に迫ります。

展覧会詳細:https://www.konchuten.jp/

第40回 植物画コンクール入選作品展

会期:2024年7月2日(火)〜7月21日(日)
会場:東京国立科学博物館 上野本館 日本館1階企画展示室

国立科学博物館では、自然への理解を図る学習支援活動のひとつとして、植物画コンクールを行っています。第40回では、全国957点の応募作品から66点の作品が文部科学大臣賞、国立科学博物館長賞、筑波実験植物園長賞他、各賞に選ばれました。本企画展では、これらの入選作品を部門別に展示します。

展覧会詳細:https://www.kahaku.go.jp/event/2024/07botanical/

国立科学博物館

住所:〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20
公式サイト:https://www.kahaku.go.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/zBoHtasXcNCq7FSt8

企画展「The Art of Tea」

会場:藝大アートプラザ
会期:2024年6月1日(土)〜8月4日(日)

東京藝術大学の前身である東京美術学校の校長を務めた岡倉天心はその著書『The Book of Tea』の第一章を“The Cup of Humanity”、「人間性の茶碗」としました。すなわち一服の茶を通して、西洋と東洋をはじめとするあらゆる対立軸、優位と劣位が人間性のもとに融解する、そんな理想を説いているように思えます。茶室の中ですべてのしつらえ、人、自然が調和するように、平面と立体の作品は藝大アートプラザの一画でハーモニーを奏でるのでしょうか。また、日本文化にとって欠かせない存在であった茶の湯を支えてきた工芸。その技から生み出される「生の術」は私たちの生活にどんな彩りを与えてくれるのでしょう。一服の茶のようにアートを楽しみたい、そしてアートを楽しみながら一服の茶を喫したい。“The Art of Tea” でアートを一服いかがですか。

展覧会詳細:https://artplaza.geidai.ac.jp/column/23855/

藝大アートプラザ

住所:〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内
公式サイト:https://artplaza.geidai.ac.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/w6T4HWuMghT2xfAX7

-2024年6月末更新-

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