日本の美とはなにか?「藝大NIPPON」展 作家紹介

ライター
藝大アートプラザ編集部
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企画展情報 作品紹介

「日本ならではのアート」とはなんだろう。
「日本の美」とはなんだろう。
美は、つくりだすものなのか。
それとも、見つけるものなのか。

「藝大NIPPON展」は、ジャンルの違いを越えて、あらためて日本独自の美意識と表現の可能性を探る試みです。
それぞれの作品が示す多様なアプローチを通して、「ニッポンのアートとは何か」という大きな問いを、みなさんとともに考えます。

ここでは、作品の写真とともに各出展作家をご紹介します。

※ここでご紹介する作品は通販(銀行振込)での購入も可能です。メールにてお気軽にお問い合せください。

2026年10月9日(金)〜11月23日(月・祝)
※10/9(金)は13:00オープン
※展示入れ替えなし

定休日:月曜
※10/12(月)、11/23(月)は祝日のため営業、翌火曜日が休業

営業時間:10:00-18:00
※営業日時が変更になる場合がございます。最新情報は公式Webサイト・SNSをご確認ください

入場料:無料

会場:藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)
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同時開催

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岩澤慶典

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パンダのパン工房では、店主の調理服やコック帽までもがパンで出来ている。焼きたてのパンはどれも、日本で独自に発展した惣菜パンや菓子パン、日本のサンドイッチである。パン工房という身近な風景のなかに、動物たちが働き、食べ、暮らす不思議な世界が広がっている。
岩澤慶典は、見立てや言葉遊びから、動物と食べ物を組み合わせた非日常的な物語を描いてきた。今回の作品では、「NIPPON」から「JAPAN」、そして「パン」「パンダ」へと連想を広げ、日本で独自に発展した食文化をモチーフに取り入れている。おにぎりやラーメン、あんみつなど、それぞれの食べ物からさらに発想を展開し、画面の中にはさまざまな仕掛けが潜んでいる。

北林加奈子

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北林加奈子は、言葉になる前のかすかな感覚や、皮膚で感じる微細な気配に目を向け、陶に糸や羊毛、木、金属など異なる素材を組み合わせて制作している。皮膚を、自分と外の世界を隔てる境界であると同時に、外からの刺激を受け取り、周囲とつながる場所として捉えている。
今回の作品には、「そこに居て、周りの気配を感じ取ろうとしている」ような点が共通していると語る。表面の細かな凹凸や色の違い、素材同士の組み合わせ、わずかな揺らぎなど、近づいて見ることで見えてくるものも多い。古い生活道具や楽器を思わせる形を手がかりにしながら、何のためのものなのかは分からない、どこか不思議な存在として立ち現れる。触れることのできない感覚を、見ることを通して想像させる作品である。

久野彩子

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スクラップアンドビルドを繰り返しながら姿を変えていく都市を、久野彩子は「都市活動の痕跡を俯瞰して見えるもの」と捉えている。都市の解体と更新によって生じる断片や痕跡に、異なる時間の層が重なり合い、都市は変化し続ける集合体として立ち現れる。久野は、こうした構造を、複数の鋳造片やモルタル、レジン、木材など、性質の異なる素材を組み合わせながら作品へと展開している。
今回の展示では、花を想起させる形態にも取り組んだ。人の手によって更新され続ける都市と、人の意思とは無関係に成長を続ける植物。異なる時間の流れをもつ二つの姿を重ねることで、物質が絶えず生成し、変化していく状態を捉えようとしている。

佐竹広弥

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佐竹広弥は、主にメゾチントという技法を用いた銅版画の制作を続けている。銅版の表面を細かな点で起伏のある状態にする「目立て」から生まれる、深く豊かな黒。その画面を削ったり磨いたりすることで、暗がりの中からかたちを浮かび上がらせていく。無数の粒子が重なるような質感と、そこから生まれる湿り気を帯びた世界に、木の実や芽などから想像された生き物が登場する。今回は、水に関連する作品を紹介する。葉の上の水滴や生命のルーツ、水から広がる宇宙的なイメージなど、さまざまな水の姿を捉えた作品が並ぶ。愛読書である『古代日本人・心の宇宙』(中西進著)で語られる、古代の日本人が水や渦をどのようにとらえていたのかという視点も、今回の作品につながっている。新作「small pot」では、古代の土器からイメージした土偶のような形と、砂を水に見立てた風景が描かれている。

芹澤美咲

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芹澤美咲は自身の制作において、身体感覚という言葉をよく用いる。その日の身体感覚を手探るように、支持体を選び、絵の具を選び、描いていく。油絵の具を軸としながら、他の素材にも触れることで、油絵の具をより理解するという。こちらを見つめる人物は、作者の経験や感覚が反映されながら、例えば昨日見た夕日や、滞在制作する湖の光など、それらが人物像に織り交ぜられていく。本展では琵琶湖での滞在制作を中心に、水辺をモチーフとした作品を紹介する。高校生のころから描き続ける「見つめ合うための絵画」は、日記のような存在だと語る。都市と自然の両方に身を置きながら、自身を確かめるように描き続けている。

長久保華子

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長久保華子は、鳥や山など身近な自然をモチーフに、木彫による作品を制作している。木を彫り、漆を下地にアクリルや岩絵の具、金属粉などを重ねて仕上げる。自然の姿から感じる時間や記憶を、かたちにして残すことに関心を寄せてきた。
長久保にとって鳥は、羽の幾何学的な美しさに惹かれる一方、鳴き声によって一日の始まりや季節の訪れを知らせてくれる存在である。「巡り巡る唄」では、夜明けなのか夕暮れなのか、どちらともとれる空に羽を広げる鳥と、遠くに連なる山並みが、ひとつの心象風景を描き出している。
詩や本を読むこと、音楽を聴くことも大切にしており、なかでも音楽は、作品の方向性を決めるときの道しるべのような存在だという。静かなピアノの曲が、制作の時間を共にしている。

野田朗子

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野田朗子は、京都洛北の工房でガラスを中心とした作品制作を続け、国内外の展覧会で発表している。自然への敬意や時間のうつろいをテーマとし、パート・ド・ヴェールやキルンワークなど、作品に合わせてさまざまな技法を用いている。蓮の姿を表したガラス作品は、東京藝術大学大学院の修了制作から20年にわたり手がけてきた野田の代表作である。葉に蕾、花から実へと移り変わる蓮の一生を人生にたとえ、そのうつろいゆく一瞬が、ガラスの光と影によって表現されている。水面に映る蓮の姿を通して、日本文化にも深く根づく輪廻や「空」の思想にも着目し、蓮の儚くも力強い姿に人生を重ねる。「心のうつろいの一瞬をガラスに刻んで、形ある言葉にしたい」と語る。

林樹里

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林樹里は、訪れた土地で感じる、音になる以前の微かな気配のようなものを描いていると言う。植物など自然をモチーフとした制作から始まり、現在は自身が自然の中に身を置き、環境や素材の作用を取り入れていく方法へと変化した。金箔を用いた作品は、群馬県嬬恋で雪の上に和紙を置いて制作したもの。銀箔を用いた小作品は、日本海側を青森から南下していく旅の中で描かれた。雪と金箔、水辺と銀箔というように、その土地や環境に応じて素材を選び、現地で和紙を広げ、墨をすり、周辺で拾った石を文鎮にして描く。
「おのずからなる」という考えを制作の軸に、自らの行為と自然に起こることとのやり取りの中から、作品は立ち現れる。自ら「つくる」ことと、自然の中から「見つける」こと。そのあわいに生まれるものを、林は描いている。

早野樹

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早野樹は、「人を焼き物としてどう表現するのか」という問いから、土と向き合いながら人物像を制作している。手びねりによって形づくられた身体は、焼成によってその細部や肌の質感を変化させる。土の性質や焼成による偶然性を受け入れながら、人物の微細な表情や佇まいを探っている。
「どこか遠くにいる人を作っているのかもしれない、でもその人は僕の出会った人の知り合いだと思う。見たことも、話したこともない人が世の中には沢山いる。でも、その人達は、恐らく僕の友達と関係のある人だと思う。」
制作しているときには感覚としてしか捉えられなかったものが、焼き上がった作品を前にすると、自分が何を感じ、何を言おうとしていたのかが、後からわかることがあると早野は語る。

藤村栞

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藤村栞の描く日本画は、花やスイーツに動物など、作者自身の体験からモチーフが選ばれている。「抹茶に夢見草」は、友人と楽しんだアフタヌーンティーに、上野の桜が重ねられている。藝大アートプラザ・アートアワード展入選作や卒業制作でも描かれたミモザは、友人との思い出から始まったモチーフである。
「人の心を明るくする絵」を描きたいと語る作者。岩絵の具は鉱物や岩石、土などの天然素材や人工的につくられた顔料を粒子状にしたもので、粒子そのものが光を受けることで独特の煌めきや奥行きが生まれる。その魅力と作者の色彩感覚によって、豊かな絵画空間が広がる。金や銀で描かれる輪郭線が、それらの色をさらに引き立て、画面全体を華やかに彩っている。

※ここでご紹介する作品は通販(銀行振込)での購入も可能です。メールにてお気軽にお問い合せください。

2026年10月9日(金)〜11月23日(月・祝)
※10/9(金)は13:00オープン
※展示入れ替えなし

定休日:月曜
※10/12(月)、11/23(月)は祝日のため営業、翌火曜日が休業

営業時間:10:00-18:00
※営業日時が変更になる場合がございます。最新情報は公式Webサイト・SNSをご確認ください

入場料:無料

会場:藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)
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