書初めや歌会始など、新年を迎えてから初めての行事を「◯◯はじめ」と言います。
江戸時代にも、さまざまな「◯◯はじめ」がありました!
鳥居清長が描く「彩色美津朝」(さいしょくみつのあさ)から、江戸の人々がお正月を過ごしていた様子をご紹介します。
ちなみに「美津朝」は「三つの朝」の意味で、元旦の年・月・日がすべて始まりであるから、ということから題されているそうです。
湯殿はじめ
湯殿(ゆどの)とはお風呂のこと。新年に初めて入浴し、身を清めることを指します。鎌倉時代以降、武家で行われた儀式だそうですが、この絵では、みんなで集まってお風呂上がりをのんびりと過ごしているようですね。
着衣はじめ
着衣(きそ)はじめとは、お正月の三が日のうち吉日を選び、新しい着物に袖を通す儀式のこと。こちらの絵では、遊女御一行がしゃんと着飾ってお出かけでしょうか? 遊女見習いの子どもたち(禿)もなんだか誇らしげ。とっても華やかです!
馬乗りぞめ
こちらは新年にはじめて馬に乗る儀式のこと。江戸幕府でも年中行事の一つで、将軍が江戸城内の吹上または奥の馬場に出て、恵方に向かって走り始めるとされていました。
商いぞめ
新年になってはじめて商売をすることで、ふつうは正月二日に行われたそうです。今でいう初売りですね。こちらで描かれているのは、「彩色美津朝」の版元、絵双紙屋永寿堂の店頭の様子だそうです。浮世絵を持った男性は、何かおめでたい絵を求めに来たのでしょうか?
参考文献:小学館 日本国語大辞典
画像は全て国立国会図書館デジタルコレクション「彩色美津朝」より
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