藝大アートプラザ・アートアワード(旧藝大アートプラザ大賞)の受賞作家を招待して、一年に一度開催する本展。
「藝大の星」とも呼べるアーティストたちの、新作を含む作品たちが一堂に会します。ここでは、作品の写真とともに各出展作家をご紹介します。

※ここでご紹介する作品は通販(銀行振込)での購入も可能です。メールにてお気軽にお問い合せください。
会期全体:2026年7月24日(金)〜10月4日(日)
前期:2026年7月24日(金)〜8月23日(日)※7/24のみ13:00開場
後期:2026年8月28日(金)〜10月4日(日)※8/28のみ13:00開場
※二期構成、展示替えをいたします定休日:月曜 ※8/10(月)、9/21(月)は祝日のため営業
営業時間:10:00-18:00
※営業日時が変更になる場合がございます。最新情報は公式Webサイト・SNSをご確認ください入場料:無料
会場:藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)
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長谷川雅子
怪しげな占いのテントに、8月の夜空をめぐる星座。差し出された掌からは、画面全体に渦巻く不穏な背景が透けて見えている。「未来迷子センター」は、にっちもさっちも行かない人が夏の夜空を見上げた時に現れる風景を描いた作品である。
長谷川雅子は、自身の不安や行き場のない感情を、ユーモラスなイメージへと転換する作品を制作してきた。図鑑や教科書の様式、古いカストリ雑誌の表紙画などを思わせる、複数のイメージや文字が配された図解的な画面が特徴的である。それは、感情という目に見えないものを、目に見えるかたちへと置き換えるための方法でもある。そうして差し出された世界は、見る者それぞれの中にある不安や迷いを浮かび上がらせていく。共感や笑いを伴いながら。
大島利佳
幸福をテーマに、縁起物や人物、神獣を装飾豊かに描く大島利佳。日本や中国をはじめとするアジア圏の伝統文化や装飾に着目し、龍や獅子、鬼、張り子など、さまざまなモチーフを自分なりに噛み砕き、組み合わせながら描いている。制作は「描いてみたい」という直感から始まり、モチーフを調べるなかで、その文化やそこに込められた意味へと関心を広げていく。主にアクリル絵の具を用い、装飾的な文様や細やかな描きこみを重ねた画面に、岩絵具や水干絵具も取り入れている。日本画の画材によるほんのりとした肌の赤みや唇の紅が、人物の表情を引き立てている。
前田恭兵
前田恭兵は、七宝技法の研究を通して、自身の琴線に触れた事象を日記のように「遺す」ために制作する。金属の素地にガラス質の釉薬を施して焼成する七宝は、色彩の豊かさと独特の透明感を生かした表現が特徴である。「reflection」シリーズでは、現在暮らす山梨県の源流や山路など、実際に目にした風景をもとに、「こんな情景として体験できたら」という想像を膨らませ表現している。七宝釉薬による表現は、色彩の濃淡に加え、ガラス質特有の透明感によって数ミリの奥行きを生み出すことができる。本作では、遠景、中景、近景を層の重なりによって表現し、焼く、磨く、削るといった工程を重ねながら、七宝ならではの色と質感を追求している。
鹿間麻衣
鹿間麻衣は動植物をモチーフに、自然の中に漂う空気や光、季節の気配を、日本画で描いてきた。今回は、五つの色調を基調とした作品が並ぶ。紫、黄、緑、緋、縹と、その画面を染める色名がタイトルで示され、呼応するように季節の花が描かれている。吸い込まれるような色彩の中に、花々や水面の風景が繊細な筆致で浮かび上がる。 日本画は、定着材である膠に岩絵具などの顔料を混ぜ合わせて描かれる。この膠が乾く際に生じる「膠染み」をあえて取り入れ、偶然に生まれる輪郭や滲みが画面に現れ、描かれたものと描かれていないものの境界を揺らしている。「十人十色」と語る作者は、見る人がそれぞれに何かを感じ取ることを願っている。
堀口晴名
12~15世紀のヨーロッパで宗教画として発展した、黄金背景テンペラ画の技法を用い、穏やかな時を過ごす動物たちが描かれている。まるで人間のように読書やブランコに興じる姿は、ふとした瞬間に動物が見せる表情や仕草から、着想を得ていると言う。卵黄に顔料を練り合わせたテンペラ絵の具は、ハッチング(細かい線描の重ね合わせ)で明暗を表現する必要があるが、この特性を生かし、思わず触れたくなるような動物の柔らかな毛並みが表現されている。背景には線刻や点刻といった装飾が施され、見る角度によって煌めき、模様を浮かび上がらせる様は、時間の存在を表している。壁にかけるだけでなく、掌の上で眺めることも想定した小さな絵画。動物たちを巡る物語が紡がれている。
縣健司
縣健司は、自作を「どこにでもあって、どこにもない風景」だという。動物園や廊下、波打つ海面、見上げた鉄塔。取材や旅行、日常の延長で出会った風景をカメラに収め、そこにいた時間や、自分がその場所をどう見ていたのかという感覚を手がかりに作品をつくる。 一見すると見知った風景のようでありながら、その像はデジタル編集によって、形が引き伸ばされたり、膨張したり、複数の写真が組み合わされたりすることで、現実とは少し異なるものへと変化していく。デジタル上で画面の一部を描くように動かすことで、記録としての写真に、曖昧な記憶のような揺らぎを与えている。 特定の場所を示すことよりも、見る人それぞれの記憶や経験に重なる風景を目指す縣。「この場所に行ってみたい」と思わせるのではなく、「自分にもこういう風景があったな」と感じてもらえたら、と語る。
清水雄稀
清水雄稀は、陶器に模様を描くことを制作の指針とし、古くから受け継がれてきた陶器の形に、アイコニックな柄やキャラクターのようなモチーフを組み合わせて作品をつくる。器としての形を基盤としながら、建造物のようなモニュメンタルな造形にも関心を寄せ、形と模様が一体となった表現を目指している。 その背景には、富本憲吉の仕事への関心がある。かつて陶芸は、形をつくる人と絵付けをする人が分かれていたが、富本は自ら形をつくり、そこに絵や模様を施す制作を実践した。東京藝術大学の陶芸教育にもつながるこの流れを踏まえ、清水は形と模様を自らの手でつくることを研究しながら、陶芸の歴史の中にありつつ、まだ存在しないものを生み出そうとしている。 《六人の形》では、網タイツのような網目模様を立体に取り入れ、模様が形そのものとなるような造形を試みた。柔らかな曲線に、フォルムと模様、器と絵付けを一体として捉える清水なりの哲学が表れている。
東條明子
東條明子は、女性や動物、こどもなどをモチーフに、登場人物の感情や内面世界を木彫で表現している。複数のモチーフを一つの木から彫り出す複雑な造形と、柔らかな着彩による独自の世界観が特徴である。
「宝物の海」作家コメント
初めて手に触れたもの。記憶に深く刻まれたもの。心が「宝物」だと感じたもの。ありふれたものが、宝物へと変わっていく。それは、自分という存在を知るための欠片になる。記憶はやがて、己を映す海となる。その海にぷかぷかと浮かびながら、たくさんのものや記憶に支えられて生きている。
※「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者招待展2026」東條明子さん・満田晴穂さん作品販売(抽選制)について
満田晴穂
「自在置物」とは江戸時代から始まり明治に隆盛した、主に生物をモチーフとした金属工芸で、関節が動くよう作られているのが特徴である。満田晴穂は、在学中から自在置物師の冨木宗行氏に師事。自在置物を現代に継承する作家として活躍している。元来の虫好きでもあり、対象は必ず実物を観察する。細部まで徹底して観察し、金属という素材から生き物の姿を立ち上げることで、自在置物の新たな可能性を探っている。
※「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者招待展2026」東條明子さん・満田晴穂さん作品販売(抽選制)について
水巻映
水巻映は、石で「化石」を彫る作家である。昭和の高度経済成長期からバブル崩壊頃までの工業製品や、かつては身近にあったものの、現在ではあまり見かけなくなったものをモチーフに、すべて石で作品を制作している。電話や空き缶、ウォークマン、カセットテープなど、100年も前のものではないが、急速にデジタル化した現代から見ると、すでに遠い過去のもののようにも感じられる。それらを、数千年後の未来に掘り起こされた「化石」として提示する。
《はつかりが動く時》では、昭和33年の国鉄懐中時計をモチーフに、1958年に運行を開始した東北初の特急列車「はつかり」にまつわる時間を作品に重ねている。「はつかり」は青森から上野までを結び、東北の幹線輸送を支えた列車であった。時計の針は、「はつかり」が動き出した時刻とされる11時40分を指している。
上垣内若葉
上垣内若葉は現在、大学院修士課程に在籍し、陶芸を学んでいる。自ら拾った石や砂、掘り出した原土などを用い、素材に手を加えながら制作を続けている。本展では、お気に入りの石を並べるように土の中へ嵌め込み、それぞれの石が焼成によってどのように変化するのかを作品の中で試みた。チェコで見た、茶色い土壁に宗教画が描かれた風景や、壁に石を飾るような感覚も、今回の造形の背景にある。
陶芸を、人間が古代から生きていく中で、自然と深く関わってきたものとして捉える上垣内。自分が本能的にやりたいと思うことを手がかりに、素材を拾い、触れ、並べ、焼いてみる。素材と向き合い、試行を重ねるなかで生まれる思いがけないかたちや表情が、次の制作へとつながっていく。
※ここでご紹介する作品は通販(銀行振込)での購入も可能です。メールにてお気軽にお問い合せください。

会期全体:2026年7月24日(金)〜10月4日(日)
前期:2026年7月24日(金)〜8月23日(日)※7/24のみ13:00開場
後期:2026年8月28日(金)〜10月4日(日)※8/28のみ13:00開場
※二期構成、展示替えを予定定休日:月曜 ※8/10(月)、9/21(月)は祝日のため営業
営業時間:10:00-18:00
※営業日時が変更になる場合がございます。最新情報は公式Webサイト・SNSをご確認ください入場料:無料
会場:藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)
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