暮らしの中に「アート」を取り入れる喜び。
藝大アートプラザの「LIFE WITH ART」コーナーでは、器やグラス、アクセサリーといった毎日の生活で使う品々を、多彩なアーティストたちが手掛けた「一点モノ」に変えてみることで生まれる、「暮らしの彩り」を提案しています。
1月27日からは、さらに新たなアーティストたちが加わりました。
ここでは、新たに加わったアーティストを主にご紹介します。
よりすぐりの作家たちによる、思いのこもったさまざまな作品を、ぜひお手にとってご覧ください。
作家紹介
アメリカ生まれの作陶家が目指す茶器
ウォーラー カミ
アメリカ・メリーランド州出身。フロリダ州育ち。米国在住時からお茶に興味を持ち、趣味で作陶を始める。その後、藝大へ留学し、現在も博士課程で作陶を学ぶ。地球と自らの関係、あるいは他人とコミュニケーションするための「プロセスとしての陶器」を研究している。
普段の制作活動の「反動」でつくった壺
横手 太紀
1998年神奈川県生まれ。藝大美術研究科彫刻専攻に在籍。動きを持たせた彫刻「浮く瓦礫」などをはじめ、インスタレーションを中心としながら、近年は映像を用いるなど表現の幅を広げている。出品作の「tsubo」の用途はあえて定めていないが、花器として愛用しているという彫刻家・コムロタカヒロ氏は「どの角度から見てもしっかりしていて、手に持っても気持ちがいい」「背の高い方は特に一輪すっと挿すと美しい」と語っている。
取手キャンパスの土にこだわり
下城 爽
1997年生まれ。藝大大学院美術研究科を経て、現在は茨城県の取手キャンパスでテクニカルインストラクターを務める。作陶には取手校地で取れる土にこだわり、同地の土で築いた薪窯で、取手の間伐材や廃材を使って、自ら焼き上げている。薪窯を用いる理由は、「コントロールできない部分があり、稀に化け物みたいなものが出てくる」こと。予測不可能な部分を含めて自分の「焼き物」だと語る。
工芸とアートのはざまで
太田 正明
藝大大学院修了。2013年から自らの工房を構え、木素材を主材としたアーティスト活動や、幅広い木工の知識と技術を生かした作品づくりを行う。単に木工でアート作品を手掛けるのではなく、工芸職人としての確かな技術力をアート作品に転化することに重きを置く。「木工の技術が”本物”でなければ説得力がないと思う。そのうえで、アートと工芸の間を行ったり来たりしていたい」。
自然な美を崩したときに現れる「美」
渡邉 泰成
1996年愛知県出身。藝大美術研究科先端芸術表現専攻在籍。本来の美しいはずの形態や色合いを意図的に崩した時に発生する美や、自然なものと異物との関係性を、工芸を軸に表現している。シンプルなマグカップは、自らが「あったらいいな」と思う形状や色をかたちにしたものだが、なぜこのデザインを良いを感じるのかは、自らも「あまり言語化できていない」という。使いやすさと色合いの良さを日常に落とし込んで表現した。