筋肉は決して裏切らない——。
世の中で真に信じられるものは、もしかすると自ら鍛え上げた筋肉だけかもしれません(悲観?)。
この筋肉の美しさに、古今東西多くの絵描きが魅了されてきました。
特にかなりの「筋肉フェチ」と後世に伝わるのが、ミケランジェロ。
「美とは、余分なものの浄化である。(Beauty is the purgation of superfluities.)」
という彼の名言は、贅肉を極限まで削ぎ落としていくボディビルの格言にも聞こえます(こじつけ?)。
今回の誰でもミュージアムは、西洋絵画と浮世絵の筋肉美対決。
対決とは言ったものの、巧拙よりも画家が人間の体のどんな部分に注目し、それをどのように表現しようとしていたのかを比べてみてもらえればと思います。
腹筋対決
背筋対決
マッスルとマッスルのぶつかり合い1
マッスルとマッスルのぶつかり合い2
彫刻対決
筋肉は美しい——?
人体を緻密に観察して描いた筋肉。デフォルメされた筋肉。
絵画や彫刻の中でさまざまな描かれ方をしている筋肉に注目してみると、単なる「力強さ」の表現としてだけではなく、画家や彫刻家がそこに「美しさ」を見ていたであろうことが想像できます。
「腕の筋肉、絵で描いてみて」と言われても、スラスラ描ける人ってなかなかいません。
一度じっくり眺めてみると、画家たちが見た「美」を見つけることができるかもしれません。
「美」は案外身近なところにあるのです。
※本記事は「和樂web」の転載です。
「誰でもミュージアム」とは?
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