日本の工芸技術と現代アートの融合。未来に評価される作品を【KANEGAE】

ライター
中野昭子
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さまざまな特色を発揮しながら運営されている各地のアートギャラリーや画廊をめぐり、ギャラリストたちの多彩な視点をアーカイブしていく特集企画「ギャラリー・ライブラリー」。

京都・大徳寺総門の正面に店を構え、近代から現代に至るまで多岐に渡る工芸作品を取り扱う「古美術鐘ヶ江」はこの夏、名称を「KANEGAE」と変更し、進化した工芸を世界に紹介しています。今回はこちらのギャラリーを訪れ、ディレクターである鐘ヶ江英夫(かねがえ ひでお)さんにお話を伺いました。
また、KANEGAEの所属作家も数多く出品している「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」展(あべのハルカス美術館)で開催されたスペシャル・トークと展覧会を併せてご紹介します。

KANEGAEの店内は、モダンアートのギャラリーのようなおしゃれな雰囲気です。

自在置物って何?綱渡りで継承された超絶技巧(鐘ヶ江英夫さんインタビュー)

——KANEGAEさんは、日本の近現代の作品、とりわけ現代の工芸作家さんの素晴らしい作品を扱ってらっしゃいますね。

鐘ヶ江:当ギャラリーは父の代から始まりまして、明治時代の超絶技巧の作品が原点になりますが、私の代になって現代作家の作品が増えました。

——現代作家の工芸を扱うにあたり、きっかけになった作品はありますか。

鐘ヶ江:当ギャラリーでは、もともと江戸時代から明治時代の自在置物※(自在)を扱っていたのですが、15年くらい前、東京藝術大学(藝大)の満田晴穂(みつた はるお)さんが大学院の卒業制作展でヤドカリの自在を出品されているのを見て、現代でも制作している人がいるのだと驚きました。それに触発された私は、質の良い自在があれば必ず仕入れるようになりました。それらを満田さんに見てもらうのが楽しみでした。彼はいつも制作者ならではの眼で私に作品を解説してくれました。二人で切磋琢磨した良い思い出です。
このような経緯で、満田さんは私にとって初めての取り扱い作家となりました。私が現代の工芸作品を扱いはじめたのは、満田さんとの出会いがきっかけだと言えます。

※自在置物……平和が訪れた江戸時代、武具の注文が減った甲冑師の一部が制作した動物模型のこと。金属素材がメインで、象牙や木の自在も存在する。写実に優れ、関節部分などが自由自在に動くようになっており、技巧が詰まった日本の金属工芸品。モチーフには昆虫、カニ、エビ、鳥などのほか、龍のような想像上の生き物も含まれる。

鐘ヶ江さんが魅了された、満田晴穂のヤドカリの自在『自在陸宿借』。自在の新しい道を模索した作品で、関節の稼動だけでなく、特徴的な生態を表現するために、貝に隠れるところまで再現されています。こちらは「第2回 藝大アートプラザ大賞」にて大賞を受賞しました。

世界から注目が集まる

——藝大で金工を学んでも、自在のしくみを知るのは限界があると思います。満田さんはどなたかに師事なさっていたのでしょうか?

鐘ヶ江:満田さんは、藝大の古美研※で、当時唯一の自在職人だった冨木宗行(とみき むねゆき)師匠がご存命の時に出会い、自在の道を志ざしたそうです。まだ自在があまり知られていなかった時代ですね。
その後、藝大教授の原田一敏(はらだ かずとし)さんが、別冊『緑青』の『自在置物』という本を執筆・出版なさったのと、満田さんが冨木師匠から技巧を受け継いで世に出るのが重なり、自在の認知が上がって海外でも知られるようになりました。それが2013年から2014年くらいの話です。
満田さんが冨木宗行師匠に出会えなければ自在の技術伝承が途絶えていた可能性もあったでしょうから、本当にタッチの差といいますか、ぎりぎりの綱渡りで伝わったのだと思います。自在の件もそうですが、断絶が危惧されない形で工芸の技術が伝承されてほしいので、現代の作家が戦前の作家と出会って裾野を広げる手伝いをしたいですね。

※古美研……古典を学ぶことを重視していた岡倉覚三(天心)が授業に組み込んだ、合宿形式で行われる近畿地方の見学授業「古美術研究旅行」の通称。二週間で近畿地方の古社寺をめぐるという、大変濃密な内容の旅行である。詳細は以下を参照のこと。

満田晴穂『自在十二種昆虫』。過去の技法を受け継いだ本作は、明治工芸では動かなかった部分も動くようになっています。

——動くことは自在の魅力の一つですが、動かしているうちに壊れたりしそうです。

鐘ヶ江:過去の技術は修理を重ねることで向上しましたし、修理できなくなる時が文化が途切れる時だと思っています。当ギャラリーの場合は作家がいますので、お客様には手に取って動かしていただきますし、購入いただいたら修理を承るとお伝えしていますね。

——自在に注目しているのは、日本のほか、どういった国の方でしょうか?

鐘ヶ江:もとは欧米圏から火が付いたのですが、オークションハウスのクリスティーズやサザビーズでも出品されるので、今は中東や中国圏の方にも広く認知いただいています。明治時代には外貨を稼ぐ輸出品でしたし、過去にはローマ教皇に献上された自在があるなど、国交用の美術品としての一面もありましたから、昔の作品が海外にあることも多いですね。

——鐘ヶ江さんは、自在に始まり、工芸に関する広い知識をお持ちですが、大学では何を学ばれていたのでしょうか?

鐘ヶ江:大学では建築を学んでいて、就職も決まっていたのですが、卒業後に家から呼び戻されて今の仕事をしています。大学で学んだ空間やプロダクトやデザインの考え方や、人との関わり方などは、今やっている仕事の指針になっています。コンセプトアートを作家と一緒に考える段階などは、アートをデザインしている感覚ですね。今はコラボレーションが流行っていますが、仲介する人や翻訳をする人がいないとプロジェクトが進まないので、私はその役割も含めて請け負っているように思います。
工芸作家は素晴らしい技術を持っていますが、社会から孤立していると感じますので、作家に新しい見地を持っていただいたり、最新のテクノロジーを取り入れていただくなどして、現代へとアップデートさせようと試みています。

上は明珍作の自在龍。店内で名品を拝見することができます。

想像し得るもの、すべてつくれる

——所属なさっている作家さんの特徴などはありますか。

鐘ヶ江:皆さん周りに乱されずに、自分のペースを持っています。それはつまり技術力があるということなのだと思います。芯を持ち、技巧が素晴らしい方の力を伸ばしていきたいですね。
産業において優れた技術者は貴重な存在で、アートにおいても同様です。技術者は想像し得るものを全て自分の手で具現化できるので、期待を裏切らないです。
当ギャラリーには、制作に時間がかかる作家が多いです。彼らは長い時間を一つの作品に注ぎ込むので、そのコンセプトが中途半端だと、どうしても気持ちが乗らない人も多いです。作家は自分の中のストーリーに”酔って”制作するものですから、それを全力でバックアップしたいと思っています。そういったストーリーへの没入の仕方は作家によって異なり、コンセプトの段階から一緒に話し合う方もいれば、最初の部分だけを私と共有し、後は自分の中で洗練させる方もいますし、一切語らない方もいます。そうした違いが作家性にもつながるように思います。私はさしずめ小説家に付いている編集者のような存在ではないでしょうか。
私は、作品を事前に買い取りするスタイルでやらせていただいているので、多くの作家は扱えないですし、頻繁に展覧会はできないのですが、心に決めた作家たちとは、密度の濃い付き合い方をさせていただいていますね。

——扱っている作品は素晴らしいものばかりですが、どうやって作家さんの存在を知るのでしょうか?

鐘ヶ江:展覧会やSNSなどいろいろありますが、作家から教えていただくことが多いですね。例えば金工の本郷真也(ほんごう しんや)さんは、自在の満田さんから教えていただきましたし、木彫の大竹亮峯(おおたけ りょうほう)さんは、同じく木彫の前原冬樹(まえばら ふゆき)さんの紹介です。
私は、美術商の中では技術者を理解している方だと思いますが、それは技術者が教えてくれるからです。技術者・美術商・学芸員など、さまざまな視点がありますが、それらをバランスよく持ちたいですね。
また、お客様にこういうものを見つけてきたら買いますよ、などと提案されて勉強し、私自身がお客様に育てていただいたという経験もあるので、お客様の視点も大切にしたいと思っています。

——あべのハルカス美術館で開催中の「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」展に出品なさっている作家さんの作品をいくつかご紹介いただけますか。

鐘ヶ江:『Visible01 境界』という烏をモチーフとした彫刻作品は、革命的な作品だと思います。作家の本郷真也さんは、鉄鍛金という鉄板を叩き出して彫刻物を制作する方です。彼はその鉄鍛金で、歴史上最も優れた作家です。本郷さんはいつも「骨格や内臓まで想定しないと彫刻は動きのある表現にならない。」と話しています。それでは、いっそ彫刻内部まで制作し、見せてやろうと取り組んだのが『Visible01 境界』です。烏の骨格や隠れて見えない羽まで制作し、それを肉や外皮の表現で覆いました。そして、完成した烏をCTスキャンで撮影したのです。これによって彫刻内部をデジタルデータとしてご覧頂けます。因みに、この骨は自在に動くように作られています。

本郷真也『Visible01 境界』。

外側だけ超絶技巧でつくるのではなく、現代では彫刻は内部にまで表現領域が広がったのではないか?というのが「Visible」シリーズの始まりです。例えば仏像に入っている密仏は見られることを想定していませんが、私たちの時代では、彫刻が3次元のさらに先、4次元・5次元など多次元的に向かうことを考えなくてはいけません。
『Visible01 境界』の内部はデジタルデータでしか見ることは出来ませんが、例えば300~1000年経過して表皮の鉄が朽ちてくると、穴が開いて骨格が見えるようになります。また、内部には烏が飲みこんでしまったキャンディの袋が入っています。それは鉄ではなく銀でつくられているので、数万年経過し、烏の肉体が朽ち果ててしまった後も残り続けます。人間の罪深さや、この時代の環境問題を消えない素材で提示しました。『Visible01 境界』は、本郷さんという天才が持つ技巧と現代に応じたコンセプトによって、この時代でしか成しえない作品になったと思っています。

本郷真也『Visible01 境界』をCTスキャンした図。内部にキャンディの袋が見えます。

一方、前原冬樹さんの作品は、全て一本の木で作っているのが信じられないような精巧で写実的な木彫です。技巧はこの上なく高く、他者が真似することができない作品ばかりです。完璧で精密な技巧を持つ反面、朽ち果てゆくものに美を見出すセンスと、作品には、どれも言葉では表現出来ない儚げな物語を感じます。私個人としても、作品をずっとコレクションしておきたい作家です。また、前原さんはプロボクサーとして活躍した後に藝大の油画に入学されました。その破天荒な人生やキャラクターも面白く、今後なかなか現れない、伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)クラスの稀有な存在だと思います。

前原冬樹『《一刻》スルメに茶碗》』。あべのハルカス美術館で開催されている超絶技巧展のメインビジュアルにもなっています。

ギャラリーに展示されていた、前原冬樹『《一刻》ロボットの腕』。これも全て一本の木から彫り出されています。未来の人が感じるわびさびが体現されているようです。

また、木彫の大竹亮峯さんも天才ですね。彼の『月光』は月下美人をモチーフにした神秘的な作品です。白い花の部分は鹿角、他は木で彫られているのですが、水を注ぐと花が咲くのです。一夜だけ咲く月下美人の生命の儚げな時間を見事に表現しています。花が咲く時間はある程度調節出来るのですが、天気によって咲き具合が異なるので、その意味でもまるで本当に命が宿っているような気がして、ドキッとします。
本作は、3次元の立体に”時間”という4次元的要素が加わっており、内側の見えないところまで表現されている本郷さんの「Visible」シリーズと対になる彫刻のニュータイプと言える作品かと思います。

大竹亮峯『月光』。少しずつ花開く様が神秘的です。

大竹亮峯『月光』の月下美人が満開になったところ。美しく繊細ですが、生命の強さや迫力をも漂わせます。

最高の技術者に最高のコンセプトを

——ギャラリーの目的や運営方針などはありますか。

鐘ヶ江:時代を象徴する作品を扱いたいですし、現代の作品を歴史に残していきたいですね。今売れることも重要ですが、もともとは古美術商だということもあり、未来に評価されることの方がかっこいいと考えています。私たちが死んでも作品は残り続けることにロマンを感じますね。
あくまでも個人的な感覚ですが、現代アートはコンセプトがありますが技術は足りず、工芸は技術がありますがコンセプトは希薄という傾向があると感じています。私は最高の技術者に最高のコンセプトを持ってもらい、工芸と現代アートの融合を試みたいのです。
そもそも現代アートは海外にルーツがあるものですので、日本が思想面だけで戦うのは難しいと思います。日本が世界で戦える手段としては、自国の優れた文化である工芸を注入してハイブリッドにした方がいいと考えています。

過去と現代の名品が並ぶ店内。

——今後の展望を聞かせていただけますか。

鐘ヶ江:江戸時代は刀工たちがヒエラルキーのトップでしたが、明治になってキリスト教の教えを伝えられる絵画や彫刻が上位になり、明治時代には工芸が一番下のカテゴリーになってしまった経緯があります。
私は狭い意味での「工芸」を卒業したいと思っていて、工芸の先にあるものを目指す「KOGEI Next」という計画を打ち立てています。KOGEI Nextには三つの指針があって、一つ目は作家を世間に認知してもらう、二つ目は科学的進歩やデジタルテクノロジーを投入する、そして、現代は人類が歴史上初めて地球環境について考え始めた時代ですので、三つ目に環境のことをテーマにしています。この三つの指針を持ち、令和という時代を示していきたいですね。

私は、作家をスター化して世間の認知を広め、工芸を志す人口を増やしたいと思っています。また、工芸の仕事は体力勝負で、作家はアスリートのような存在であることを知ってもらう必要があります。例えば本郷さんは、夏場の制作時には1日3キロもやせるそうです。今、スポーツアパレルメーカーのゴールドウィンさんにスポンサーになっていただいていて、登山用のウェアが特に彼の制作には活用できています。マラソンのシューズがアスリートのパフォーマンスを伸ばしたように、ウェアやサプリメントなどを開発することで、アーティストたちがより素晴らしい作品づくりが可能な環境を整えたいですね。

美術は革新の歴史ですので、スポーツウェアや医療など、カテゴリーを超えてカルチャーを盛り立て、工芸で革新を起こしたいと考えています。KOGEI Nextには、多くの企業と作家に関わっていただいて、かつてパリ万博などで日本文化が注目されたように、ネオジャポニズムを花開かせたいです。
環境問題やSDGsのことに関しては、特に素材の見直しを行なっております。例えば金属で言えば、「都市鉱山プロジェクト」を進めております。金や銀は延棒になってしまえば、由来に関わらず同価値とされてしまいますが、私は近い未来、そうではなくなると思っております。「その金属がどこから来て、どのように形成されたか」が明確に価値の一部になると思います。その想いに共感して頂いた協力企業のサポートを受けて、日本で廃棄された小型家電由来100%の金や銀を精製して頂き、購入させて頂いております。当店所属の作家たちには、そういった素材を積極的に活用し、制作してもらっています。また素材に関しては、これから新たに始まるプロジェクトがいくつかあります。地球環境を見直し、綺麗な循環の輪が描けるような制作に移行したいと考えております。

鐘ヶ江さん。傍らにある『《一刻》縄文土器』は、欠損した縄文土器の部分を前原冬樹が一本の木から彫り出し、傷にピタリと合わせて修復しています。鐘ヶ江さんが傷ついた美術品を探し、それを前原が持ち前の超絶技巧で、現代に新しい形で蘇らせました。修復部分は着脱可能で、土器には全く傷を付けない方法で取り付けられています。

あべのハルカス美術館「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」展 レポート

明治から現代の工芸作品の逸品を紹介する「超絶技巧展」。これまで3回にわたって開催され、多くの観客を魅了してきました。大阪のあべのハルカス美術館では、2019年に「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」展を開催しました。2023年の「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」展は、これまでの内容をさらに発展させ、明治の工芸を紹介しつつ、新しい領域に挑む現代作家の新作を中心に紹介し、工芸の発展を体感させる内容になっています。

展覧会初日である7月1日(土) には、本展監修者の山下裕二(やました ゆうじ)、出品作家の中で最年長の前原冬樹、最年少の福田亨(ふくだ とおる)の3人がさまざまな話題について語りました。その様子を一部レポートします。

左から福田亨、山下裕二、前原冬樹。3人の親密度と工芸への情熱が伝わってくるトークでした。

前原冬樹・福田亨は共に木彫の作家。前原は、スルメをモチーフにした『《一刻》スルメに茶碗》』や、『《一刻》ブランコに朴の実』など、わびさびを感じさせるモチーフを扱います。一本の木から彫り上げる手法で制作されており、いずれも制作には非常に時間がかかると語っていました。

前原冬樹『《一刻》ブランコに朴の実』は、ブランコの鎖も木で彫られています。

福田は、木の上の水のきらめきと揚羽蝶の彩りが美しい『吸水』などを出品。『吸水』は木象嵌で立体作品をつくる立体木象嵌でつくられ、木は一切着色しておらず、揚羽蝶の羽の黒は黒柿、黄は檀(まゆみ)など、すべて元の木の色を活かしているそうです。

揚羽蝶の色味と水滴のみずみずしさが印象的な福田亨の『吸水』。

前原は「一本の木で制作」、福田は「着色しない」というそれぞれの指針を持ちつつも、見えない部分にこだわり抜き、他の人がやっていないことに挑戦するという姿勢は共通しているように感じられます。

KANEGAEの所属作家では、前原の作品のほか、本郷真也の『Visible01 境界』や大竹亮峯の『月光』も出品されており、映像つきのものもあるので、制作過程やコンセプトなどをじっくり知ることができます。その他、漆芸のアート集団を率いる彦十蒔絵の若宮隆志(わかみや たかし)による、漆の紫外線による変化を活かしたコンセプチュアルな『Ultraviolet canvas』も出品されており、見ごたえある作品が揃っていました。

若宮隆志『Ultraviolet canvas』。

若宮隆志『Ultraviolet canvas』拡大図。朱漆で細密な線を描き、黒い漆で覆っています。紫外線で黒い漆が劣化することにより朱漆が血管のように立ち現れており、漆が生きた素材なのだと実感します。

本展では、明治の工芸作品にもフォーカス。高村光雲(たかむら こううん)の木彫や並河靖之(なみかわ やすゆき)の七宝、柴田是真(しばた ぜしん)の漆工といった名品が集結しており、当時最高峰の技術を間近に見ることができます。新旧の超絶技巧の作品が同じ会場に並ぶことで、過去の技巧が現代の作家へ引き継がれ、そこに最新のテクノロジーと現代らしいコンセプトが息づいているさまが実感できる展示内容でした。
明治から現代に渡る日本の工芸作品の至宝が集結する「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」展、ぜひこの機会を逃さずに鑑賞いただければと思います。

info

KANEGAE

住所:〒603-8215 京都府京都市北区紫野下門前町43(大徳寺総門前)
電話番号:075-491-2127
開館時間:10:00~17:30
定休日:不定休
Instagram @kanegae_art_antique
※最新情報はウェブサイトにて要確認
※KOGEI Next HP

「YUICHIRO SATO POP UP SHOW」

2023年7月1日(土)~7月31日(月)
時間:10:30~17:30
休館日:日曜日
料金:無料
※上記に加え、お休みを頂く場合がございます。また日曜日も営業している日もございます。念の為ご来店前にご一報頂ければ幸いです。

「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」

あべのハルカス美術館
2023年7月1日(土)~ 2023年9月3日(日)
住所:〒545-6016 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
時間:火~金 / 10:00~20:00
   月土日祝 / 10:00~18:00
   *入館は閉館30分前まで
休館日:なし
料金:一般 1,600円 大高生 1,200円 中小生 500円
※最新情報は公式サイトにてご確認ください。

東京展
三井記念美術館
2023年9月12日(火)~2023年11月26日(日)
※最新情報は公式サイトにてご確認ください。

富山展
富山県水墨美術館
2023年12月8日(金)〜2024年2月4日(日)
※最新情報は公式サイトにてご確認ください。

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