2024年に上野で開催予定の気になる企画展&アートイベント17選!(上半期編)

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藝大アートプラザ編集部
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イベント情報 コラム

2024年1~6月に開催される、上野エリアの美術館・博物館の展覧会と、全国各地のアートに関連したイベントをご紹介します。
2024年上半期のアートライフの参考にご覧ください。

上野エリアの美術館・博物館の展覧会

①モネ 連作の情景 東京展

会期:開催中~ 2024年1月28日(日)
会場:上野の森美術館

印象派の代表画家のひとり、クロード・モネ(1840-1926)は、柔らかい色使いとあたたかい光の表現を得意とし、自然の息遣いが感じられる作品を数多く残しました。同じ場所やテーマで、異なる天候、異なる時間、異なる季節など移ろいゆく景色と表情を描き留めることを試みた「連作」は、巨匠モネの画業の重要な位置を占めています。

第1回印象派展から150年を迎えることを記念し、国内外のモネの代表作60点以上が一堂に会します。モネの代名詞として親しまれている〈積みわら〉〈睡蓮〉などをモティーフとした「連作」や、日本初公開となる人物画の大作《昼食》はじめ「印象派以前」の作品も展示されます。

展覧会詳細:https://www.monet2023.jp/about/

上野の森美術館
住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園1-2
公式サイト:https://www.ueno-mori.org/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/uJhhtLKG8JR9rK999

②コレクション・イン・フォーカス|Collection in FOCUS

会期:開催中 ~ 2024年2月中旬予定
会場:国立西洋美術館 本館2階・新館1階

西洋絵画史の流れを概観できる日本唯一の場を従来通り維持しながら、リニューアル後は随所に小規模なコーナー展示を組み込み、特にテーマ性の高いものを「コレクション・イン・フォーカス(Collection in FOCUS)」として解説パネルとともに展示しています。
所蔵作品のより詳細な考察や、作品同士の新たな対話、調査研究の成果を堪能することができます。

展覧会詳細:https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023CinF.html

③パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命
ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ

会期:開催中 ~ 2024年1月28日(日)
会場:国立西洋美術館 企画展示室

20世紀初頭、西洋美術史に大きな変革をもたらしたキュビスム。パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって生み出された視覚表現は世界中に広まり、以降の芸術に多大な影響を与えました。
パリのポンピドゥーセンターから、50点以上の日本初出品作を含むキュビスムの重要作品が多数来日しています。絵画や彫刻など約140点を通して、キュビスムの展開とダイナミズムを紹介します。

展覧会詳細:https://cubisme.exhn.jp/

④もうひとつの19世紀
―ブーグロー、ミレイとアカデミーの画家たち

会期:開催中 ~ 2024年2月12日(月・休)
会場:国立西洋美術館 版画素描展示室(常設展示室内)

こんにちエポックメーカーとされる芸術運動や画家たちの背後には、常にアカデミー画家たちがいました。彼らこそそれぞれの国で最も権威ある美術教育に属し、当時の画壇の主流を占め、美術における規範を体現していました。

しかし、古典主義的な芸術様式を遵守した画家たちも、時代の変容や新たな画派の登場に無関心だったわけではありません。むしろ需要に応じて主題や様式、媒体を変容し制作を行いながら、アカデミーの支柱としてその伝統と歴史を後世に継承しようと努めたのです。

ウィリアム・アドルフ・ブーグロー(1825-1905)やジョン・エヴァレット・ミレイ(1829-1896)をはじめとするアカデミー画家たちにスポットライトをあて、その柔軟かつ戦略的な姿勢と彼らが率いた「もうひとつの19世紀」を浮き彫りにします。

展覧会詳細:https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023painters.html

⑤特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」

会期:開催中~ 2024年2月25日(日)
会場:国立科学博物館

ユネスコ無形文化遺産に登録されて10年となる「和食」。世界中から関心を集めている和食を、様々な標本や資料、科学や歴史など多角的な視点から紹介する展覧会です。多様な食材や、人々の知恵や工夫が生み出した技術、そして未来まで、意外と知らない和食の魅力に迫ります。
※本展は新型コロナウイルスの影響で2020年に中止となり、改めて開催されるものです。

展覧会詳細:https://washoku2023.exhibit.jp/

国立科学博物館
住所:〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20
公式サイト:https://www.kahaku.go.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/zBoHtasXcNCq7FSt8

⑥印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵

会期:2024年1月27日(土)~4月7日(日)
会場:東京都美術館

第1回印象派展から150周年となる2024年、印象派がヨーロッパやアメリカへもたらした衝撃と影響をたどる展覧会です。

1898年の開館当初から印象派の作品を積極的に収集してきたボストン近郊のウスター美術館・印象派コレクションを中心に、モネ、ルノワールなどフランスの印象派、ドイツや北欧の作家、国際的に活動したサージェント、さらにはアメリカの印象派を代表するハッサムらの作品が一堂に会します。
これまで日本で紹介される機会の少なかった、知られざるアメリカ印象派の魅力に触れられる貴重な機会です。

展覧会詳細:https://worcester2024.jp/
東京都美術館
住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
公式サイト:https://www.tobikan.jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/STJUT3f1V3a47re27

⑦特別展「本阿弥光悦の大宇宙」

会期:2024年1月16日~ 2024年3月10日
会場:東京国立博物館 平成館特別展示室

戦乱の時代に生きた本阿弥光悦(ほんあみこうえつ・1558〜1637)。革新的で傑出した品々を多数生み出し、日本文化に大きな影響を与えました。
光悦の書や作陶、志を同じくした工匠たちの蒔絵、また、光悦一族が篤く信仰した当代の法華町衆の社会にも注目し、造形世界の最新研究と信仰とを照らしあわせて総合的に光悦を見通そうとする展覧会です。

展覧会詳細:https://koetsu2024.jp/

⑧建立900年 特別展「中尊寺金色堂」

会期:2024年1月23日~ 2024年4月14日
会場:東京国立博物館 本館特別5室

藤原清衡(1056~1128)によって建立された東北現存最古の建造物・中尊寺金色堂は、2024年に上棟900年を迎えます。これを記念し、堂内中央の須弥壇に安置されている国宝の仏像11体、国宝・金銅迦陵頻伽文華鬘(こんどうかりょうびんがもんけまん)をはじめとする工芸品の数々を展示します。
また、会場内の大型ディスプレイでは8KCGで再現された金色堂とその内部を原寸大で鑑賞できます。

展覧会詳細:https://chusonji2024.jp/

東京国立博物館
住所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
公式サイト:https://www.tnm.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/YWjaJoqwxGUJLaEM7

⑨ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?
——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ

会期:2024年3月12日(火)〜5月12日(日)
会場:国立西洋美術館 企画展示室

※詳細は公式発表をお待ちください。

国立西洋美術館
住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
公式サイト:https://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/qAq7EVGnuRjxwtRe9

(10)大吉原展

会期:2024年3月26日(火) – 2024年5月19日(日)
会場:東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2、3、4

桜満開の上野に、吉原の美が集結!
喜多川歌麿『吉原の花』や髙橋由一『花魁』など、吉原をテーマにした優品が咲き乱れます。

展覧会詳細:https://daiyoshiwara2024.jp/

東京藝術大学大学美術館
住所:〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
公式サイト:https://museum.geidai.ac.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/rh87NMyKYSvundFy7

(11)デ・キリコ展

会期:2024年4月27日(土)~8月29日(木)
会場:東京都美術館

20世紀を代表する画家・彫刻家の一人、ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)。彼の「形而上絵画」(幻想的な風景や静物によって非日常的な世界を表現する絵画)は、多くの芸術家や芸術運動に大きな影響を与えました。
デ・キリコの約70年にわたる画業を「イタリア広場」「形而上的室内」「マヌカン」などのテーマに分け、余すところなく紹介。日本では10年ぶりとなる大規模な個展です。

展覧会詳細:https://dechirico.exhibit.jp/

東京都美術館
住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
公式サイト:https://www.tobikan.jp/index.html
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/STJUT3f1V3a47re27

全国のアートイベント

2024年1~6月に日本各地で行われる、気になるアートイベントをピックアップ。

①「札幌国際芸術祭2024(SIAF2024)」

会期:2024年1月20日(土)〜2月25日(日)

札幌国際芸術祭2024のテーマは「LAST SNOW」です。
2020年以降の世界的なパンデミック、分断、紛争、戦争など、私たちは、絶え間ない危機の中で生きています。加速するテクノロジーの発展と、それによって急速に変容する社会。そして、地球規模の気候変動の影響は、私たちの生活をゆっくりと、しかし確実に変化させています。札幌では当たり前のように存在しているはずの「雪」の意味や、雪が作り出す風景も、21世紀末には現在とは異なるものになると予測されています。
この芸術祭では、そのような未来の地球、社会、コミュニティー、生活のための変革と創造に焦点を当てます。(公式サイトより)

開催概要
名称:札幌国際芸術祭2024(略称:SIAF[サイアフ]2024)
※札幌芸術の森会場は2023年12月16日(土)~2024年3月3(日)
※さっぽろ雪まつり大通2丁目会場は2024年2月4日(日)~2月11日(日・祝)
会場:未来劇場、北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館ほか
主催:札幌国際芸術祭実行委員会(後援・札幌市教育委員会)
公式サイト:https://2024.siaf.jp/

(気になるイチオシ!ポイント)
サブテーマが日本語、英語、アイヌ語でそれぞれ設けられ、「雪とともに未来に向けて走り出してみる、雪を通して互いに気づきあってみる」という思いが込められています。アートを通して私たち人類の未来について考えるきっかけになるのでは。

②「ぱくっと!2024(パフォーミングアーツ&コンテンポラリーシアター大阪 2024)」

会期:2024年1月27日(土)・28日(日)

大阪の芸術文化の担い手となるアーティストたちと大阪市民とをつなぎ、より魅力的で創造性に富んだ舞台芸術が大阪に生まれることを、そして舞台芸術がより身近な存在になることを目的とする演劇祭です。(公式サイトより)

開催概要
名称:ぱくっと!2024(パフォーミングアーツ&コンテンポラリーシアター大阪 2024)
会場:大阪府 大阪市立芸術創造館 〒535-0003 大阪市旭区中宮1-11-14
主催:大阪市立芸術創造館
公式サイト:https://geijutsusozokan.jp/news/pacto2024_open_call/

(気になるイチオシ!ポイント)
コロナ禍により大きな影響を受けた大阪のアーティストたちを支援する事業で、出演者は創作と上演に専念できるよう、参加費・広報宣伝費・会場費・スタッフ人件費などの費用負担はなし。さらに公演の入場料収入は全てアーティストの収入になる、という強力なバックアップぶり!

③「恵比寿映像祭2024『月へ行く30の方法』」

会期:2024年2月2日(金)~18日(日) ※コミッション・プロジェクト(3F展示室)のみ3月24日(日)まで

「月へ行く方法」という命題を、写真や映像を主とした様々な表現によってひも解き、アーティストだけでなく、そこに参加する観客とともに考えていく試みを行います。歴史的作品から現代作品まで、異なる角度からイメージの可能性を探ります。(公式サイトより)

開催概要
名称:恵比寿映像祭2024「月へ行く30の方法」
会場:東京都写真美術館、恵比寿ガーデンプレイス センター広場 、地域連携各所ほか
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館、日本経済新聞社
公式サイト:https://www.yebizo.com/

(気になるイチオシ!ポイント)
今回の特徴の1つは「映像の一回性」。様々な場所や時間で再現できる映像作品でありながらその場で完成し、消滅していくような「一期一会」を体感できます。
展示鑑賞だけでなく、パフォーマンス、トーク、ディスカッション、ワークショップなどのプログラムが連日行われ、来場者も一緒に作り上げていきます。

④「百年後芸術祭‐内房総アートフェス‐」

会期(イベント・パフォーマンス期間):2023年9月30日(土)~2024年5月5日(日)

市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市を舞台に、千葉県誕生150周年事業の一環として、「広域連携」「官民協同」による初の試みとして、百年後芸術祭-内房総アートフェス-を開催します。
豊かな海・里・食・観光資源等、内房総の強みを最大限に活かしながら、アート、クリエイティブ、テクノロジーの力を融合し、百年後の新しい未来を創っていくための持続可能なプラットフォームとしての芸術祭を目指します。(公式サイトより)

開催概要
名称:千葉県誕生150周年記念事業 百年後芸術祭~環境と欲望~ 内房総アートフェス
会期(アート作品展示期間):2024年3月23日(土)~5月26日(日)
開催エリア:市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市
主催:内房総アートフェス実行委員会
公式サイト:https://100nengo-art-fes.jp/2023/08/28/uchiboso_artfes/

(気になるイチオシ!ポイント)
総合プロデューサーに小林武史氏、アートディレクターに北川フラム氏が着任。
ライブアートパフォーマンス、食と学びの新たな食体験、国内外の現代アート作家作品展示、百年後の未来を創る力を養う「生きる力を養う学校」の4つのコンテンツが軸となっています。内房総の豊かな自然とともにアートを楽しむことができます。

藝大アートプラザの企画展

①藝大アートプラザ・アートアワード展

会期:2024年1月27日(土)〜3月17日(日)

藝大アートプラザが年に一度開催している、藝大の学生を対象としたアートコンペティション「藝大アートプラザ・アートアワード」(旧「藝大アートプラザ大賞」)。

藝大×小学館の包括連携協定を契機に、今年度からはアワードタイトルを一新! 審査員の変更、協賛企業による各賞創設、デジタル作品募集など大きく変わろうとしています。

第18回となる本年度は、日比野克彦・東京藝術大学学長ならびに箭内道彦・東京藝術大学美術学部教授/藝大アートプラザ所長が審査員に加わりました!

また、大賞、準大賞のほか「小学館賞」ならびに「JR東日本賞」を新設するとともに、デジタルアート部門を創設しました。

本展は、受賞作品および入選作品を展示・販売するもの。詳細は本サイト内にて随時告知予定です。

②藝大動物園 Welcome to the art zoo!

会期(予定):2024年3月23日(土)〜5月26日(日)

この春上野にもうひとつの動物園が開園します。それはアートによる、アートにしかできない藝大動物園。想像の世界にしか存在しない動物、本物以上にリアルな生き物、生物なのか無生物なのかわからない存在、もしかして人間も? 藝大アーティストたちが創り出すアートジャングルをお楽しみください。

https://artplaza.geidai.ac.jp/column/22560/
藝大アートプラザ
住所:〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内
公式サイト:https://artplaza.geidai.ac.jp/
アクセス(GoogleMap):https://goo.gl/maps/w6T4HWuMghT2xfAX7

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