藝大アートプラザ・アートアワード受賞者発表!受賞者展は1/27〜3/17

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藝大アートプラザ編集部
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おしらせ

各学部・大学院生 約70人の応募から

長らくお待たせしました。藝大の学生を対象としたアートコンペティション「藝大アートプラザ・アートアワード」(旧「藝大アートプラザ大賞」)の審査結果を発表いたします。

第18回となる本年度は、各学部・大学院の学生・院生約70人から応募がありました。

藝大アートプラザでは、エントリー期間終了後、日比野克彦・東京藝術大学学長ならびに箭内道彦・東京藝術大学美術学部教授/藝大アートプラザ所長らをはじめとする審査員が厳正なる審査を行い、以下の通り受賞者を決定しましたので、ここにお知らせいたします。

(美術部門・デジタルアート部門それぞれ審査が行われました。写真は美術部門審査の様子)

なお、受賞者へのインタビューなどは後日取材・公開予定です。

美術作品部門

大賞

間瀬 春日(作品名:はろう)

(撮影:永田忠彦)

準大賞

柿沼 美侑(作品名:心象土偶 獨)

(撮影:永田忠彦)

準大賞

futaba(作品名:Pattern Mania)

(撮影:永田忠彦)

小学館賞

白井 雪音(作品名:Susan)

(撮影:永田忠彦)

審査員特別賞

Ro Kiko(作品名:the festival)

(撮影:永田忠彦)

審査員特別賞

河崎海斗(作品名:黒頂点眼)

(撮影:永田忠彦)

デジタルアート部門

小学館賞

諏訪葵(作品名:ガラス玉をひとつ)

JR東日本賞

武田萌花(作品名:Day Tripper (2023) )

審査員特別賞(エプソン販売株式会社)

藤本陸斗(作品名:Emerged Colors 00)

以上

美術作品部門の受賞作・入選作品は、1月27日(土)〜3月17日(日)の会期で、藝大アートプラザにて展示・販売(ページ下部に案内を掲載)いたします。

また、美術部門・デジタルアート部門の入賞・入選作品はデジタルカタログにてご覧いただけます(小学館「CLOUDEAR」のアカウント作成が必要となります)。

なお、デジタルアート部門の受賞作は、JR東日本上野駅構内「PLATFORM13」(13番線ホーム内/写真下)にて掲出いたします。
詳細は「藝大アートプラザタイムズ」にて近くご案内いたします。

審査員各氏のコメント

日比野克彦 東京藝術大学学長

(審査の様子)

東京藝大にはさまざまな学部・専攻があり、学生たちはそれぞれ素材や材料、技法をベースに学んでいるが、アーティストとしての「生きる力」を考えるならば、大学での学びを生かして、あるいは習得した技法なりを発展させて、自分にしかできない挑戦をすることがやはり必要になる。そのために自分の世界観を常に探り続けることは非常に重要だし、私はそうした挑戦の連続がアーティストとしての生きる力になると考えている。

今回の藝大アートプラザ・アートアワードでは、そのような文脈から、作者が自らの表現形態や表現方法をつかんでいると感じられるもの、あるいは探求しようとしているものを主に選んだ。

大賞の間瀬春日「はろう」は、まず、その不思議な形態に大きな興味を持った。3Dプリンターで造形したようにも見えるし、手で磨き込むことでしかできない形態のようにも見える。作者は壁掛けでの展示を想定しているということだが、この物体が「宙に浮いている」というイメージを持って造形していることも、私は面白いと感じた。乾漆技法の技術的なレベルの高さはもちろんだが、作者の中に「こういうものをつくりたい」という思想が最も強く感じられる点で、大賞とした。

準大賞のfutaba「Pattern Mania」は、テキスタイルでかたちづくった作品で、形態は鏡、素材はテキスタイル。フレームを含めてふにゃふにゃとしていながら、幾何学的な模様で人物を描き出している。染織を学んでいるということだが、キラキラとした模様のイメージと触覚的なおもしろさのギャップに、作者にしかない表現形態・表現方法が感じられ、今後もさまざまな展開が期待できるように感じた。

同じく柿沼美侑の「心象土偶 獨」も、焼き物としてこの形態がどこから生まれてきたのかという興味をそそられた。土偶的で、シャーマニズム的な要素を感じさせ、素朴な肌の色合いには原始的な、炎の仕業のような質感がある。しかしながらその形態は非常にラディカルでもあって、そのバランスがいい。現代に生きる作者が自然に対する畏敬の念を抱きつつも、自らの自我を越えようとしているように思えた。

藝大アートプラザ・アートアワードは、東京藝大に在籍する学生・院生の作品を対象とするものだが、授業での課題を提出する場ではない。まだ社会で一定の評価を受ける前だからこそできる挑戦、授業ではできないようなチャレンジを今後も期待したい。

(審査の様子)

箭内道彦 東京藝術大学美術学部教授/藝大アートプラザ所長

世界を変える創造の源泉、東京藝術大学。その最前に浮かぶ出島、藝大アートプラザ。
既成のフォーマットから解放された新しい芸術の可能性がこのアワードに満ち溢れて行くことを願って止みません。

小学館審査員

美術作品部門

今回の藝大アートプラザ・アートアワードは、全体的に技術的な高さに驚かされた。一方で、作者の「内なるもの」を社会に発信するという意味でのフィルターが明快である作品と、そうでないものの差も感じられた。
技術的に一定の範疇にあることは当然として、そこからどうジャンプするかという視点で各作品を鑑賞したとき、白井雪音「Susan」は、彫刻の技の確かさをベースにしながら、自らの内面を確かに掘り下げていった爪痕が感じられた。単に内省的・メルヘンチックなのではなく、社会に向けてどのようなフィルターで発信すればよいかという点において、作者には明快な思想があるのだろう。他の作品にはない作者の「声の大きさ」があり、その点を評価した。
(清水芳郎 株式会社小学館社長室顧問/小坂眞吾 株式会社小学館取締役文化事業局担当)

(審査の様子)

デジタルアート部門

デジタルアート部門には諏訪葵「ガラス玉をひとつ」を選んだ。視覚が光と影のバリエーションに過ぎないとしたら、そこから得られる「懐かしさ」に似た感情は、記憶もまた電気信号の組み合わせだからだろうか。フィジカルとデジタルの間に表現の可能性を感じる。この部門は今回が初であったが、今後は動画以外の作品も見てみたい。
(嶋野智紀 株式会社小学館ユニバーサルメディア事業局チーフプロデューサー/XR事業推進室室長)

JR東日本・エプソン販売 審査員

デジタルアート部門

Day Tripper(2023)は、光のコントラストと動きが表現されており、応募作品の中では、長大な展示空間特性に最もマッチした作品でした。誰しもが見慣れた夜の日常の車窓風景を題材にしていることで、例え、アートに造詣のない人にも、ある種の既視感を抱かせ、没入追体験をさせる優れたアート作品として高く評価します。
(髙木浩一 東日本旅客鉄道株式会社 マーケティング本部 まちづくり部門長)

デジタルアート部門における第一回目の公募に審査員特別賞という形でご一緒でき、光栄に存じ上げます。
気軽にアートに触れることができるPLATFORM13を通じて、お客様がアートと出会い、手にすることができる体験が身近になること、プロジェクターがアーティストにとって絵筆やキャンバスのように身近になることを願ってやみません。
(エプソン販売株式会社 VPMD部)

受賞した作家の皆さんおめでとうございます。今回が1回目のデジタルアート部門の公募という、前例が無い中で作品作成するということで色々な迷いがあったり、準備不足の作家も多かったのではないでしょうか。作品作成に当たる意図は良い内容の物でも、表現として、唐突な印象や私的すぎる印象を抱くものがありました。作品を客観的に見て、作家自身がどう感じるのか今一度確認し、今後の作品制作に生かすことを期待しています。
(磯谷香代子 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社CCCアートラボ ディレクター)

限られた制作期間、30秒〜1分程度の再生時間などの制約・制限がある中での制作であったことを考慮しても、概して際立った表現が見られなかったのは少々残念だった。身近な体験や私的な思いから外部や社会事象へ接続を試みる作品が多く見受けられ、やや唐突、あるいは内的なままに完結してしまったように感じるものの、身近な体験が異なる世界へと繋がる想像力を掻き立てるだろう。このたび新設されたデジタルアート部門の今後として、ぜひ学生達には、作品が他人の目に触れる状況を深く掘り下げて、リサーチと思索に基づく制作を行うことを期待したい。
(中村志保 エディター・ライター/元ARTnews JAPANエディトリアルディレクター)

受賞者の作品が一堂に会する「藝大アートプラザ・アートアワード受賞者展」は【1月27日(土)〜3月17日(日)】開催

https://artplaza.geidai.ac.jp/column/22308/

会期:2024年1月27日(土)〜3月17日(日)

営業時間:10:00〜18:00

定休日:月・火曜 
※祝日・振替休日の場合は翌営業日が休業
※1月29日(月)・30日(火)は営業、2月7日(水)・8日(木)は休業

入場料:無料

会場:藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)

公式Instagram:https://www.instagram.com/geidai_art_plaza
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