ようこそ、動物とアートの祭典へ!藝大動物園展2025(後期)の作家紹介

ライター
藝大アートプラザ編集部
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企画展情報 作品紹介

2024年3月23日(土)〜5月26日(日)にかけて開催される企画展「藝大動物園 Welcome to the art zoo!」。

本物以上にリアルな生き物や想像の世界にしか存在しない動物、はては生物なのか無生物なのかわからない存在まで……。そしてもちろん、人間だって動物であることを忘れてはいけません。

アートによる、アートにしかできない特別な「動物園」には、どのような作品が集まったのでしょうか。
藝大アートプラザに開園した「art zoo」について、作品の写真とともに出展作家をご紹介します。

※コメントは、Web担当による解説です。
※並びは展示風景のおおよその順路に従っています。
※写真にない作品もございます。ぜひ現地で全ての作品をご覧ください。

会期:2025年3月23日(日)13:00 〜5月25日(日)
※3/23は開店時間が通常と異なります
前期:2025年3月23日(日)〜4月20日(日)
後期:2025年4月26日(土)〜5月25日(日)

定休日:月曜日(祝日の場合は営業、翌火曜日が休業)
※5月5日・6日は営業、4月1日・2日、5月7日は休業

営業時間:10:00-18:00
※営業日時が変更になる場合がございます。最新情報は公式Webサイト・SNSをご確認ください

入場料:無料

会場:藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)

公式Instagram:@geidai_art_plaza
公式X(Twitter):@artplaza_geidai
公式Threads:@geidai_art_plaza

谷中 美佳子

東京藝大では日本画の保存修復を学び、絹や和紙に膠を用い、天然岩絵具や植物染料などを選び抜いて制作。自然や動植物、神獣を、淡く繊細な描写と幻想的な色彩で表現している。「死と生の循環」をテーマに、古今東西の天然素材を通して、人と生き物の痕跡を描き、遺したいと語る。画面に広がる緑色は鉱石・ダイオプテーズから自作した顔料によるもの。梅には紅花、桜には綿臙脂(コチニール)など、希少な色材の使い方にも注目したい。

太田 剛気 


これまで、架空の国家の歴史をテキストや絵画で表現し、創作歴史作家として活動してきた作者。本作では一転して、20世紀西洋絵画の再構築に取り組む。キュビズムからキース・ヘリングまでの要素を解体・分析し、アニメやゲームなど日本的な視覚文化と重ね合わせて再構成している。作者自身がハブとなり、ジャンルや時代をフラットにつなぐことで、複数の美術の文脈が交差する、パッチワーク的な作品世界が広がっている。

岩澤 慶典

ボスやアルチンボルドに着想を得て、動物と食べ物を組み合わせたユニークな絵画を描く。緻密な描写を追求する姿勢は、植物や食物の断面をモチーフにした試みから始まる。最新作の「パンダーランド」はユーモアあふれる空間に、見立てによって張り巡らされたモチーフがちりばめられ、絵の中を遊ぶように何度でも眺めたくなる。生活の中での気づきや、人との対話から得た着想を題材に、想像力をかき立てる作品を描き続けたいと語る。

内田 亘


ペンキを流し込むようにして、ゆるやかな描画を行うスタイルで絵画を制作。動物や日常の光景にユーモアと詩情を宿している。小さな単語帳に描きとめたドローイングで、絵柄のストックを作っているという。今作では、ペンキを油性から乾燥の早い水性に変えたことで独特な線描が生まれ、犬やダチョウの毛並みにも不思議な面白さが滲み出ている。

佐竹 広弥


メゾチント技法による銅版画を制作し、種子やつぼみ、植物を模した小さな生き物が生息する幻想的な世界を描き続けている。最新作「everyone’s field」は、銅板に直接線を彫るドライポイント技法で輪郭が描かれ、手彩色による一点ものとして制作。背景には点描が用いられ、メゾチントの粒子感のあるマチエールとも重なり、湿度を含んだ土の世界の質感が漂う。作者のスケッチブックから生まれた不思議な生き物たち。彼らと戯れるように作品世界を楽しみたい。

笹野井 もも


風景と人、イメージと身体、絵画と彫刻といった乖離した事象を、一つの作品の中で紡ぎ合わせ、詩情豊かな世界を創り出している。今作では物語をモチーフに、教会や古い建築の装飾を参考にしながら、日々の暮らしの中に置きたくなるような佇まいを意識して制作したという。彫刻は一般的に形を完成させてから彩色を行うが、作者は彫りの途中から絵の具を使い、色彩を造形の一部として取り込む。こうして、絵画的空間を内包した独自の彫刻表現が生み出されている。

野田 紘


ガラスのホットワーク技法を駆使して、生命の躍動感を表現する作品を制作。今作はタコをモチーフにし、故郷である新島で過ごした幼少期の海との深い関わりが反映されている。タコの持つ力強い生命力に魅了された作者は、その形態や動き、質感をガラスという素材を通して表現。ガラス片を組み合わせ、生命が躍動するような有機的な形状を作り出している。

野村 俊介


昆虫や甲殻類など、外骨格をもつ生き物をモチーフに陶芸作品を制作。特に力を入れている釉薬の研究では、独自の調合と焼成の組み合わせにより、多彩な色や質感を生み出している。「見る人を驚かせ、感動を与える作品を作りたい」と語る。花見を楽しむ蟹のリアルな造形と、現代的な釉薬のきらめきに注目したい。

福島 李子


自身の記憶や感覚を起点に、布や刺繍、解体されたぬいぐるみの表皮を使って作品を制作。柔らかな素材で作られた緩やかな輪郭は、独特の曖昧さを生み出している。今作は動物園における観客と動物の関係に着目。ぬいぐるみから切り取った目を裏側にして貼り付けることで、他者からの視線を可視化し、「見る・見られる」ことの力学やグロテスクさを表現。モチーフは作者自身の頭部、5年ほど飼育しているというセイブシシバナヘビ、そして枯れて半身がピンク色になったサボテンである。

瀬戸 優


自然科学を考察し、主に野生動物をモチーフにした実物大の彫刻作品を制作している。動物の生命感や躍動感の表現に重きを置き、粘土の表情や手の痕跡、絵の具のかけ流しによる偶然性が、作品に息遣いを与えている。焼成を伴うテラコッタにガラスの玉眼を組み合わせる手法は珍しく、リアルなまなざしは鑑賞者に強い印象を残す。「水源」というタイトルには、水が命を育む源であるというイメージと、生命力の湧き出るイメージが込められている。

会期:2025年3月23日(日)13:00 〜5月25日(日)
※3/23は開店時間が通常と異なります
前期:2025年3月23日(日)〜4月20日(日)
後期:2025年4月26日(土)〜5月25日(日)

定休日:月曜日(祝日の場合は営業、翌火曜日が休業)
※5月5日・6日は営業、4月1日・2日、5月7日は休業

営業時間:10:00-18:00
※営業日時が変更になる場合がございます。最新情報は公式Webサイト・SNSをご確認ください

入場料:無料

会場:藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)

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