上野で行くべき洋食店まとめ。歴史を知ればさらに美味!

ライター
木村悦子
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上野は、東京トップレベルの美食が集結する街。素敵なカフェやアジア料理など、さまざまな業態の飲食店が点在しています。ここでは、「洋食」に焦点を当てておすすめのお店をご紹介します。

上野と洋食の深い関係

近代日本の幕開けである1868年の明治維新を境に、西洋の文化とともに料理も取り入れられるようになりました。

とはいえ、当時の西洋料理は庶民には縁の遠い存在で、当時は一部の上流階級の人たちしか食べる機会はなかったそうです。そこで、街の料理人が食材や調理法を工夫し、西洋料理をベースとして、「洋食」を考案。日本ならではのカツレツやカレーライス(ライスカレー)、エビフライなどの料理が生まれ、明治末から大正にかけて一般の人々にも普及し、ご飯に合う料理として進化を続けました。

東京トップクラスの繁華街である浅草・上野エリアには、開港により西洋文化にいち早く触れた横浜から洋食がもたらされました。このエリアでは、職人好みの気軽な店が好まれる一方で、新しいもの好きの気質もあり、洋食店がよく好まれたそうです。

特に上野は、国策として外国人をもてなすための「築地精養軒」を前身とする「上野精養軒」ができ、古くから洋食店が繁盛しました。時を越えて令和の世に至るまで洋食は人々に愛され、今は、伝統を守る老舗から、新しいスタイルを取り入れたニューウェーブ系の店までが混在し、ユニークな洋食シーンをつくりだしています。

そんな魅力的な上野の洋食店を、新旧を織り交ぜご紹介します。

上野精養軒

都内の美術館や百貨店などでもレストランを展開する『上野精養軒』は、その名の通り、上野公園内の店が本店です。創業は明治5(1872)年と、古い歴史をもちます。

上野精養軒本店には、伝統的なフランス料理を提供するメインダイニングの「グリルフクシマ」と、昔ながらの洋食が味わえる「本店レストラン(洋食)」と、飲食店が2店あります。改まった会食や記念日にはグリルフクシマ、カジュアルな食事会には本店レストランなど、目的に応じて使い分けられます。

上野精養軒の看板メニューは、ドミグラスソースを使った「昔ながらのビーフシチュー」。本店レストランでいただけます。

昔ながらのビーフシチュー 2,580円(税込)

こちらのドミグラスソースは、野菜や鶏がら、牛すじなどを煮込んで漉して……と何度も繰り返し、7〜9日かけて完成する手の込んだ品です。このドミグラスソースをベースに、フランス料理に欠かせないさまざまなソースを作っています。

上野精養軒 INFORMATION

上野精養軒共通
東京都台東区上野公園4-58
休み:月曜
https://www.seiyoken.co.jp/

本店レストラン(洋食)
営業時間:11:00~17:00(ラストオーダー16:00) 土・日・祝11:00~18:00(ラストオーダー17:00)

グリルフクシマ
営業時間:11:00~15:00(ラストオーダー14:00)、17:00~21:00(ラストオーダー20:00) 土・日・祝11:00~16:00(ラストオーダー15:00)、17:00~21:00(ラストオーダー20:00) ※夜はご予約のみの営業

レストランじゅらく 上野駅前店

上野の山を背にして、「UENO3153(さいごうさん)」というガラス張りのビルが立っています。以前は、西郷会館(上野百貨店)という名物ビルでした。

2階に「レストラン聚楽台(じゅらくだい)」があり、ハンバーグやオムライス、ナポリタンなどの定番洋食メニューのほか、和食や中華、デザートなども取りそろえています。ファミリーレストランの元祖的な存在として、さまざまな世代に愛されていました。運営するのは、神田須田町で創業した「須田町食堂」をルーツとする聚楽グループ。洋食をはじめ、さまざまなレストランや居酒屋などを運営しています。

「レストラン聚楽台」は、西郷会館取り壊しに伴い、2008年閉業。アメ横の入口近くの路面店「レストランじゅらく 上野駅前店」は現在も営業中。聚楽98年の歴史が詰まったオムライスなどを提供しています。人気洋食メニューを盛り込んだ「大人のお子様ランチ」も人気です。

大人のお子様ランチ 1,980円(税込)

姉妹店の「酒亭じゅらく 上野店」(台東区上野6-11-6)では、レストラン聚楽台の名物の一つ「西郷丼」がいただけます。

レストランじゅらく 上野駅前店 INFORMATION

東京都台東区上野6-11-11
営業時間:11:30~21:00(ラストオーダー20:00)
休み:なし
https://juraku.com/rest/store/restaurant_juraku

上野洋食 遠山

名物ビル「西郷会館」が「UENO3153(さいごうさん)」として生まれ変わり、「上野の森さくらテラス」「バンブーガーデン」と並び、新たな商業エリアとしてにぎわっています。

さまざまな種類の飲食店が入店し、洋食では「上野の森さくらテラス」にある「上野洋食 遠山」に注目したい。フレンチ出身のシェフ、遠山忠芳さんは「上野といえば、老舗が多く特に洋食屋さんは名店がいくつもあります。その上野といえば洋食というイメージを大事にしつつ、自分らしいエッセンスを効かせた、新しい洋食の形を少しでも表現できればとの思いで仕事に励んでいます」とのこと。

大エビフライ&特選デミグラスソースハンバーグ 2,750円(税込)

そんな遠山シェフの故郷である熊本の天草ポークと国産牛を使った「特選デミグラスハンバーグ」ほか、モダンな洋食の数々が楽しみ。2時間飲み放題付コースなども提供しています。

上野洋食 遠山 INFORMATION

東京都台東区上野公園1-54 上野の森さくらテラス2F
営業時間:11:00〜16:00(フードラストオーダー15:00)、18:00〜23:00(フードラストオーダー22:00) 金・日・祝11:00〜16:00(フードラストオーダー15:00)、 16:00〜23:00(フードラストオーダー22:00)
休み:月曜
http://ueno-tooyama.jp/

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