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まだまだ世界観が爆発中!企画展「Met“y”averse ~メチャバース、それはあなたの世界~」後期

ライター
藝大アートプラザ編集部
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企画展レポート 企画展情報

好評開催中の企画展「Met“y”averse ~メチャバース、それはあなたの世界~」。

アーティストの頭の中に存在する、あるいはアーティストによって作り出される独自の世界観が一堂に会する企画展です。

12月3日(土)〜25日(日)は後期展示として17人のアーティストの作品を展示・販売しています。この記事では後期展示に出展されている作品の展示風景を、写真でご紹介します。

▼前期のレポートはこちら
独自の世界観が爆発!企画展「Met“y”averse ~メチャバース、それはあなたの世界~」前期

※コメントは、Web担当による解説です。
※並びは順不同です。
※写真にない作品もございます。ぜひ現地で全ての作品をご覧ください。

「自立しない彫刻」の思索

石川 直也さん
物事は言葉とともにあり、その言葉には境界が曖昧なことが多い。「言葉と言葉の境界にあるものこそ大切で、本質に少し近づけるような気がする」。立つことのできない人体彫刻「自立しない人」などをつくり続ける背景には「曖昧な境界」と「彫刻とはなにか」を探る、作家の深い思索がある。

経歴
1987  東京都生まれ
2012  東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻 修了
展示 
2014  第20回十日町石彫シンポジウム(新潟、十日町)
2015  石川直也展 -日常-(KANEKO ART TOKYO 東京)
2016  みつけること・またみつけること(藤沢市アートスペース 神奈川) 
    三越×藝大 夏の芸術祭(日本橋三越本店 東京)
2017 STONE -表現の原石-(FEI ART MUSEUM YOKOHAMA 神奈川)
2018 石川直也・稲田侑峰「けはいの景色」(スペースkujira 神奈川)
2019 「濾過と抽出」(MEDEL GALLERY SHU 東京)
    石川直也・笠原光咲子「うつりゆく静物」(Gallery Gigi 神奈川)
2022 個展「自立しない人」 (Gallery Pictor)
受賞 
2010 東京藝術大学卒業制作展 東京都知事賞/安宅賞
2018 大分アジア彫刻展 入選 石川 直也 Naoya Ishikawa

鋳金と3Dプリンターによる新しい造形

石川 将士さん
鋳造という原始的とも言える造形方法を研究する作者は、レシートの用紙に人体を描き、そのドローイングを立体に起こしている。「大量生産」もコンセプトの一つで、粘土で型をつくり、それを3Dプリンターで出力。鋳金と3Dプリンターを組み合わせた新しい造形を模索している。

経歴
1992 東京都生まれ
2015 東京藝術大学美術学部工芸科鋳金卒業
2017 東京藝術大学大学院美術研究科工芸専攻修了
東京藝術大学大学美術館 買上げ賞
東京藝術大学杜の会 杜賞
東京藝術大学共通工房 教育研究助手(〜2022)
2018 個展「主なき道具たち」
2020 個展「Topology」
​2022 個展「なんでもないもの」
現在 富山大学 学術研究部芸術文化学系 助教

「かわいい」に込められたアイロニー

内田 有さん
シロクマをキャラクター化した「cool it」シリーズでは、溶けたアイスキャンディーの形にすることによって、消えゆく環境保護の代名詞となったシロクマと、日本のポップカルチャーに通じる “かわいい” を融合した大量消費社会をコンセプトとしている。原型を粘土でつくり、型にガラスの粒を詰めて焼く手法で、現代社会に潜む矛盾とアイロニックな作品づくりを試みている。

経歴
1979 東京都生まれ
2007 東京藝術大学 美術学部 工芸学科 鋳金専攻 卒業
2009 University for the Creative Arts(イギリス)留学
2011 東京藝術大学院 美術研究科 工芸専攻 ガラス造形研究室 卒業
鉄腕アトム・ウルトラマン・タツノコプロ・チロルチョコ・
MILK BOY等とコラボレーション作を展開。
日本国内、アメリカ、ヨーロッパ、アジア圏も含め個展・
企画展・アートフェアに参加多数。

カーテンは「まぶた」、開閉は「瞬き」

内田 麗奈さん
洞窟壁画を思わせるベロア生地をカーテンのように設けることで、何もない壁の奥に「窓という夢」を生み出す絵画作品を制作している。カーテンは「まぶた」に、窓の開け閉めは「瞬き」に似ており、「外から光が差し込み、無限の景色が広がる点に、夢とのつながりがある」と語る。

経歴
1993 愛知県生まれ
2017 名古屋芸術大学美術学部美術学科洋画2コース 卒業
2017 第44回名古屋芸術大学卒業制作展 優秀賞
2017 名古屋芸術大学学生表彰 理事長賞
2019 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画第一研究室 卒業
2019  「SHIBUYA STILE vol.13」/ 西武渋谷画廊
2020 個展「クロマニヨンの夢」/ 西武渋谷店オルタナティブスペース​
2021 個展「クロマニヨンの夢」/ HIGURE 17-15 cas
2022  「ON PAPER」/ TAKU SOMETANI GALLERY
2022 個展「クロマニヨンの夢」/ TAKU SOMETANI GALLERY

ポップでかわいらしく、時に残酷

内田 亘さん
一見ポップでかわいらしい絵柄でありながら、おかしみだけでなく、時に残酷なテーマや状況を描き出している。タイトルによって作品の意味に気が付く仕掛けで、意味を知った前後で作品の印象は大きく変わる。ペンキを使用し、色を重ねるのではなく、色同士を隣り合わせることで生まれる境界線に注目。

経歴
2017 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程デザイン専攻 修了
2017 卒業・修了作品展デザインN賞
2018 ATRT FAIR TOKYO(東京国際フォーラム)
2021 初ドローイング集「COLORFUL」出版(PINHOLEBOOKS)
2022 Art Jungle 藝大動物園(藝大アートプラザ)
2022 Popup Exhibition「COLORFUL」(代官山蔦屋書店)
2022 内田亘内田恵二人展Don’t try to be positive.
 (ポジティブになろうとしないでください。)(Artglorieux)

作品に添えられた作者の言葉

大坂 秩加さん
ドイツやスイス、台湾でも個展を開いている作者。高度な版画技術を持ちながらも水彩や油彩作品も展開し、舞台美術から着想を得た、コミカルで親近感のある人物を描いている。作品にはさまざまな女性の日常にまつわる小説の一節とも誰かの日記の一部とも言えるような一文を添えている。

経歴
1984 東京都生まれ
2009 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
2011 東京藝術大学大学院美術研究科版画修士課程 修了
2009  「東京藝術大学卒業制作展」サロン・ド・プランタン賞 / O氏記念賞、
「第77回版画協会展」立山賞、「第34回全国大学版画展」買上賞、
「東京藝術大学俵賞展」俵賞
2010  「シェル美術賞展2010」島敦彦審査員賞
2013 「第4回アダチUKIYOE大賞」大賞
2014 「VOCA展2014」佳作賞
2019 「London Original Print Fair」Jerwood Printmaking Today賞
2020 「One Art Taipei2020」One Art賞

コロナ禍によって移行した主題

官野 良太さん
乾漆技法による人体彫刻を10年以上制作していた作者は、コロナ禍を機に主題を人の内面へと移行させた。現在制作するものは、美しい形態の模倣ではなく、光との調和によって生み出される幻想的な彫刻。自然現象を要素に加え、現象を解体し再構築する試みを追求している。

経歴
1988 横浜市生まれ
2012 安宅賞
2013 東京藝術大学大学院 修士課程 芸術学専攻 美術教育 修了
2013 第87回国展彫刻部 新人賞
2014 第88回国展彫刻部 国画賞
2021 いい芽ふくら芽inTokyo2021 オーディエンス賞
2022. 個展「pool」北京市

「犬と子の関係性に注目してほしい」

北郷 江さん
手びねりであえてテクスチャーを残した、暖かみのある作風が特徴。動物、生き物をモチーフとした陶芸作品を制作している。今回初めて我が子と飼い犬を題材に制作。「生まれや育ちの異なる3匹の犬、そして子との関係性に注目してほしい」。

経歴
1989 千葉県松戸市生まれ 東京都杉並区で育つ
2013 ワシントン州タコマコミュニティカレッジ留学(研究生)
2014 東京藝術大学 大学院美術研究科 工芸専攻 陶芸研究室 修了
主な展示
2015 個展「北郷 江 作陶展~どうぶつのいる街、林のむこう~ (東京/日本橋三越)
2019 とらや150周年記念展「千里起風」虎屋 虎オブジェ制作 (東京/虎屋赤坂店)
2019 個展「北郷江展〜やきものと読むおはなし〜」(京都/大雅堂)
2021 Mother nature 展 N&A artSITE (東京/中目黒)  他

循環する世界に消えていく愛おしいもの

小林 真理江さん
福岡伸一氏の著書『動的平衡』を読み、確証を得たという自身の感覚——「循環の世界の流れの中でやがては消えていくけれど愛おしいもの」が制作のテーマとなっている。色彩が特徴的なアクリル絵画と、色彩を生かしたオブジェとして国内では珍しいガラスモザイク、タイルモザイクの作品を手がける。

経歴
1983 茨城県生まれ  
2006 多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業  
2010 東京芸術大学大学院修士課程壁画研究室修了  
2010 三菱商事アートゲートプログラム 入選(三菱商事)以降5回入選  
2012 ALBION AWORDS2012 金賞受賞(株式会社アルビオン) 
2020 個展「小林真理江作品展 -心の庭-」(かさぎ画廊 鎌倉・横須賀/神奈川) 
2020 個展「小林真理江展-静けさと音楽と-」 (銀座三越/東京) 
2020 KOKOTTOトマトオブジェ、野菜椅子制作(矢吹町複合施設/福島)  
2021 「小林真理江絵画展-風と雲ー」(京成百貨店/茨城)
2022 「小林真理江展-環る世界-」(銀座三越/東京)
その他個展・グループ展など

ロマンチックでどこか泥臭いノスタルジー

重野 克明さん
ロマンチックでありつつ、どこか泥臭いノスタルジーを感じさせる作品。実際の生活、実際にあった場所、実際に見た風景をモチーフに、銅板や亜鉛版、アルミ板、塩ビ板にニードルなどで直接彫る技法で制作している。乾いた笑いのようなおかしみがある。

経歴
1975 千葉県生まれ
2003 東京藝術大学修士課程版画専攻修了後版画家として活動

人物の描き方とコミュニケーション

澁澤 星さん
人物は国籍を限定させないように描いているという画家のバックグラウンドには、幼少期を長崎で過ごし、オランダや中国などさまざま文化が混ざる場での経験がある。博士課程在学中にトルコとフランスに遊学。「人物を使った美術作品を通じたコミュニケーションに、面白さを覚えました」。

経歴
2010 東京藝術大学日本画専攻卒業 
サロン・ド・プランタン賞、台東区長賞、平山郁夫奨学金
2011 個展「澁澤星展」
2012 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程日本画専攻修了
2013 第7回秀桜基金留学賞
2016 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻
日本画研究領域修了 博士号(美術)取得
個展「澁澤星展」
2020 個展「Pensées 澁澤星展」
2022 個展「澁澤星展 ≒・≠」
パブリックコレクション:台東区、帝京大学、聖路加国際病院

山の中で養蜂をしながら

菅谷 杏樹さん
東京都西多摩郡檜原村で農業や養蜂、養蚕を実践しながら、植物や昆虫などの生きるものを主題に作品を発表している作者。今作は2016年から続く、養蜂をしながら制作をするという長期プロジェクトの中から生まれた作品の一つ。古代思想において豊穣の女神の使いだったミツバチと人との関係などを問う。

経歴
1992 東京生まれ
2014 Freiesjugendseminar Stuttgart 卒業
2018 現代芸術振興財団主催「CAF賞」入選
2022 東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了
2022 個展「Ambrosia」myheirloom/3331アーツ千代田/東京  
2022 芸術祭「化学と芸術の丘」戸定邸/松戸/千葉
2022 芸術祭「ひのはらアート2022」檜原村/東京
2022 個展「霧を縫う」art space kimura ASK?/京橋/東京

あなたと私の間に「誰か」がいる

瀬川 祐美子さん
リモートワークでは、自分が見ているのは画面越しの相手であり、その人のほんの一面に過ぎない。しかしそれは対面でも同じかもしれない。さすればあなたと私の間には「違う誰か」が存在しているのではないか。自分と誰かの写真をPC上で合成し、プリントした紙をキャンバスに転写して着彩することでその疑問を表現している。

経歴
1989 神奈川県生まれ
2014 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
2014 第32回 明日をひらく絵画 上野の森美術館大賞展 賞候補受賞
2016 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画技法材料研究室 修了
2016 第一回 佐藤一郎賞 受賞
2017 藤沢市アートスペース 「Artists in FAS」滞在制作・展示プロジェクト 選出
2019 令和元年度 ポーラ美術振興財団在外研修員としてドイツにて研修
2019-2020  ミュンスター美術大学 Guest student として在籍
2021 星野智幸 著 小説集 『植物忌』 装丁画制作

悲劇とは?喜劇とは?生きるとは?

ねがみくみこさん
人生の悲劇を戯画化し、喜劇に変える人生賛歌の作品を制作している作者。しかし、作品はただ奇をてらうだけのものではなく、私たちがふとした瞬間に感じる日常生活の「亀裂」を丁寧にすくい上げ、ユーモアの観点から「くだらなさ」や「意味のなさ」に人生を問うてもいる。

経歴
1982 生まれ
2006 東京藝術大学美術学部彫刻科 卒業
2006 第1回藝大アートプラザ大賞展(藝大アートプラザ)
2008 同大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻 修了
2009 スターだらけの(Gallery MoMo、東京)
2010 ザギンでシースーを(CASHI、東京)
2011 ロマンティックがとまらない(UnsealContemporary、東京)
2015 アトリエの末裔あるいは未来(東京藝術大学陳列館、上野桜木旧平櫛田中邸)
2018 木学 XYLOLOGY 起源と起点(上野桜木旧平櫛田中邸、東京)
2020 ものすごくくだらなくて、ありえないほど品がない(Gallery花影抄、東京)

情報が氾濫する現代への風刺

松尾 ほなみさん
作者はこれまで、糊で固めた漫画本から古来の神像や日本の怪談話にまつわるモチーフを掘り出す彫刻作品を制作してきた。物語がすでに「情報」として印字された漫画から、新たなモチーフを掘り出す作品群は、情報が氾濫する現代への風刺を伴った「現代の寓話」としての彫刻作品といえるかもしれない。今展では、生の木に彫刻した作品と、その制作のためのマケットを出品。

経歴
1990 千葉県生まれ
2014 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科 卒業
2016 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻 修了 
2018 新宿眼科画廊 個展「▶」再生
2019 訓子府レクリエーション公園作品設置
新宿眼科画廊 個展 テンペスト
KEAT 小砂環境芸術祭 参加
2020 新宿眼科画廊 スペースM 個展よみかえり
2021 THE POOL 広島 個展 変わり種

カスタマイズされた情報への違和感

三澤 萌寧さん
多くの情報があらかじめカスタマイズされており、個人にとって都合の良い情報だけが延々と流れ、目の前を覆っていくことへの違和感を、可愛らしいユニコーンとソフトクリームで表現している。ハートマークはSNS上の「いいね」を表す。

経歴
1996 千葉県出身
2022 東京藝術大学美術学部デザイン科卒業
2022 アッシュコンセプト株式会社  入社
2021 藝大アートプラザ大賞 入賞
2022 東京藝大アートフェス2022 アートルネッサンス賞(逆マスクピープル)
東京都知事賞(YOCA)
15thシヤチハタ ニュープロダクト デザイン コンペティション 
審査員賞 中村賞(めくり文様)

女性の裸体に服を着せる意味

みょうじなまえさん
女性の身体、性、アイデンティティと、その消費をめぐる問題をテーマに作家活動を行っている。今回の作品は、「消費材」と「美術作品」の価値の違いがテーマ。女性の身体を描いた名画の商品に、下着や衣装を描き加えている背景には、女性の裸体を女神として神聖化することへの画家の疑問がある。


経歴
1987 兵庫県生まれ
2019 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画入学
2022 同大学院退学
個展「Some Fairy Tales」開催
六甲ミーツアート芸術散歩2022 出展
SICF23 Exhibition部門 グランプリ受賞
CAF賞 2022 入選

出展作家と会期

前期(17名)
色川 美江/岩田 駿一/臼田 貴斗/オオシオヒロコ/郭 家伶/北爪 潤/後藤 夢乃/齋藤 詩織/佐々木 沙奈/たかすぎるな/田中 綾子/田村 幸帆/田村 正樹/林 奈緒子/早野 樹/福島 李子/山田 勇魚

後期(17名)
石川 直也/石川 将士/内田 有/内田 麗奈/内田 亘/大坂 秩加/官野 良太/北郷 江/小林 真理江/重野 克明/澁澤 星/菅谷 杏樹/瀬川 祐美子/ねがみくみこ/松尾 ほなみ/三澤 萌寧/みょうじなまえ

会期:2022年11月5日(土)- 12月25日(日)

前期:11月5日(土)- 11月27日(日)
後期:12月3日(土) – 12月25日(日) 

※月曜休(祝日の場合は翌火曜)
※11月28日(月)- 12月2日(金)は展示入れ替えのため休業

写真撮影: 今井裕治

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