藤森詔子「そこは荒野かユートピア」開催のおしらせ

ライター
藝大アートプラザ編集部
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おしらせ

2023年7月1日(土)より、藝大アートプラザにて藤森詔子「そこは荒野かユートピア」を開催いたします。藤森詔子は東京藝術大学大学院 美術研究科修士課程(絵画専攻 油画研究分野)を2013年に修了した現代美術アーティスト。今回は、横幅4mを超える大作「生きていることをあたりまえと思うな!」など、計5点の作品を展示予定です。この世界は荒野かユートピアか。現代社会における常識とは? 藤森詔子の世界観を会場にてお楽しみください。

展覧会ステイトメント

“当たり前”や”そういうものだ”と飲み込んでいる認識に対して、異なる視点から捉え直せば違うかもしれないという提案を様々なシーンに置き換えて表現している。

今私たちは自由か不自由か。幸せか不幸せか。平和か混沌か。誰までがWeで誰からがTheyなのか。何がイケてて何がダサいのか。例えばこれらの価値観は視点によって変わる。
祖父が出兵した戦争の後、学校で子どもたちは教科書に墨を塗った。父は小学校の写生会で川を茶色に描き、色覚障害を疑われ祖母が学校に呼び出された。先進国の物資的豊かさの裏には特定民族の強制労働や下請け工場の労働者への賃金未払いの問題がある。もしも敵が明確にできてしまったら、愛する家族を守るために夫は戦地で人を殺さなければいけないかもしれない。正しさもまた状況によって変わる。

個人が一生のうちに経験できる物事の範囲は限られている。しかし、色々な人の背景を想像することはできる。
何を選び何を捨てるかに明確な正解はない。もちろん私たちの共通認識や社会的規範や価値観は、社会環境の影響を受けて形成されているものではあるが、主観的な考え方でこの世界を荒野ともユートピアとも受け取ることはできるはずだ。

自分で考えて確かめる思考を放棄してはいけない。

藤森詔子「生きていることをあたりまえと思うな!」”Don’t take it for granted that we’ re alive!” (2022)

藤森詔子プロフィール

1986 北海道生まれ
2011 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
2013 東京芸術大学修士課程 美術研究科絵画専攻油画研究分野 修了

公式Webサイト

会期

2023年7月1日(土)-7月23日(日)
定休日:月・火休み

会場

藝大アートプラザ
(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)

※期間中は、同空間にて企画展「藝大神話ーGEISHIN」も開催予定です。ぜひご覧ください。
 

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