東京「鶯谷」地名の由来は?かつては◯◯◯◯の名所だった!

ライター
あきみず
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土地の名前には歴史が隠されているもの。テレビでもいろいろな名前の由来を紹介する番組がとても人気になっていますね。

藝大のある東京・上野の付近にも、普段何気なく口にしているけれど、そういえばどんな由来があるんだろう? と気になる地名がいくつかあります。
そのうちの1つが、鶯谷(うぐいすだに)。

ウグイスの谷、ってなんだ?

駅名や学校名にもなっている「鶯谷」。東京都台東区の北西部に位置し、JRの山手線と京浜東北線が乗り入れている、上野公園の裏玄関です。藝大への行き方を調べるときにも、上野駅か鶯谷駅か、なんて、特に疑問を感じることもなくその名前を呼んでいるのではないでしょうか。

でも、よくよく考えると、「うぐいすだに」ってとても不思議な名前。由来はいったい何なのでしょう?

かつてはウグイスの名所だった!

現在ではその面影をしのぶことはできないのですが、かつてこの付近はウグイスの名所でした。
霊梅院付近の谷にウグイスが棲んでいたから、「ウグイス」の「谷」となったのだそう。

江戸時代から多くの文化人が居を構えた地域でもあり、正岡子規もここから名作を世に送り出しました。

ちなみに……

余談になりますが、鶯谷を「おうこく」と読むと、まだ世の中に知られておらず、出世していない、という意味になります。

芸術家のタマゴたちが力を蓄える場所の近くにある地名、なんだか意味深長です。
どうかここから羽ばたいていく学生たちが「鶯遷(おうせん)」、谷間の巣から大木に移ったとき、心のままに自由に翔け回ることができますよう。

参考文献:
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
・『日本国語大辞典』小学館
・『デジタル大辞泉』小学館

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