犬がモチーフの世界のアート78作品を一挙紹介!【誰でもミュージアム】

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藝大アートプラザ編集部
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もしも、どこの美術館でも自由に借りられて、展示できる企画展をするならば……。散歩中のわんこを見かけては(飼い主さんの許可の元)モフらせてもらうほどの犬好きの私は、思わずモフり倒したくなるような犬をモチーフにした美術品を集めてみました!

ルーカス・クラナッハ (父)  1472~1553

ルネサンス期ドイツの画家です。この時期のヨーロッパの画家は主に宗教画を描いているんですが、宗教画にはよく犬が出て来ます。その中でも特にカワイイわんこを描いているのが、ルーカス・クラナッハ (父) です。

『ダビデ王とアビガイル』 出展:メトロポリタン美術館

ごらんください! 真剣な表情でなにやら話し合っている男女。そんな緊迫した空気など一切読まずに女性の膝に手を乗せて「だっこ! だっこ!」とせがむようなこの表情! 絶対犬好きですよこの画家!!

ちなみにダビデ王は旧約聖書に登場するイスラエルの王様。アビガイルはその妻です。

ヘンドリック・ホルツィウス 1558~1617

オランダの画家で、肉体描写はミケランジェロの影響を受けているそうです。

『フレデリック・デ・フリース』 出展:メトロポリタン美術館
フレデリック・デ・フリースという少年の肖像画ですが……わんこの描写も素晴らしい! スパニエル種は狩猟犬でもありますのでこの子は裕福な貴族の子なんでしょう。たいていのわんこは上に乗られる事を嫌がるものですが、この落ち着いた表情! 少年とわんこの信頼関係が見て取れますね!

ヤーコブ・ヨルダーンス  1593~1678

バロック期の画家です。ルーベンスの影響を受けていて、人物画や宗教画・神話モチーフを中心に描いています。

そんなヤーコブさんが書いた激カワわんこがこちら。

『座る犬』 出展:アムステルダム美術館

あーーーーー!! うちのわんこがイタズラして叱られてる時の顔とポーズぅううううう!!

ヴェンツェスラウス・ホラー  1607~1677

遊牧民の画家で、主にイギリスで活動しました。主に出版物の挿絵を描いています。緻密な線画で描かれたわんこがこちら。

『6匹の猟犬』 出展:メトロポリタン美術館

『11匹の猟犬』 出展:メトロポリタン美術館

なんかもう、撫でたら肌触りが感じられそうなスケッチ!! そして私イチオシの絵がこちら。

『女狩人ディアナ座像』 出展:メトロポリタン美術館

ローマ神話の狩りを司る女神ですが……この鼻と鼻でお話している仲良しわんこ!! 「ふんふん」「ふがふが」って声が聞こえそうじゃないですか?

ステファノ・デラ・ベラ  1610~1664

イタリアの版画家。コピー機などない時代、複製は版画を彫って作られるのですが、彼はレオナルド・ダ・ヴィンチの写本を正確に印刷した技術が評価されました。

『ケパロスとプロクリス』 出展:メトロポリタン美術館

ギリシャ神話に登場する夫婦。妻のプロクリスが連れているのは、狩りの女神アルテミスから授かった猟犬です。指をクンクン嗅ぐしぐさ……カワイイ。

『ユピテルとカリスト』 出展:メトロポリタン美術館

ユピテルはローマ神話の主神、カリストは女性型の精霊です。ユピテルは狩りの女神ディアナの姿に化けてカリストと愛し合うという、ちょっと倒錯的なエピソードを題材にしています。

が、ここで注目すべきはやはりわんこ。狩りの女神に化けているので猟犬を連れているのですが……。この我関せずで道草食ってるしぐさ!! まさにお散歩中にママの井戸端会議が始まったわんこですよ!

『アクタイオーン』 出展:メトロポリタン美術館

アクタイオーンはギリシャ神話の猟師です。狩り女神アルテミスたちの入浴シーンをうっかり見てしまいました。怒ったアルテミスは彼の猟犬を神の力で狂わせて、けしかけます。

右側のわんこに注目。態勢を低くしてとびかかろうとしつつも、尻尾を後足にしまっています。女神の力で操られつつも、ご主人を襲ってしまうことに戸惑っているような、そんな感じがします。

カレル・デュジャルダン 1626~1678

オランダの画家で、主にイタリアの農民や家畜のいる風景を描いています。

『飼い犬に話しかける女性羊飼い』 出展:シカゴ美術館

まず、題材が良い。すごく良い。ちょこんと座ってご主人の話に耳を傾けるわんこ。……ずっと見ていられる。

ヤン・ヴァン・エッセン 1640~1684

バロック期の風景画家。

『眠る犬』 出展:アムステルダム国立美術館

はい! おねむわんこ! 上下する腹や息遣いまで見えそうです! 線が太くてちょっとマンガチックなのも良い。

『立つ犬』 出展:アムステルダム国立美術館

サル―キーでしょうか。まっすぐにこちらを見つめる丸い目が可愛すぎる……!

西川祐信 1671~1750

ここで日本の画家が参戦しました!! 江戸中心の浮世絵文化ですが、西川祐信は京都で活躍した浮世絵師。古典の知識を当世風に表現する理知的な作風で知られています。そんな彼が描いたわんこが……こちら!

『犬と遊ぶ遊女と禿』 出展:メトロポリタン美術館

子犬かな!? 赤い首輪と紐がオシャレ!! あまりに日本犬では見ない短毛種ですが、くるんと上向きのしっぽが日本犬っぽさもありますが……。

実はこれ、『源氏物語』のワンシーンのオマージュです。猫が御簾から出てきた時、首の紐が引っかかって、御簾が引っ張られ、庭で蹴鞠をしていた柏木から女三宮の姿が見えてしまう、というもの。さしずめ、この絵を見ている鑑賞者が柏木といったところでしょうか。

ディルク・フォルケンブルグ 1675~1721

オランダの画家で、風景画や鳥の絵、静物画で知られています。そんな彼が書いたわんこはなんともユニーク。

『岩の上で排尿する犬』 出展:シカゴ美術館

なぜ、なぜこのシーンをチョイスしたんでしょう。

ウィリアム・ホガース 1697~1764

ロココ美術全盛期のイギリスの画家。庶民に人気のある画家だったそうです。

『前』『後』 出展:メトロポリタン美術館

何かの風刺画でしょうか。大暴れする女性と止めようとする男性。落ち着いた女性をなだめる男性。夫婦喧嘩の「前」と「後」でしょうか。

ここはわんこミュージアムなので、注目すべきは、やはりわんこ。

わんこの前で大声出して騒ぐ機会はそうそうないとは思いますが、こういう時のわんこって「遊んでるの? 僕も仲間にいれて!」って感じで一緒になって騒ぐんですよね。んで喧嘩が終わるとスンとそっぽ向く。ああ! すごくわんこっぽい仕草じゃないですか!?

ジャン・ダウレ 1703~1763

フランスの彫刻家で、主に肖像画を手掛けていました。日本ではあまり有名ではないですが、18世紀のフランスを代表する芸術家です。

『牛乳を飲む』 出展:メトロポリタン美術館

ものすごい目力と、キュッと引き締まったおしりを持つ赤ちゃん……いやもう「赤さん」ですが、やはりこのわんこに注目してください!

赤さんたちに交じって後足で立って牛乳を狙うしぐさ……! 胸からお腹にかけてのS字の曲線。完璧です……! 完璧な小型犬です!!

コルネリス・プルース・ヴァン・アムステル 1706~1768

オランダのアートコレクター兼、印刷会社経営者。かつ自身も絵を描いていたという、スーパークリエイターです。

そんなビジネス臭がプンプンする彼が書いたわんこがこちら。

『眠る犬』 出展:メトロポリタン美術館

い、癒されるぅ~~~~~! 絶対悪い人じゃないよ、この人! (犬好きは犬好きの人にチョロい)

フランツ・アントン・バステッリ 1723~1763

ドイツの彫刻家で、ニンフェンブルク磁器製造所で原型師をしていました。製造所へ入社したのは比較的遅かったのですが、約150の原型を作り、トップモデラーとなりました。

そんな彼が磁器で作ったわんこがこちら。

『犬』 出展:アムステルダム美術館

て、て、天才じゃぁあああああああ!! なにこの生きているかのような躍動感……! これ欲しい!!

鈴木春信 1724~1770

和樂webでもイチオシの絵師、鈴木春信。浮世絵文化のパイオニア!

彼の説明は、過去記事に丸投げしまして……彼の書いたわんこをチェックですよ!

『雪犬を作る』 出展:シカゴ美術館

雪だるまならぬ、雪犬! あえて生き物としての犬を描かず、マスコット化した犬を描く……なるほど!

『犬と遊ぶ遊女と2人の禿』 出展:シカゴ美術館

この、片足を挙げた「お手」のポーズ! 実は、わんこにとって、自分より位が高い存在に対する信頼のポーズなのですが、遊女と禿がわんこにとって安心できる人たちなのですね……! わんこに幸あれ……!

『犬と歩く男』 出展:ニューヨーク公立図書館デジタルコレクション

振り返る男性を見つめるわんこ……。飼い主さん大好きじゃないですか……!

『犬と遊ぶ遊女』 出展:ニューヨーク公立図書館デジタルコレクション

そういえば、この時代の日本わんこ、首輪に鈴がついてるんですね。現代だと首輪に鈴は猫のイメージですが、わんこにつけてもカワイイですね。

ヨハン・ゴットリープ・キルヒナー 1726~1798

現代でも有名なドイツのマイセン磁器。その職人でした。

その彼が作ったわんこがこちらです。

『ボロニーズ』 出展:メトロポリタン美術館

ボロニーズとはわんこの犬種なんですけど、実際はふわもこわんこなんですよね。ということは……これ、多分水たまりで思いっきり遊んだ後ですね。飼い主の悲鳴が聞こえてくるようです。

円山応挙 1733~1795

わんこの絵と言えば、彼は外せません!! 彼については過去記事をどうぞ!
すべては円山応挙からはじまった! 京都で「円山・四条派」の系譜を概観せよっ! 

『朝顔狗子図杉戸』 東京国立博物館蔵 出典:ColBase

円山応挙『狗子之図』 出展:東京富士美術館

安定の可愛さ……! ありがとうございます!!

ピエール・レル 1741~1810

フランスの画家で、主に宗教画をテーマに描いていました。

『階段の上の母子』 出展:メトロポリタン美術館

母子が安全に階段から降りられるか、見守るわんこ……良い。とても良い。

長沢芦雪 1754~1799

日本が誇るわんこ絵師の1人、長沢芦雪! 横座りする白いワンコの絵が有名ですが、ここにも別バージョンの横座りわんこが……!

長沢芦雪『薔薇蝶狗子図』 愛知県美術館

虎毛の横座り!!

中村芳中 ~1819

ゆるキャラ系わんこ絵師といえば、仙厓が有名ですが、私は芳中も推しますね!

『3匹の子犬』 出展:シカゴ美術館

ぬいぐるみで欲しい……。

トマス・ローランドソン 1756~1827

イングランドの風刺画家です。彼は隙あらば犬を描く画家で有名でした。枚挙に暇がないので、一部を紹介。

『フットマンへの道順』 出展:メトロポリタン美術館

『夕食時』 出展:メトロポリタン美術館

『ワイルドなアイルランド人』 出展:ニューヨーク公立図書館デジタルコレクション

犬好き画家描く犬の絵って、ただ正面を向いてだけのワンコではなく、横向いていたり、後ろ向いていたりと自由に動き回っている感じがします。

ピエール=ポール・プリュードン 1758~1823

フランスの画家で、神話や寓話をモチーフにした絵を描きました。

『子供と犬』 出展:シカゴ美術館

見てください! この神々しさ!! 自分をだっこするお子さんをじっと見つめるわんこ……! ぼっちゃんのこと大好きなんですね(感涙)。

葛飾北斎 1760~1848

日本が世界に誇る天才絵師が描くわんこ!!

『女性と犬』 出展:ニューヨーク公立図書館デジタルコレクション

素朴な感じ!! 後ろに向かって吠えているということは、誰かがいるんでしょうか。見えていない部分へ想像が膨らみますね。

ジョージ・モーランド 1763~1804

イギリスの画家で、動物の絵に定評があります。

『牧羊犬』 出展:シカゴ美術館

ちょっとマンガちっくな牧羊犬! かわいい! モフりたい!

『ボールで遊ぶ子どもと犬』 出展:シカゴ美術館

ああ……遊ぶ子供を守るかのように侍る犬わんこ……良い。

アントニー・バン・デン・ボッシュ 1763~1838

オランダの画家ですが、ちょっと詳細はわかりませんでした。でも良いわんこを描くんですよ……。

『横臥する犬』 出展:アムステルダム国立美術館

『おすわりする犬』 出展:アムステルダム国立美術館

このちょっと毛並みがゴワってそうな感じ……サラサラだったりフワモコじゃなくて、あざとく可愛さを狙っていないあたりが「そこら辺の犬」「うちの犬」「近所の犬」っぽさがあって良い……。

ワウテル・ヨハネス・ファン・トロストヴァイク 1782~1810

オランダの画家で、風景画を中心として描いています。ですが……。

『寝ている犬の顔』 出展:アムステルダム国立美術館

『風車を背景に眠る犬』 出展:アムステルダム国立美術館

ワンコの絵はおねむのワンコばかり描いている!! そして極めつけはこちら。

『眠れる森の犬』 出展:アムステルダム国立美術館

なんですかそのタイトルは!! キスですか! キスすればいいんですか!!?

ヨハン・クリスティアン・ラインハルト 1791~1848

ドイツ古典主義の風景画家の代表的な人物ですが……。

『休んでいる2匹の犬』 出展:シカゴ美術館

『犬の寝床』 出展:シカゴ美術館

この寝ながら目だけこちらを見ている表情~~~~~~~!!

風景画家って寝ているわんこが好きなんですか!? たしかに寝ているわんこがいる風景は絵になりますね!!

渓斎英泉 1791~1848

主に美人画や春画で有名な絵師です。が……。

『浮世絵』 出展:メトロポリタン美術館

じゃれあっている子犬を見て「かわいいい~~~」って言ってるお前が可愛い!! と言わんばかりの絵。しかしじゃれあっている子犬も確かに可愛すぎる……!

岳亭春信 1786~1868

かの葛飾北斎のお弟子さん!

『御堂関白殿の犬』1825年 出展:メトロポリタン美術館

御堂関白(みどうかんぱく)とは、藤原氏の最盛期を築いた藤原道長(ふじわらの みちなが)のあだ名です。鎌倉前期に成立した説話集『宇治拾遺物語(うじ しゅうい ものがたり)』には『御堂関白殿の御犬』という話があります。

道長さんは可愛がっていたわんこがいました。お散歩する時にいつもそばに寄り添っていてお供しています。ある日わんこは道長さんの袖をクイクイっと引っ張って外出を止めて、怨霊から守ったという話です。

この話を踏まえて白いワンコを見ると、とてもキリっとしていて、頼りになりそうです。そして良いお尻をしてますね。

ヤン・アダム・クルーセマン 1804~1862

オランダの画家で、主に肖像画を描いていました。

『アリダ・クリスティーナ・アシンクの肖像』 出展:アムステルダム美術館

アンニュイな表情でポーズを取るご婦人……を「何してんの?」って表情で見上げるわんこ……! 良すぎる……!

オノレ・ドーミエ 1808~1879

フランスの画家で、主に風刺画を描いていました。油絵も描いていて、ゴッホなどの後世の画家に影響を与えています。

『えっ! カブロさん来ないんですか?』出典:メトロポリタン美術館

ちょこんとおすわりするワンコが可愛い!!

ジョバンニ・マリア・ベンゾーニ 1809~1873

イタリアの彫刻家です。

『「忠実」に守られた「無垢」』 出展:メトロポリタン美術館

はわわわわ! おねむでコックリコックリ船を漕ぐ無垢なる幼児を、「あわわっ大丈夫? 落ちちゃうよ? ベッドでねんねしよ?」とよりそう忠実なわんこ……! 私の家が豪邸だったら、リビングに置きたいわ……。暖炉の横とかに。

ヨハネス・タヴェンラート 1809~1881

オランダの画家で、30歳から画家を目指しました。彼の作品は当時批判を受けていたそうですが、彼自身が裕福だったためあまり気にしてなかったそうです。多くの風景がや人や動物のスケッチが残されています。その中にはもちろんわんこも!

『鳥をくわえた狩猟犬』 出展:アムステルダム国立美術館

『鎖に繋がれた犬と死んだ兎』 出展:アムステルダム国立美術館

『足を伸ばして横臥する犬』 出展:アムステルダム国立美術館

なんだか、のびのびと自由に楽しんで描いていることが伝わりますね。

ギヨーム・アン・バン・デル・ブルッヘン 1811~1891

オランダの画家で、彼もまた多くのわんこを描いていますが、その中でも注目したい作品がこちら。

『椅子に座る犬』 出展:アムステルダム国立美術館

……いや、あの、わんこ怖がってますよね? 早く! 早く降ろしてあげて!

フラン・ルブレ 1820~1909

オランダの画家で、主に羊の絵をたくさん描いていました。わんこ好きというより羊好きかもしれません。でもやはり羊の飼育には牧羊犬はつきもの! というわけで、わんこの絵も描いてます。

『眠る猟犬』 出展:アムステルダム国立美術館

『横臥する猟犬』 出展:アムステルダム国立美術館

シャルル・メリヨン 1821~1868

多くのわんこ作品を美術館のサイトを眺めて探していましたが……見つけてしまいましたよ、神を……!

その神の絵とは、フランスの風景画家……シャルル・メリヨンのサラッと書かれたデッサン。

『ニューホランドの犬の頭』1860年 出展:メトロポリタン美術館

閉じた目に長いまつ毛……横顔に漂う妖艶な美女を思わせる色気……! 漫画の神様手塚治虫の描く動物に勝るとも劣らない表現ですよ……!

ピエール=ルイ・ピアソン 1822~1913

19世紀に入ると、新しい表現技術に「写真」が登場しました。そして多くの写真家がわんこの姿をカメラに収めています。
ピエール=ルイ・ピアソンはナポレオン3世がお気に入りだった写真家です。

『犬』1860年 出展:メトロポリタン美術館

見てくださいよ、ご婦人とわんこの「あ~もう疲れた~」みたいな表情……! ビシッと決めた記念写真撮ろうとしたら、わんこが飽きちゃって適当な抱き方になっちゃうの、写真あるある!

サミュエル・ヨハネス・デ・ヴレッター 1823~1872

オランダの建築家です。

『犬を連れた読書家』 出展:アムステルダム国立美術館

この!! 膝に顎を乗せる仕草ぁああああ!!

アルベール=エルネスト・カリエ=ベルーズ 1824~1887

フランスの彫刻家

『マルチーズのミュゼット』 出展:メトロポリタン美術館

マルチーズ犬のミュゼットちゃん。誰かの飼い犬を彫刻にしたものですね。200年も前に誰かに愛されたわんこの姿が美術館に……と思うとこみ上げて来るものが……!

二代目 歌川広重 1826~1887

江戸末期の浮世絵師。この時代になると外国人の姿が浮世絵に登場してきます。そしてその飼い犬も……。

『五ヶ国人物図絵 英国婦人・唐狗・ラシャメン』 出展:シカゴ美術館

……どうしたその髪……! 英国のご婦人らしいですが、私の知っている英国婦人と違う……。風神のようなご婦人は置いといて、この首の長いわんこ!

洋犬っぽいですが、題名からすると中国の猟犬っぽいです。でも、中国にこんなスラリとした犬いたかな……。なんにせよ、このジトっとした流し目の不機嫌っぽさが良いですね。

ジョン・ウェットン・エニンガー 1827~1869

アメリカの画家です。主に人物画や風景画を描いています。

『ウィリアム・クーパーの詩「ジョン・ギルピンの流転の歴史」より ジョン・ギルピン夫妻が結婚の誓いを新たに誓う』 出展:メトロポリタン美術館

やっぱり、風景画家は寝ているわんこを描きがち!?

『ウィリアム・クーパーの詩「ジョン・ギルピンの流転の歴史」より ジョン・ギルピン、馬に乗ってロンドンに戻る』 出展:メトロポリタン美術館

起きているわんこも、この躍動感! 素晴らしい!

コンラディン・クネウス 1827~1895

ベルギーの画家で、犬の絵で有名です! 隙あらば犬ばかり描いていますが、その中でも胸キュンわんこがこちら!

『犬小屋の2匹の犬』 出展:アムステルダム国立美術館

大型犬と小型犬の仲良しさん!! 鉄板の可愛さ!!

ヨハン・ミヒャエル・シュミット・クランス 1830~1907

オランダの画家で、風俗や歴史に関する絵を描いていました。

『犬を飼うことについての部屋の嘆願書に関する漫画』 出展:アムステルダム国立美術館

痛烈な風刺画です。外国では人間を犬に例えるのは侮辱だと言われていますが、犬好きの日本人の感覚だと、ただただ、わんこが可愛い……。

マリー・ブランシュ・ヘネル・フルニエ 1831~1906

フランスのアーティストで、写真のコラージュを手掛けていました。

『マダムBアルバム』 出展:シカゴ美術館

可愛い……うちのわんこの写真も、こんな風に飾りたい!!

ウィンスロー・ホーマー 1836~1910

19世紀のアメリカを代表する画家です。身の回りにある生活や風景を描いていました。

『イーグルヘッド、マンチェスター、マサチューセッツ』 出展:メトロポリタン美術館

写真のような一瞬を切り取った感じ、良いですね。このへっぴり腰のわんこ、わかります。この女性がスカートを絞って出て来た水の量、ジャバーっていう音にビビってるんですよね、わかります。

楊洲周延 1838~1912

江戸末期~明治にかけて活躍した浮世絵師で、美人画を得意としました。

『千代田の大奥』 出展:メトロポリタン美術館

『千代田の大奥』 出展:メトロポリタン美術館

大奥でチンを飼っていたんですかね! ふさふさでブラッシングも行き届いてそうです。のびのびと自由に可愛がられている感じが良い。

オディロン・ルドン 1840~1916

フランスの画家で、幻想的な世界観を描きました。そんな彼が書いたわんこがこちら。

『彼はとても奇妙な表情で私に目を向けた』 出展:メトロポリタン美術館

あ!!! イタズラしたんでしょ!! なにしたの!?

川端玉章 1842~1913

日本画家を代表する人物。近代日本美術の父と言っていいのでは!? そんな方が書いたわんこがこちら!

『2匹の子犬』 出展:メトロポリタン美術館

ゆるわんこと、しっかりわんこの共演……! まさに日本を代表するわんこの作風いいとこどり!!

オットマール・アンシュッツ 1846~1907

ドイツの写真家で、動物の写真を撮るために、シャッターの速度を調節できるカメラを発明して特許を取った人です。一体どんなわんこの写真を撮ったかと言うと……。

『ウサギ小屋に向かって吠える犬』 出展:アムステルダム国立美術館 

おお! ハッキリクッキリ映ってますね! 吠える声が聞こえて来そう! 

ヘオルヘ・ヘンドリック・ブレイトネル 1857~1923

オランダの画家で、かなりの才能の持ち主。美術学校を退学になっても、すでに画家として有名で、仕事に困らなかったそうです。

近代の実力派有名人ともなると、ちょっとした手紙やメモ、落書きなんかも残されてしまうのが世の常で……。

『メモ(犬含む)』 出展:アムステルダム国立美術館 

ゆる……!! ゆるカワイイ……!! ちょっとキャラクター化して欲しい。

ウィレム・ウィッセン 1860~1923

オランダの画家兼写真家。穏やかな都市や田園風景、芸術家の肖像画を手掛けていました。

『犬のフィーバスの肖像』 出展:アムステルダム国立美術館 

わんこの肖像画! フィーバスくん!! 前のマルチーズのミュゼットくんといい、わんこの名前と姿が残ってるって良いですね……。

ジョルジュ・ガルデ 1863~1939

フランスの彫刻家で、動物愛好家としても有名でした。

『番犬』 出展:アムステルダム国立美術館() 

さすが! 動物好きの彫刻家……! まるで生きているかのような番犬です。……ドアのところに欲しいな……。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 1864~1901

フランスの画家で、浮世絵収集家。代表作は『ル・ディヴァン・ジャポネ』。

『犬とオウム』 出展:シカゴ美術館

このラフ画でもわかるわんこのモフモフ具合と、可愛さ!! よく見たら奥の海辺にもわんこがいますね!

ジュリー・ド・グラーグ 1877~1923

オランダの画家で、動物をモチーフにしたグラフィックデザインをしました。

『犬の頭』 出展:アムステルダム国立美術館 

きゃ、キャワイイ!! この絵柄のグッズが欲しい!!

小原古邨 1877~1945

日本画家で、浮世絵の下絵師でもありました。作品数も多く、世界各国の美術館に収蔵されています。

『子犬』 出展:アムステルダム国立美術館 

このふわもこ+骨太な感じ!!

『遊ぶ2匹の子犬』 出展:アムステルダム国立美術館 

マンガチックにびっくりしたわんこ、近現代の画家って感じですね!

ギスベルトゥス・ヨハンズ・ファン・オフェルビーク 1882~1947

オランダのイラストレーター。主に港や町の風景を描き、特に馬車や馬の絵で知られています。

『2匹の子犬を連れた犬』 出展:アムステルダム国立美術館 

あああ~、いたずら子犬に手を焼くお母さん犬!!

ディック・ケット 1902~1925

オランダの画家で、主に静物画や自画像を描いていました。画風はキュビズムっぽさがあります。

『犬のセースの肖像画』 出展:アムステルダム国立美術館 

そんな彼が描いた、ジャーマンシェパードのセースくんの肖像画……!! 愛を感じる……。

いろんな国、いろんな時代で愛された、いろんなわんこたち

こうしてみると、世界中でわんこは愛されているのですね! 姿はもちろん、名前まで残っているわんこもいます。 そしてどのわんこも「うちの子もこういう表情やしぐさをする!!」というものばかり。やっぱり愛犬家がわんこに対して思う事は、どんな国でもどんな時代も一緒なんですね。

世界のわんこよ、幸あれ……そして永遠なれ……。

本記事は「和樂web」の転載です

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