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作者不明だけどわんこ愛がすごいぞ!犬がモチーフのアート作品【誰でもミュージアム】

ライター
藝大アートプラザ編集部
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以前、誰でもミュージアムでわんわんパラダイスを企画しましたが、そちらでは有名な画家の作品を展示しました。
犬がモチーフの世界のアート78作品を一挙紹介!【誰でもミュージアム】

しかし人間とわんこの歴史は有史以前からあり、芸術の歴史もまた然り。

世界には作者不明のわんこをモチーフにした芸術品も、多数存在します。それらを年代別に紹介しましょう!

古代の犬

犬は最も古くに家畜化された動物で、約3万5千年前のシリアにあるネアンデルタール人の住居の遺跡に、イヌ科の動物の下あごが発見されています。ハッキリと犬のものと解る骨でも、ウクライナの約3万年前の遺跡から発見されました。

それだけ古くから人と共に歩んできた犬は、古代から芸術作品のモチーフにもなっていました。

マスティフ 紀元前20世紀 出展:メトロポリタン美術館

世界最古の文明はメソポタミア文明。その最も発展した都市バビロニアから出土した粘土の彫刻です。たるんだシワや筋肉のつき方、開いた口の様子……とても写実的で、4000年も前にこれだけの技能を持った芸術家がいたことが驚きますね。ポーズがちょっと狛犬っぽい。

エジプトの犬と猫のフィギュア 紀元前1961年~1917年 出展:メトロポリタン美術館

こちらはエジプト中王国時代の出土品です。エジプト文明って猫派なイメージがあり、猫の造形は流石のクオリティですが、犬もカワイイ……。

アッシリアの犬 紀元前9~8世紀 出展:メトロポリタン美術館

アッシリアもメソポタミア文明の流れを組む国で、現在のイラク北部にありました。

単純なようでいて、脚の関節がしっかりわんこのものです。ピンと立った耳やクルンと上向きのしっぽが日本犬に通じるものを感じます。

アテネの貯蔵壺 紀元前510~500年頃 出展:シカゴ美術館

古代ギリシャの都市、アテネの壺に描かれたわんこ。スラっとしたスマートなわんこです。

古代ローマの犬型ブローチ 2世紀 出展:メトロポリタン美術館

こちらは古代ローマのブローチ。動物型のブローチは兵士も平民もみんなつける一般的なアクセサリーだったようです。それにしてもこのブローチ、現代でも売ってそう!

『埴輪犬(伝茨城県東海村外宿出土)』 奈良国立博物館 6~7世紀 出典:ColBase

日本の古代犬も参加です! 日本犬ってズングリムックリなイメージがありましたが、スラっとマズルも足の長いわんこもいたのでしょうか。しっぽがクルンと上向きに巻いているのは日本犬の特徴ですね。

中国の犬 7~8世紀 出展:メトロポリタン美術館

こちらはスラリとしたわんこ。上向きのしっぽが日本犬との繋がりを感じますね。

『骨を齧る犬の形の容器』 700年~1000年 出展:シカゴ美術館

インカ帝国より前に存在した南米の帝国「ティワナク」の遺跡から発見されたポットらしき容器です。……めっちゃカワイイ。骨をガジガジする真剣な表情と、無防備な体……。絶対わんこを飼っていてよく観察している人の作品ですよ……!

中世の犬

『古銅洋犬形水滴』 15世紀 出展:慶應義塾ミュージアム・コモンズ(センチュリー赤尾コレクション)

「水滴(すいてき)」とは、硯に使う水を入れておく容器のことです。わんこ型の容器……カワイイ。

『イソップ物語 眠っているイヌとオオカミ』 1480年 出展:ニューヨーク公立図書館デジタルコレクション

わんこ同士(イヌとオオカミ)でじゃれ合ってる感じがカワユイ!!

ちなみに『イソップ物語』の『眠っているイヌとオオカミ』はこんな話です。

農家のイヌが家の前で眠っていると、オオカミが襲い掛かって食べようとしました。

イヌは「僕はこのとおりガリガリで美味しくありませんよ。でももうすぐこの家で結婚式があります。僕もごちそうを食べて太りますので、それまで待ってください」と懇願し、オオカミはそれを信じて立ち去りました。

そして結婚式の日、再びオオカミが訪れるとイヌは家の2階で寝ていました。オオカミは下からイヌに向かって呼びかけます。

「おーい、イヌく~ん! 約束しただろう! 降りて来てよ!」

「やぁ、オオカミくん。良い事を教えてあげるよ。今度から僕が家の外で寝ていたら、結婚式まで待っていちゃダメだよ!」

『犬型ペンダント』 1575~1650年 出展:シカゴ美術館

スペインで作られたペンダント。オシャレかつカワイイ!

近世の犬

線刻銘「忠利」『眠犬木彫根付』 18世紀 東京国立博物館蔵 出典:ColBase

木彫りの根付(ねつけ)。いわゆるストラップの飾りです。

これ作った人天才じゃないですか? なにこの毛並みと骨格! じっと見ていると背中が上下に動きそうな……、今にも寝息も聞こえてきそうな……。ああ背中撫でたい! お尻と頭の間に顔突っ込んで吸いたい!

線刻銘「蘭亭」『小犬牙彫根付』 18世紀 東京国立博物館蔵 出典:ColBase

はいっ! これも天才! 天才の犯行ですよ! あまりの可愛さに昇天するところでした!

縄で繋がれた子犬が、すり抜けて脱走する瞬間をとらえた作品です。元々かなりゆるゆるで繋がれてたと思います。甘々ですね飼い主さん! でも脱走した所で子犬特有の、あのポテポテ走りなのですぐ確保されてしまうんでしょうね!

『犬』 18世紀 出展:シカゴ美術館

フランスで作られたガラス細工。スラっとした体に丸い目……。単純な形に見えて、しっかりと「犬」の造形ですよ!

『犬』 18世紀 出展:シカゴ美術館

こちらもクオリティの高いガラス細工。足が一本かけてしまってますが、失われた足がどうなっていたのか想像力が膨らむ、まさに犬界におけるミロのヴィーナス!!

『犬』 18世紀 出展:シカゴ美術館

さきほどのわんこと色違い。同じ作者でしょうか……。表情もしっかり作られていることが解ります。

『飛び跳ねる犬』 18世紀 出展:シカゴ美術館

躍動感あふれるガラス細工! 良いですね!

『タンブラー』 1723年 出展:メトロポリタン美術館

か、か、可愛い~~~! うちにも欲しい~~~!

『座る猟犬』 1750~75年 出展:メトロポリタン美術館

中国で作られた白磁の犬。丸みを帯びた体が可愛い。

『ワイングラス』 1750~75年 出展:アムステルダム美術館

ワイングラスに掘られたわんこ。

ヘキスト陶磁器工房『眠っている少年と少女と犬』 1767~1775年 出展:アムステルダム美術館

ドイツの陶磁器メーカー「ヘキスト陶磁器工房」の作品。眠っている少年にイタズラしようとしている少女とわんこ……。尊いワンシーン。

左『キースホンドの挿絵』 中央『キースホンドとピンクのリボンの挿絵』 右『キースホンドとピンクのリボンの挿絵』1795年 出展:アムステルダム国立美術館

紙に鉛筆で描かれたイラスト。誰が描いたのか分かりませんが、キースホンドのクオリティが高い。ちなみにキースホンドはオランダ原産の犬種です。

線刻銘「一重」『唐子子犬牙彫根付』 19世紀 東京国立博物館蔵 出典:ColBase

19世紀、江戸時代に作られた根付。

中国人風の子どもと、コロンとした子犬。子犬のまん丸い目がしっかりと坊ちゃんの方に向いていて、仲良しのお友達っぷりが伝わります。

そして子犬の足の太さをご覧ください! これは大型犬になりますよ! 今はまだ小さくて坊ちゃんに甘えていますが、やがて成長して坊ちゃんを護るようになるわんこ……子どもと子犬の組み合わせはいつの時代も最強の組み合わせですね……!

『子どもと子犬』 19世紀 出展:メトロポリタン美術館

心なしか、赤ちゃんの顔も子犬っぽくなっているような……。

『おもちゃ箱の根付』 19世紀 出展:メトロポリタン美術館

子どものおもちゃ箱を模した根付細工。この時代のおもちゃのわんこ(犬張子)って、イヌなのか猫なのかわからない感じなのですが、これは明らかにわんこですね! こだわりを感じます。

『小銭入れ』 1820~40年 出展:メトロポリタン美術館

メキシコのビーズ細工。明らかに犬のクオリティだけ桁違い。

『鳩とペキニーズ犬の鼻煙壷』 1820~50年 出展:シカゴ美術館

中国で作られた、嗅ぎタバコを入れる壺。中国の美術品って繊細で緻密でリアルなイメージがありましたが……。いやはやなんとも、味のある……。ペキニーズの隣にいるのは……。何? 犬? リス? 

『ベイクウェル社のタンブラー』 1825~30年 出展:メトロポリタン美術館

アメリカで作られた、ガラスのタンブラー。19世紀のフランスでは、グレイハウンドのモチーフが大人気でした。ベイクウェル社の工房を訪れたある人は「なんて完璧なグレイハウンドだ!」と称賛したそうです。たしかにカワイイ! 現在でも通用するデザインですね!

『マッチ立て』 1830~70年 出展:メトロポリタン美術館

アメリカで作られた磁器のマッチ立て。これも……部屋に飾りたい。

『犬の写真』 1850~1899年 出展:シカゴ美術館

19世紀後半、写真の登場によりどんな身分の人でも愛する家族の肖像を残せるようになりました。当時の人々も「愛する家族」としてペットの姿を写真に写しています。

L.Prang&Co『生後4週間』 1865~1899年 出展:ニューヨーク公立図書館デジタルコレクション

アメリカの出版社から発行されたグリーティングカード。あ~~かわいい~~。ぽてぽてお腹が今にも動きそう。


こちらも同じアメリカの出版社から発行されたトレーディングカード。おままごとの相手をするわんこ……。尊い……。

ユニオンポーセリンワークス『袖ボタン』 1876年頃 出展:メトロポリタン美術館

アメリカの磁器メーカーの作品です。これはアメリカン・ブルドッグでしょうか。ブルドッグ好きは是非欲しいアイテム!

『運河沿いの家のドアの外に立つパグの肖像』 1890~1905年頃 出展:アムステルダム国立美術館

ああ! パグくん、小さな体でお家を守っているのね! 堂々とした佇まい!

『メガネケース』 19世紀後半 出展:メトロポリタン美術館

メキシコのビーズ細工です。すごい……ビーズでわんこのモフモフの毛、濡れた鼻、輝く瞳をここまで……。現代ならスゴイドット絵職人として名を馳せそう。

『印籠』 19世紀~20世紀 出展:メトロポリタン美術館

最後は日本から! 「これが目に入らぬか!」と出されたら、凝視しちゃって頭を垂れる事を忘れて斬られちゃいそう……。

犬は人類最初のともだち

前回の誰でもミュージアムでは、名のある画家たちの描くわんこを紹介しましたが、今回は「誰が作ったのか分からない」わんこ作品ばかりを集めてみました。有名人も無名の人も、わんこへの愛は変わらないですね。

あなたのお気に入りのわんこ作品はみつかりましたか? もしあなたが犬好きなら、あなたの愛犬の姿を残しておくのはいかがでしょう。ひょっとしたら数百年後に美術館に飾られているかもしれませんよ!

「誰でもミュージアム」とは?

パブリックドメインの作品を使って、バーチャル上に自分だけの美術館をつくる「誰でもミュージアム」。和樂webでは、スタッフ一人ひとりが独自の視点で日本美術や工芸の魅力を探り、それぞれの美術館をキュレーションしています。「誰でもミュージアム」はwebメディアだけでなく、各SNSアカウントや音声コンテンツなど、さまざまな媒体のそれぞれのプラットフォームに合わせた手法で配信。アートの新しい楽しみ方を探ります。

♦︎「誰でもミュージアム」プロジェクト、始動! パブリックドメインの作品で自分だけの美術館をつくろう

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