エナジー満ち溢れる空間が出現。Energy展作品紹介

ライター
藝大アートプラザ編集部
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PR 企画展情報 作品紹介

「energy(エナジー)」は、目に見えない「力」や「気配」、「熱量」など、広義のエネルギーをテーマとした企画展です。本展は、東京藝術大学に所属または出身のアーティスト11名による新作を中心に構成し、視覚・空間・身体を通してエナジーの存在を可視化・体感できる場を創出します。私たちが日々触れているが意識することの少ない「エナジー」を、アートによって感覚的・直感的に捉え直し、鑑賞者に「自分にとってのエネルギーとは何か」を問いかける機会を提供します。

ここでは、作品の写真とともに各出展作家をご紹介します。

※ここでご紹介する作品は通販(銀行振込)での購入も可能です。メールにてお気軽にお問い合せください。

<artplaza@and-next.jp>

※コメントは、Web担当による解説です。
※並びは展示風景のおおよその順路に従っています。
※写真にない作品もございます。ぜひ現地で全ての作品をご覧ください。

会期:2026年3月28日(土)〜5月10日(日) ※展示入れ替えなし

定休日:月曜日(祝日の場合は営業、翌火曜日が休業)/5月4日(月・祝)は営業

営業時間:10:00-18:00
※営業日時が変更になる場合がございます。最新情報は公式Webサイト・SNSをご確認ください

入場料:無料

会場:藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)
公式Instagram / 公式X(Twitter) / 公式Threads

協賛:大塚製薬株式会社

公式Instagram:@geidai_art_plaza
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片山 穣

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片山穣は、蝋で布に描き、染めを重ねることで模様を生み出す伝統技法「ろうけつ染め」を用いて制作を行う。蝋は染料を弾き、工程の反復によって色やイメージが層として蓄積されていく。本作ではその特性を活かし、都市に残されたグラフィティやステッカーの痕跡を重ね合わせている。作品タイトルは実在する場所の座標を示しているが、現在も同じ景色が存在しているとは限らないと作家は語る。剥がされ、上書きされていくイメージは、個人の存在の証であると同時に、街に潜む声にならない声でもある。そうした痕跡にフォーカスすることで、目に見えない人々のエネルギーを浮かび上がらせている。

山田雄貴

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山田雄貴は、岩絵具や膠、麻紙といった日本画の伝統的な素材と技法を用い、花や恐竜などのモチーフを描く。山田にとっての薔薇は、ここ数年に数多くスケッチしたモチーフでもあり、幼いころから親しんだ花でもある。都電荒川線沿線の大塚や三ノ輪あたりで、時期になるとさまざまな品種が見られると言う。本作は銀箔を用いたもみ紙や墨流し、マーブリングなどの技法を組み合わせながら、水面や鏡像のように揺らぐイメージとして構成される。素材がもつ物質性や偶然性、自然の力を取り込みながら、可視化できない「存在」や「見えない力」を画面上に立ち上げることを試みている。

瀬川祐美子

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本作は、感情や記憶といった目に見えないものが、人と人のあいだで交わり、関係をかたちづくっていく過程を描いている。瀬川祐美子は、五感の体験が感情となり、それが他者へとひらかれていく連なりに関心を寄せてきた。《おしゃべりしようよ》では、鮮やかな色彩が広がり、個と個のあいだに漂う気配が立ち上がる。貼り込まれた麻紐は、境界でありながら、糸電話のようにどこかへとつながる線でもある。「energy」とは、内側に満ち、渦巻く力で、感情や言葉、表情の源になるものだと作者はいう。「おしゃべり」という行為になぞらえながら、他者とつながる瞬間がひらかれている。

太田剛気

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太田剛気が近年手掛ける絵画は、「あかるい抽象」をコンセプトに、近代西洋絵画に範をとりながら、ポップでかわいい表現を展開している。かつては架空の歴史をモチーフとしていたが、近年は絵画そのものの強度に焦点を移し、非物語的な画面へと移行している。本展では「energy」というテーマを、「ただよう」「スイート」といった形容と結びつけて捉え、「あかるい抽象」との関係の中で展開している。制作には油絵具を用い、厚塗りによる物質的な強度を画面に取り入れている。「暗い世相の中で、今こそ底抜けに明るい絵画を描きたい」と語る。

村尾優華

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村尾優華は、ライフワークである登山の体験をもとに、日本画に多様な手法を融合させた絵画を制作している。自身の脚と目で捉えた山の姿を拾い集めるように、山道の樹木や地衣類、道祖神、野生動物の気配や痕跡などがモチーフとして取り込まれる。自然がかたちづくる模様への関心は強く、それらはときにパッチワークのように画面に構成される。本作は、御岳山の神社に並ぶ狛犬をモチーフとしている。立ち並ぶ狛犬に感じられる不穏さと、思い思いのポーズをとる犬の愛嬌とが同時に立ち現れる。山に立ったときに感じる畏怖や圧、気配のようなもの――そうした感覚を、作家は「energy」として捉えている。

吉田 果歩

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吉田果歩は、リアルな動物の姿を通じて、時間や感情、感覚に触れる作品を制作している。本作は、作者が昨年冬に出会ったヤマトという一頭の馬をモチーフとしている。馬搬に使われるこの馬は、作業を終えたあと、地域の子どもたち八人を乗せて歩いていた。子どもたちの笑顔と、その力強い歩みは、恵みや幸福を思わせる光景として、作者の中に強く残った。本作は、約1mmの銅板を叩き、変形させて成形する鍛金の絞り技法によって制作されている。一枚の金属板が立体へと立ち上がるまでには、時間と技術が積み重なる。「金槌の一振り一振りが大きなエネルギーとなり、作品を生み出している」と作者は語る。

作田 美智子

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作田美智子は、ガラスの透過性を手がかりに、光と影そのものを作品として扱っている。ガラス内部に刻まれた線や質感は、光を受けて影となり、内部に風景のような像を立ち上げる。時間や光の角度に応じて、像は絶えず移ろい続ける。ガラスの内部に現れる奥行きは、トンネルや通路のように先へと続く気配を帯びる。そこには、不安と期待が交錯する感覚や、ふと心が静まる瞬間が重ねられている。作田にとっての「エネルギー」とは、強く発散するものではなく、静かに持続する状態である。本作は、光の変化に応じて像を更新しながら、鑑賞者の感覚を緩やかに整え、ニュートラルな地点へと導く試みである。

柿沼 美侑

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柿沼美侑は土偶の制作を軸に、万物に魂が宿るというアニミズム的な思考のもと制作を行う。自らの手で生み出したかたちに生物のような意思や気配を見出し、土を焼く行為を通じて古代の人々とつながるような感覚を覚えると語る。 技法面では、野焼き(約800〜1000度)という低温焼成を用い、融点の低い素材や独自に調合した土・釉薬を実験的に取り入れることで、表現の幅を拡張している。焼成の過程には強い偶然性が伴い、火や熱のふるまいが作品に豊かな表情を与えている。 好奇心を原動力に、人類のものづくりの起源を見つめながら、野焼きの可能性を探求している。

今井 完眞

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今井完眞は、「生命」を主題に制作を行う陶芸家である。無機物である粘土が焼成によって変化していく過程を自然現象として捉え、土と火、そして人の手が関わる中で生じるかたちや質感をもとに造形を展開している。京焼の系譜を背景に、多様な技法を取り入れながら制作を行う。「リアルファンタジー」という考えを根底に、現実を超えた生命の気配、 現実と想像の境界にある世界を、陶という素材で形にすることを意識していると語る。原寸大の鰐亀のダイナミズムや、タコと蟹が絡み合う様子は、生物に内在する力が表現されている。

藤田 野々

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「布団を頭からかぶると、外の気配が遠のき、方向感覚が少し曖昧になる。」藤田野々は、そうしたごく身近な身体の出来事を出発点に、人物像をかたちづくっている。顔や身体は覆われ、性別や言語といった手がかりを遮断することで、他者の視線から距離をとり、静かに存在するあり方に関心を寄せている。一木造りにはこだわらず、制作の過程でかたちを加え、異なる素材を取り入れながら像が組み立てられる。皮膚にあたる部分は滑らかに仕上げられ、他の部分との質感の違いが際立つ。目に見えない力や気配、自身の内側から湧き上がるものが、静かな佇みに込められている。

佐治 真理子

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佐治真理子は、金属による鋳造技法を用い、小さな人型の像や茶道具を制作している。お面のような無表情の顔をもつ人型は、約16年にわたり取り組んできたモチーフである。あえて表情をそぎ落とすことで、しぐさや佇まいに意識が向けられる。「鋳金は素材を一度溶かして型に流し込む技法で、そこには再生の意味合いがあります。鋳造は古くから祭事の青銅器にも用いられ、祈りや願いのエネルギーと結びついてきました」と作家は語る。本展では、しめ縄や狛犬など、神社の景色をモチーフとしている。日常のなかでふと立ち止まり、気持ちを切り替える。そうしたささやかな瞬間に寄り添い、静かに支える存在として、本作はかたちをあらわしている。

会期:2026年3月28日(土)〜5月10日(日) ※展示入れ替えなし

定休日:月曜日(祝日の場合は営業、翌火曜日が休業)/5月4日(月・祝)は営業

営業時間:10:00-18:00
※営業日時が変更になる場合がございます。最新情報は公式Webサイト・SNSをご確認ください

入場料:無料

会場:藝大アートプラザ(東京都台東区上野公園12-8 東京藝術大学美術学部構内)
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