上野のアメ横は戦後のヤミ市からスタートした商店街。ディープな東京の名所として、世界中から観光客が訪れる巨大横丁です。
上野のアメ横はどこにある、なにがある?
JR上野駅の不忍口(しのばずぐち)を出ると、交差点の向こうに「アメヤ横丁」という看板が見えます。ここから御徒町駅まで線路沿いに続いているのが「上野アメ横」。
戦後の物がない時代、当時は貴重品だった飴を売る店がガード下に並んだことからアメヤ横丁と呼ばれるようになり、やがて米軍物資や舶来品を売る店が集まってアメリカ横丁とも呼ばれたのが、名前の由来といわれています。
アメ横の通りに足を踏み入れると、こちらには果物、あちらには海産物とさまざまな店が連なっています。ドライフルーツの専門店や、殻付きのピータンが積みあがっている輸入食品の店も。海苔やお茶といった日持ちがするものを扱っている店も多いので、上野観光のお土産探しにもぴったりです。
御徒町方面へと歩いていくとTシャツやデニムといったアメカジの衣料品店や、珍しいミリタリーの専門店が現れてきます。屋台風の飲食店からは、お腹がぐうっと鳴りそうないい匂い。上野から御徒町までは歩いて10分もかからない距離ですが、アメ横には400もの店があるのだとか。
アメ横の魅力その1 どんどん値引きの安さが自慢
アメ横といえば、テレビのニュースなどで風物詩のように取り上げられる歳末の混雑が有名です。正月のおせちに入れるイクラやカニ、カマボコなどを求める人で押すな押すなの大賑わい。「ふたつで1,000円!」「こっちは半額!」というかけ声とともに飛ぶように物が売れていくようすを、見たことがある人も多いのではないでしょうか。歳末の1日に、40~50万人もの人出を記録したこともあるのだそう。
アメ横の名物ともいえる値引きのかけ声は、歳末に限らずいつでも健在です。かけ声に応えておすすめの商品を値引きしてもらうのは、アメ横ならではの楽しみのひとつ。
アメ横の魅力その2 専門店ならではの品ぞろえ
安さばかりがアメ横の魅力ではありません。「これは値引きができません」というものが、実は昔ながらの専門店だからこそ仕入れられる逸品ということもあるので、無茶な値引き交渉は無粋というもの。
また、専門店ならではの品揃えにも注目してください。思いがけない掘り出し物が見つかったりするのも、アメ横の楽しいところ。
エンタメ気分で歩きたい! 上野アメ横ストリート
戦後は新宿などにもヤミ市がありましたが、都市開発によって現在ではその面影はありません。上野のアメ横はヤミ市からスタートした商店街としては、東京で唯一残る場所。とはいえ、上野側の入り口にヨドバシカメラがあるように今では大手チェーン店も軒を並べていますから、まずは気楽に雑踏の雰囲気を味わってみてください。お店にところ狭しと並んだ商品をのぞくときは、宝探し気分で。店の人との会話も、買い物をワクワクする体験にしてくれます。
掘り出し物を探しながらぶらぶら歩いたら、もどる道々、おやつや晩のおかずを手にぶら下げて帰りませんか。
エンタメ気分で楽しみたい、上野のアメ横を紹介しました。
【取材協力(五十音順)】
アメリカ屋 公式サイト:http://www.americaya.co.jp
二木の菓子 公式サイト:http://www.nikinokashi.co.jp/
丸茂商店 公式サイト:https://www.ameyokomarumo.com/
【参考書籍】
デジタル大辞泉(小学館)
世界の市場 日本 アジア編1(アリス館)
アイキャッチの写真提供:台東区