上野でデートするならこのルート!最強モテプランをシミュレーションしてみた

ライター
安藤整
関連タグ
上野 コラム 上野散歩

「あの、よかったら……付き合ってくれませんか……?」

「うん……うれしい」

「よかった。今度一緒に……デートしない?」

「うん、いいよ」

もし現在、あなたが誰かとこのような会話を交わしたばかりならば、二人で行くべきところは一つです。

東京・上野。

なぜかって?

上野は都内における最強デートスポットの一つだからです! 
(※「最強」は筆者の主観です。この記事は、基本的に筆者の主観だけで構成されています)。

そしてここでは藝大アートプラザ(上野にあります)が誇るさまざまなウェブ記事を駆使して、上野での最高モテデートを、徹底シミュレーションしてご案内します。

デートを間近に控えこのページにたどりついたあなたは、まことにご運がよろしい。

(※以下、男性・女性いずれの目線でもお楽しみいただけます。デートを控えていない方もお好きな妄想でお楽しみください)

待ち合わせ場所は中央改札口

デートを間近に控えたカップルに余計な話は不要です。
つべこべ言わず、待ち合わせ場所を決めましょう。

待ち合わせは上野駅の「中央改札口」がおすすめです。
「公園口」でもなく「不忍改札口」でもなく「入谷改札口」でもなく「パンダ橋口」でもありません(ましてや「新幹線乗換口」でもありません)。

この中央改札口に、待ち合わせ時間の5分前には着くようにしましょう。
改札口を出て振り返ると、頭上には大きな壁画が飾られています。
到着したら、この壁画を見つめていてください。

ちなみに、この壁画は洋画家・猪熊弦一郎の『自由』という作品。色彩感あふれる作風に特徴があります。事前にこの記事を読んで、よく覚えておきましょう(写真は同記事中から引用)

「ごめん! 待った?」(大抵相手は少し遅れてくるものです)

「ううん、全然」

「何見てたの?」

「この壁画。なんだか魅入っちゃって。ちょっとピカソみたいじゃない?」

こんな感じで「壁画に魅入ってしまう、ちょっとアート好きな部分」をアピールできます。芸術に興味があることでマイナス評価を与える人はいません。
(※個人の意見です)

上野デートは全天候型

デート当日が晴れならば、やはり恩賜上野動物園が定番コースでしょう。

「パンダの赤ちゃんの名前って、なんだっけ?」

「えーっと…キョンキョン?」

「キョンキョンは小泉今日子のことじゃーん」

「ははは、そうだっけ!」

このように「〇〇の名前ってなんだっけ?」クイズは間違っても笑いが起きますし、同じタイミングで思い出すと確実に盛り上がります(※統計的データはありません)。

似たような問いに「徳川幕府の7代将軍って誰だったっけ?」「オーストラリアの首都ってどこだっけ?」などがあります。上野公園に行くのだから「公園改札口」を使えばいいじゃないかと思われたかもしれませんが、このような会話をする時間とお考えください。

なお、2021年6月23日に生まれたパンダの名前はシャオシャオとレイレイです。7代将軍とオーストラリアの首都は二人で調べてください。

動物園へと続く公園内の道

さて、デートの日は晴れてほしいものですが、もちろん雨が降る可能性だってあります。

でも安心してください。上野のデートコースは「全天候型」。最強と呼ばれるゆえんです。ずらりと並ぶ日本有数の博物館・美術館・史跡・名所が急なデートコースの変更に柔軟に対応してくれます。
相手が恐竜好きだということがわかったなら、国立科学博物館へ。お寺好きならば寛永寺へとコースを変えてください。

雨の中で決めかねた場合には、東京国立博物館に行きましょう。

東京国立博物館のことは、「トーハク」と呼ぶとちょっと知っている感が出ます(写真は下記の記事中から引用)

2022年は創立150年とあって、さまざまな企画展が催されています。
特に今年は、トーハクに所蔵される国宝89件すべてが展示される一大イヤー。もちろん雨じゃなくても行く価値は十分にあります。「国宝」という言葉にテンションが上がらない人はいません(※個人の推測です)

事前にこの記事を読んで、デートのタイミングで開催されている企画展を確認してください。

ロダンの彫刻を真似する

でも博物館はちょっと…。という人は、上野公園をぐるりと歩いて西郷隆盛像や不忍池を散策しても楽しめます。

西郷隆盛像についてはこちらにまとめておきました(写真は同記事中から引用)

ちなみに、不忍池のボートに乗ったカップルは「別れる」というジンクスがあるそうです。ですが、往々にしてこのようなジンクスに明確な根拠はありません。実際、筆者が以前ボート乗り場のおじさんにそのことを尋ねたところ「ははは」と笑っていただけでした(大丈夫、ということでしょう)。

スワンボートの上で会話に困ったときのために、不忍池の名前の由来、大きさなどの詳細をこちらにまとめておきました。誰が言ったか知らないジンクスよりも、「愛はお互いに見つめ合うことではなく、共に同じ方向を見つめることである」というサン=テグジュペリの名言を思い出したいものです。

閑話休題、もし突然の雨に降られたりして散策できないときは、国立西洋美術館がおすすめです。

同館は2022年4月にリニューアルされたばかり。いままさにおすすめのスポットです(写真は下記の記事中から引用)

建物に入る前に、少し遠目から二人でこの建築物を眺めてみましょう。

「トーハクは重厚な感じの建物だったけど、こっちはちょっと変わってるね」

「コンクリート感があるね」

などという会話がはずむかもしれません。この建物は、フランスの建築家ル・コルビュジエが設計したもの。このデザインにはコルビュジエが提唱した「近代建築の5原則」のうち4つが体現されており、建築物自体が世界遺産に登録されていることを、話してみてはどうでしょうか。ただし「鼻につく」ような感じはNGです。

国立西洋美術館とコルビュジエの近代建築の5原則についても、こちらで詳しくまとめておきました。知識を持って眺めてみると、より一層楽しめます。

さて、美術館に入ってまず目に入るのはロダンの彫刻でしょう。

「彫刻ってあんまり意味がわからないよね」

「そうだね」

という会話になりがちですが、そんなときは素通りしてしまわずにぜひ彫刻のポーズを真似してみてください。

「え、考える人のポーズ、案外苦しいね!」

「右肘を左膝につけるとか不自然じゃない!?」

これもまたアートの楽しみ方の一つ。一緒に変なポーズを取ってみれば、ひと笑い起きること間違いなしです(※個人の推測です)。

これもロダンの作品。やってみると、結構きついことがわかる。(オーギュスト・ロダン『アダム』(1880もしくは1881)メトロポリタン美術館オンラインコレクションより)

休憩はかわいいカフェor純喫茶で

おそらく、ここまでゆっくり巡ると3〜4時間ほどかかります。結構足も疲れてきているかもしれません。

「大丈夫?」「足、しんどくない?」といった相手への気遣いは、たとえ何年付き合おうと忘れてはならないことの一つです。

上野公園内や周辺にはチェーン系のカフェもありますが、おすすめなのはこちら、「喫茶ニカイ」。

こちらの記事で詳しく→谷中散歩の新名所。〈喫茶ニカイ〉は昭和レトロの宝庫だった(写真は同記事中から引用)

お店の中のもの、全部「カワイイ」です。東京国立博物館から歩いて10分ほどの場所にあり、アイスクリームの種類も豊富なので、目でも口でも楽しむことができます。

もう少し硬派な純喫茶がお好みなら、こちらへどうぞ。

こちらの記事で詳しく→昭和50年創業、上野の純喫茶「珈琲王城」の歴史とこれから(写真は同記事中から引用)

純喫茶「珈琲王城」。昔ながらのミートソーススパゲティもさることながら、お店の経営状態まで包み隠さず発信するSNSをフォローすれば、間違いなくまた訪れたくなります。

上野でデートしよう

高校生デートでも大人なデートでも、夏でも冬でも、アートに興味があってもなくても、誰もが楽しめるのが上野デートの醍醐味。動物に癒やされたり、芸術の奥深さに触れたり、突然の雨に降られて美術館に駆け込んだり、銅像の前で笑い合ったり。二人の距離を縮めるのにこれほど良い場所があるでしょうか(いや、ない)。

「今日はありがとう、楽しかったね」

「うん、また来ようね」

夕方の上野駅では、このような会話が今日も聞こえてくるのです(※個人の妄想です)。

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